2017年8月26日土曜日

サビイロヤガでした(先週の答え合わせ)

前回の記事 (サビイロヤガ(サビイロコヤガ)の幼虫?

の幼虫がもう羽化しました。

サビイロヤガ(サビイロコヤガ) Amyna stellata 

でした。


翅頂の白斑が小さくて少し悩んだけれど、ヒメシロテンヤガと比較すると
前翅の前縁が山なりにカーブして幅広く見えるので区別できる。
図鑑の画像を見るとヒメシロテンヤガはこれより直線的である。

蛹化は8月16日
サビイロヤガ(サビイロコヤガ) Amyna stellata Pupa
画像は2日ほどして硬化が落ち着いたころに撮影

蛹の腹端部
刺毛は2本だけ横に突き出した状態。

おまけ
♀の交尾器
サビイロヤガ(サビイロコヤガ) Amyna stellata 
female genitalia

8は第8腹節。

ではまた

2017年8月19日土曜日

サビイロヤガ(サビイロコヤガ)の幼虫?

タイトル詐欺になりそうなので、いもむし分追加。。

盆明けの16日は休みだったのでお散歩に出撃。
イノコヅチで見つけたいもむし。
Amyna sp. stellata larva
見た目と食草から以下の2種に絞った。

サビイロヤガ(サビイロコヤガ) Amyna stellata
成虫の前翅は濃い赤褐色。

ヒメシロテンヤガ(ヒメシロテンコヤガ) Amyna axis
成虫の前翅は灰褐色。

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8月26日追記
羽化確認してサビイロヤガで確定しました。
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手持ちの文献では2種の幼虫での区別点は判らなかった。
どちらも普通種なので絞れない。。。

上記和名は日本産蛾類標準図鑑(学研)より改称されている。
コヤガ亜科からアオイガ亜科に移動したため。

アオイガ亜科 Bagisarinae の特徴は、
第1・第2腹脚が退化、あるいは消失する。
腹脚の鉤爪先端に大型の内歯がある。
など、幼虫の特徴から規定されているようだ。

原色日本蛾類幼虫図鑑(保育社)のサビイロヤガの解説より抜粋。
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全体淡緑色の細長い円筒形、体表は平滑、刺毛は長い。
白色の気門線と細い褐色の背線がある。
刺毛基部は小さく突出する。
頭部の刺毛基部は小黒点を伴う。
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たぶんヒメシロテンヤガの幼虫もほぼ同じだと思う。

この幼虫は持ち帰った翌日にはこんな感じで
Amyna sp.  stellata larva
成熟して赤くなり、葉っぱを軽く綴って19日に蛹化した。
羽化したらどちらか判明するのでまた記事にします。

おまけ
繭の隙間から幼虫の脱皮殻を引っ張り出して
腹脚の鉤爪を顕微鏡で観察してみた。
スケールは0.01mm(数字は0.1mm間隔)
確かにただの鉤だけじゃなく内歯がありますな。

ではまた

2017年8月12日土曜日

アメリカミズアブの卵

山の日なので近所の山に行ってきた。
まぁいつもと同じである。
汗だくになって休んでいると、アブがたかってきた。
通称「便所バチ」ことアメリカミズアブだった。
誰が便所やねん、失礼な。ということで確保。

背面
アメリカミズアブ Hermetia illucens
触角が少し欠けてる。

腹面
アメリカミズアブ Hermetia illucens 
ケースに入れて一晩おいていたら、産卵していた。
ちょっと数えるのが嫌になるくらい。

拡大
アメリカミズアブ Hermetia illucens の
長径がちょうど1mmの細長い卵。

とりあえず保管しているので1齢幼虫が出たらまたブログネタにしよう。

おまけ
顔の拡大
アメリカミズアブ Hermetia illucens 
ハエの複眼って不思議な模様がある種類が多いですな。

ではまた

2017年8月5日土曜日

ヒゲブトナガカメムシ

明け方まで降った雨で地面の濡れた日曜日、
木の幹でちびこい虫を見かけた。
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus
体長は4mmほど。

日本原色カメムシ図鑑第1巻(全国農村教育協会)では学名はAppolonius crassus となっているが誤同定で同第3巻で上記の学名に改められた。
本種はヒョウタンナガカメムシ科Rhyparochromidaeに属する。

古い図鑑ではナガカメムシ科Lygaeidae であるが、日本原色カメムシ図鑑第3巻(全国農村教育協会)で再整理され、ナガカメムシ上科に他の科も含め11科に細分化されている。

図鑑の検索からヒョウタンナガカメムシ科Rhyparochromidae の特徴を抜き書き
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単眼がある。
前翅に楔状部は無い。
前脚脛節に海綿窩は無い。
前翅膜質部には5本以下の縦走脈のみがあり、横脈は無く網目状にならない。
小楯板に上向きの棘状突起は無い。
腹部第5・6・7節の結合板は葉状に突出しない。
腹部腹板第4第5節間の縫合線は前方に曲がる。
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採集したので背面写真
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus 
Appolonius属の特徴は、側方に強く突出した複眼と触角第3・4節が太いこと。
本属は日本産1種。

腹面
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus 

側面
ヒゲブトナガカメムシ Appolonius oblongus 

その他の画像
前翅膜質部の縦脈は4本。

黒くて判りにくいけど単眼は2個。

腹部腹板第4第5節間の縫合線は前方に曲がる、の図

カメムシの仲間は、腹部第1・2・3節が癒合してるか退化してるか判らないけど、3節見えません。

ではまた。