2021年2月20日土曜日

網目状の脱皮殻を背負うジュズダニ科の若虫

以前から腐葉土を持って帰ったら見かけるササラダニ。

ササラダニらしく動きはゆっくりで幽霊みたいなヤツ。

白っぽいからジュズダニ辺りの幼体かな?と思っていたもの。

スケールは0.5㎜。

背中がわしゃわしゃしているので柄付き針でつついたら、脱皮殻を2枚背負っていた。

ちょっと拡大

胴体部の中央に曲がった剛毛が1本生えていてこれに脱皮殻がくっ付いている感じ。

裏側。


初めて裏返してみたら、肛門と生殖門らしきものが見える。

成体???

日本産土壌動物第2版の絵解き検索使うと変なところに行きつく。

カゴセオイダニ科 Basilobelbidae

アミメマントダニ科 Heterobelbidae

全然合わない。


ネットで検索しなおし。

・・・・・・・・

成体じゃなく若虫でも生殖門があるのがいるらしい。

試しに「Damaeidae nymph」で検索したらそっくりなのが出てきた。

意味は「ジュズダニ科の若虫」の意味。

変な生き物の検索は(学名と英語)の組み合わせの方がヒットする確率が高い。

変人は世界中に分布している。


さて、


そっくりなのは  Spatiodamaeus属の第2若虫。

この属は日本産土壌動物第2版には載っていない属だけど、既存の属が細分化でもされたのだろうか・・・

トゲジュズダニ属 Epidamaeus の若虫にも似ている。

結局直感でジュズダニ?と思っていたのが正解だったようだ。

透過処理してプレパラートにしたので画像貼っておく。

偏光板を通したら光る剛毛。

体長約0.7㎜(スケールは0.025㎜)


第1脚先端

鎌形の爪が1本

後体部背面

スケールは0.01㎜。

幼虫?の脱皮殻


第1若虫?の脱皮殻
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検索していたら日本にも変態がいた。↓(リンク先PDF直リンク)

「ホホイボジュズダニの室内飼育による発育期間と産卵数ならびに幼若虫期の形態」1992年


ジュズダニ科の成体は硬い感じのよくいるササラダニ。

旧ブログで紹介している↓

「信心深い訳ではないけれど・・・・ジュズダニ」 

insectmoth.hatenablog.com


ではまた

2021年2月13日土曜日

テングイラガ?繭の寄生蜂

ネタがないので途中経過の虫でも。

昨年11月、ネジキの枝で見つけた小さな繭。

2020年11月8日

長径5㎜ほどで楕円形。
イラガ科っぽい繭でこれほど小型なのはテングイラガかな?

持ち帰って保管していた繭を最近覗いてみた。

2021年2月5日
あれ?触角らしきものが見える。
蛹化しているようだが、蛾の蛹なら体に密着してるはず。
蛾の蛹は、普通「被蛹(ひよう)」と言って体のパーツがミイラのように一体化しているはず。
原始的な蛾やハチとかは「裸蛹(らよう)」と言って体のパーツが離れた蛹であることが多い。
イラガ科は被蛹のはずだから、寄生蜂に変換されたようだ。


2021年2月9日
ちょっと広げてみた。
どう見てもハチ。

2021年2月12日
発生が進んでいる。

イラガの寄生蜂と言えばイラガセイボウが有名だけど、
なんだか違う。

ヒメバチ系だろうか。

セイボウ科だったら検索表があるから同定できそうだが、ヒメバチ科だったらキビシイナァ。。。

無事羽化したらまた記事にします。

ではまた

2021年2月6日土曜日

体長2.5㎜のコウラコマユバチ、Phanerotomella?

去年のこの記事のキノコ樹皮↓

ヒロズコガ科不明種

保管していた樹皮のタッパーに小さなハチが羽化していた。

Phanerotomella?sp. 
体長2.5㎜。
小さくて翅脈が写ってないけどコマユバチ科Braconidae に見える。
腹部背板3節が融合しているのでコウラコマユバチ亜科Cheloninae

例によって、
を参考に属の検索。

背面拡大
融合した背板の縫合線が残っているので Phanerotomini

腹面
♂でした。

翅脈が判るように撮れなかったのでイラストにして
上記サイトを参考に書き込みしてみた。

※2SRは3SRかもしれません。
上記サイトの検索には
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前翅SR脈は2つの区画を有する(途中で1本の翅脈が分岐)
2nd. submarginal cellは三角形か有柄。
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なのは Phanerotomella 属とある。
検索には♀の触角は30~40節からなるとのことだが、
この子の触角は24節。♂だからかな?

この属、「日本から公式記録はない」とヤなことが書いてある。

存在は把握してるけど調べる人(ヒマ)がないというやつみたい。。

小蛾でもあるあるである。


ではまた