2019年1月26日土曜日

神戸市のクロバネフユシャク

この日曜日は雨降り、、、
「日曜日のお散歩」は習性と化しているので歩いてきた。
昼頃には上がってきたけれど、下草濡れてるし、、、
期待もせずに尾根筋を歩いていると、蛾が飛ばされてきた。
最初小さいな、、、けど神戸だしシロオビフユシャクか。。。
と思ったものの何もいないので採集。

検討した結果、クロバネフユシャク Alsophila foedata と結論した。

触角

ファルスを除いた交尾器
ファルス(エデアグス)拡大率はてきとー
コルヌトゥス部の拡大
バルバの拡大

「日本産フユシャクガ類の分類学的,生態学的研究」(Tinea15(2),中島秀雄,1998)からクロバネフユシャクとシロオビフユシャクの区別点を抜き書き。
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触角中央部の繊毛の長さはその節の約3倍(シロオビでは約2倍)
コスタ(Costa)の2本の突起(①②)は同長か内側がやや短い。
            (シロオビでは内側がやや長い)
バルバ(Valva)先端の出っ張り(③)は幅広く狭くならない
            (シロオビでは基部は幅広いが先端は狭まる)
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※コスタはバルバ上部の骨化部

シロオビフユシャクの交尾器は旧ブログの以下の記事にあります。↓

関西にはいないと思ってた。。。

兵庫県の記録はざっと検索すると以下の2014年の撮影記録がある。
「兵庫県福崎町でクロバネフユシャクを発見」(きべりはむし,40(2),2018)
(↑リンク先PDF)
この「きべりはむし」という雑誌は全巻PDF公開されているので参考になる。

クロバネフユシャクの分布は東北から四国、九州、対馬でも記録があるので、案外薄く広く分布してるのかも?

おまけ
顔の拡大

口吻は短く葉片状と本には書いてあるけど鱗粉取り除かないと判らんね。

ではまた

2019年1月19日土曜日

日曜日に見た虫

これと言った名前のわかる虫に出会えない今日この頃。。

日曜日は青空。高いところにクロガネモチの実など。
ちょっと手前にピントをずらすと、、
なんか大量の双翅目が飛んでいた。真冬なのに元気やね。
武器がお散歩ネットなので手が出ず。

こっちは昨年の台風で倒れたクロガネモチ。

ペロッと捲ると緑矢印のところには、、
ヌカカ科の1種 Ceratopogonidae
以前見た陸棲ヌカカの1種と同種かなぁ?

で、青矢印のところには、、
テントウムシダマシ科の1種 Endomychus sp. Larva
三葉虫の親戚みたいなヤツ。
よく見かけるヤツなので、たぶんルリテントウダマシ辺りだと思う。
飼育して確かめてないので予想どまり。

科名としては、テントウムシダマシ科 Endomychidae  だけれども、
和名のほうは長くなるので、「~~テントウダマシ」になってる。

昨年は台風であちこちに倒木があるから、
今年はそういうのに付く虫が増えそうな感じ。

ではまた

2019年1月12日土曜日

ホソヒョウタンナガカメムシ北上中?

日曜日のお散歩で倒木脇の落ち葉を捲っていたら
4mmほどのちっちゃいカメムシが歩いていた。

見たことある様なない様な?
・・・・・・
・・・
ない様な気がする、、、
ということで、冬場は採る虫が少ないしで、、、確保。

で、結果は初めて見る子でした。
ホソヒョウタンナガカメムシ Pseudopachybrachius gutta
裏側も
ホソヒョウタンナガカメムシ Pseudopachybrachius gutta ♂
日本原色カメムシ図鑑3巻(全国農村教育協会)では分布は四国、九州以南に
なっているが、きべりはむし37(2)37-48 の「神戸空港島の昆虫相」で2013年の
採集記録(本州初記録)があるので、ちょっとずつ北上してるのかもしれない。

以下特徴を抜き書き。
ヒョウタンナガカメムシ科  Rhyparochromidae の特徴
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前脚先端はシラミ型でない。(こうは書いてないけどシラミ型はクビナガカメムシ科)
前翅は網目状にならない。(網目状はグンバイムシ科等)
複眼間溝がない。(あるのはサシガメ科)
触角3・4節は長毛を密生した糸状にならない。(なるのはムクゲカメムシ下目)
単眼がある。(ないのはカスミカメムシ科やヒラタカメムシ科等)
前翅に楔状部がない。(あるのはハナカメムシ科やフタガタカメムシ科等)
前脚脛節末端に海綿窩がない。(あるのはマキバサシガメ科)
前翅膜質部の縦走脈は5本以下で横脈はほとんどない。
小盾板に上向きの棘状突起がない。(あるのはイトカメムシ科)
腹部5,6,7節の結合板は葉状に突出しない。
腹部第4と5節腹板の間の縫合線は前方に曲がる。
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ホソヒョウタンナガカメムシ属の特徴
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(本属はサビヒョウタンナガカメムシ族だけど族の検索は割愛。)
前胸背の前葉と後葉は明瞭にくびれ、前脚腿節に2本以上の棘状突起がある。
前胸背の襟状部は触角第1節の幅と同幅か広く、明瞭な点刻がある。
頭部の長さは複眼を含めた幅より短い。
前胸背の前葉と後葉はほぼ同長。
体長は5mm以下。
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カメムシ図鑑によると、本属はいまのとこ1種なので、
ホソヒョウタンナガカメムシにしておく。

以下拡大画像
前胸背は襟状部、前葉、後葉に区分される。

腹部を側面から
小さいので判りにくいが、4節と5節の間は矢印の間。

おまけ
腹端引き出してみた
処理しないとこのままじゃよく判んないね。

ではまた

2019年1月5日土曜日

クモガタガガンボの1種♀

ブログの更新でもしようとパソコンを点けたらブルースクリーン。。。。。
数万年ぶりにOS再インストールしてアップデートを延々繰り返す。
半日かけて何とか使えるようになったけど、会社に画像処理ソフト置いてるので
残りは後日。。。

元日にヨメと初詣に行って見た初虫はフユシャク。


で、4日に初散歩。
さすがに10数年同じ場所を散歩してると初見はいないか判らない奴ばかり。
パソコン死にかけなので今日の画像はカメラ内編集のとってだし。
谷筋のバナナの葉が地面に付いてる所をネットで受けて叩いて見ると
お久しぶりの虫が落ちてきた。
カネノクモガタガガンボ? Chionea kanenoi 
一昨年の正月散歩で初めて見て以来、2度目。
前回は♂で今回は♀だったので再度の登場である。
前回の記事はこちら↓
雪が無くてもいるみたい・・・クモガタガガンボの1種

今回は腹端が尖っているので♀ですな。
カネノクモガタガガンボ? Chionea kanenoi 
卵産むかな?
年1化の5mmの虫。。。。
飼育は忘れんぼの私には無理そう。。。

ではまた

そりゃそうと旧ブログの不明種を新種記載していただきました。
記事はこちら↓
消去法でいくと・・・
コウベチビマルトゲムシ Simplocaria yamashitai Ohtsuka et Yoshitomi, 2018
という名前になりました。
該当文献は、A New Species of the Genus Simplocaria (Coleoptera,Byrrhidae) from Japan, with Description of the Larva of S. hispidula  Elytra,Tokyou,New Series,8(2),2018 です。

ありがたいことです。

2019年1月1日火曜日

2019年もよろしくお願いします。

ドングリで作った猪。。
12年前に作った画像の使いまわし。
本年もよろしくお願いします。

干支が「亥(いのしし)」と言うことで、近所の蛾でなんかいないか?
と思ったけど学名ではこれといったものが無く、、
英語の「Boar」で学名検索するとこんなのとか、
ニセオレクギエダシャク Protoboarmia faustinata
こんなのがいました。
ホシミスジエダシャク Racotis boarmiaria
く、苦しい。。。




ではまた