2016年の2月はじめのコナラの枝先、
10mmほどの糸くずみたいないもむし。
拡大して見ると、
ちっこい尺取り虫だった。
十中八九、越冬中のナカウスエダシャクの弱齢幼虫。
この模様の幼虫は過去何度か飼育して皆ナカウスエダシャクが羽化した。
-->過去記事;ナカウスエダシャクの幼虫(旧いもむしうんちは雨の音置き場)
なので、もーいいかな?と思ったけどヨク見たら
背中にゼリービーンズみたいな物を背負ってる。
寄生バエの卵にしてはツヤテカしているので寄生蜂のたぐいかな?
確認のため拉致。
寄生虫と言うと、体内に潜んで食い荒らす、みたいなイメージを持っていたけど、
中にはこんな種類もいるようだ。
外にいたら振り落とされたりして不利なような気もするが、
中にいても宿主の血球に取り巻かれたり、他の寄生虫に攻撃されたりすることもあり、
体内は体内でそれほど安全と言うわけではなさそう、という話だ。
で、上の幼虫の10日後、こうなった。
尺取り虫は萎びてしまい、幼虫のいたところは透明な抜け殻だけ。
ねじれた不思議な塔が立っていた。
蛹のようなそうでないような?
その9日後、体長2mmのハチが羽化。
ヒメコバチ科の1種 Eulophidae gen.sp. |
裏側
ヒメコバチ科の1種 Eulophidae gen.sp. |
短い針(産卵管)が見えるから雌みたい。
ねじれた茶色い塔はどうやら蛹化時に出した糞だった。
ハバチなどを除くハチの幼虫は糞をしないで蛹化時に一度に糞を排出する。
極端な便秘体質ですな。
図鑑の解説。
附節は4節、前脚脛節距は短く曲がらない、
中脚脛節距は短く細い、触角は少なくとも9節は明瞭
etc.・・・
寄生のパターンは、
トンボ、バッタ、カメムシ、甲虫、ハチの卵寄生。
甲虫の卵-幼虫寄生。
ヨコバイ、カメムシ、アミメカゲロウ、ハエ、ハチ、甲虫、鱗翅目の幼虫寄生。
クモの卵の過寄生などがあるそうな。
日本の記録だけで32属約130種の記録がある。
種までの同定は私には無理。。。
おまけ
蛹はミイラ化した尺取り虫をめくると殻があった。
左がおしり方向。
なんか鉄人28号のコントローラーみたいな突起がついてる。???
ではまた
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