2024年12月21日土曜日

「この娘はワシの嫁!誰にも渡さん!」の構え

この間のお散歩では何も持ち帰るものがなく、、、
ちょっと前の記事からおまけの話。

↑この時のフジの莢、タッパーに入れて霧吹きで水分補修しておいたらダニ沸いた。

といってもゴキブリの飼育容器やカブクワの朽ち木に沸くコナダニの仲間と比べても非常に小さい種類である。

ホコリダニという、カビを食べる種類である。
ナミホコリダニとかその辺の種類。
中にはチャノホコリダニのように植物の汁を吸う種類もいて農業害虫とされるものも含まれている。

コナダニがだいたい体長0.5㎜くらいとして、ホコリダニは0.2㎜あるかないかといったところ。

もう私の撮影環境ではプレパラートにして光学顕微鏡でのぞいた画像くらいしか見れる写真が上げられない。
とかいいつつイマイチな画像しか撮れてない。

まあいいや

メス成体
ホコリダニ科の一種♀
Tarsonemidae gen.sp.
female
室内塵を検査するとよく出てくるダニでもある。
ホコリダニ科の一種♀
Tarsonemidae gen.sp.
female
室内塵から見つかるときは死んで干乾びていることが多いので、上図のようなホームベース型に縮んでいることが多い。

こちらは同種のオス
ホコリダニ科の一種♂
Tarsonemidae gen.sp.
male
見てわかるとおり、性的二型の著しい種類である。
オスは4対の脚のうち第4脚が異常に発達している。

こういうのって大概オス同士で闘争するためにあるように思うが、そういうのはツメダニ科で見られる。
ホコリダニではメスを捕まえておくためにこの脚を使う。
どういう事かというと、
ホコリダニのオスは、最終脱皮前の動かなくなったメスの若虫を確保して持ち歩く習性がある。
成体に脱皮したら即交尾しようという算段である。
ある意味ロリコン?

判りにくいけど、動画に撮ってみた。
ホコリダニが沸いたところを実体顕微鏡で観察すると、こんな感じでメスを背負って歩きまわるオスがみられる。
ホコリダニ科では闘争ではなく逃走に使うようで。。。

よく似た行動はコナダニやチリダニでも見られる。
こちらのオスは肛吸盤が発達しており、同じようにメスの若虫を確保していることがある。
以前ウモウダニの記事で少し書いた。↓

肛吸盤についてはこちらの記事。↓

ツメダニのオスなんかは静止期(*)のメスの脇に待機して、オスが寄ってきたら触肢を拡げて威嚇して追い払ったりしている。
(*静止期:脱皮する前に動かなくなる時期があり、その時期を静止期という。)
ミナミツメダニとかフトツメダニを累代飼育して状態がよくなってくると、オスの触肢が異常に発達する個体が見られるようになる。
昔リバーサルフィルムで撮ったのがあるけれど、デジタルデータにしていないのでここでは貼れない。スマヌ
ツメダニは例えばこんなヤツ
ツメダニの一種Mexecheles sp.
矢印のところが触肢。Mexechelesは飼育していないのでオスの触肢が発達するかどうかは判らない。

小さなダニでも樹液酒場のクワガタのような世界が繰り広げられているのである。
なんでも観察してみるもんですな。

ではまた


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