2020年10月31日土曜日

オオバナミガタエダシャクの卵

先日見掛けたぼろちぃシャクガ。

2020年10月18日
オオバナミガタエダシャク Hypomecis lunifera

幼虫で越冬して初夏に羽化するのは大型だけど、

秋に羽化する2化目はやや小ぶり。

フィルムケースに取り込んで2日目。

おなかに卵が残っていたのか産卵した。

オオバナミガタエダシャク Hypomecis lunifera 卵

シャクガ科でよく見る俵型の形をしていた。

ちょっと前に見た2化目の♂
2020年10月4日
オオバナミガタエダシャク Hypomecis lunifera ♂

背景のブロック塀に溶け込んじゃった。
触角は櫛歯状。

越冬幼虫とか終齢幼虫は旧ブログで紹介済み↓。 

insectmoth.hatenablog.com

 

ではまた

2020年10月24日土曜日

カエンタケ

我がお散歩コースに

ナラ枯れがみられるようになって

そのうち来るんじゃないかと思っていた。


カエンタケ Trichoderma cornu-damae
まだ幼菌ぽい。

ナラ枯れしたコナラの木の根元。

有毒注意。

触るだけでも皮膚がただれるとか。

属名は Podostroma が使われているところがあるが、

 Trichoderma が正しいようだ。


ではまた

2020年10月17日土曜日

カノコガの卵

こないだの日曜日は一瞬晴れたり曇ったり曇ったり曇ったり。

の散歩で見かけた蛾。

カノコガ Amata fortunei

超普通種ではあるが、なんとなくフィルムケースに取り込んで一晩経過。


卵産みました。

カノコガ Amata fortunei 卵
ほぼ球形。

ヤガ科の卵みたいに強い印刻はない。

拡大。

カノコガ Amata fortunei 卵
うっすらと模様が見える。

幼虫は赤黒い毛虫。

旧ブログで紹介してます。↓ 

insectmoth.hatenablog.com

 

地表生活の雑食性。

しなびた葉っぱや虫の死骸を食べているらしい。


おまけ

死んだので交尾器観察

カノコガ Amata fortunei ♀交尾器

なんか捻じれてる感じ。


ではまた

2020年10月10日土曜日

クロホシアメバチ

2021年11月13日改題

日本産ホシアメバチ属の総説みたいな論文が発表されて種名が判明したので改題しました。

論文は以下↓

「Integrative taxonomy and analysis of species richness patterns of nocturnal Darwin wasps of the genus Enicospilus Stephens (Hymenoptera, Ichneumonidae, Ophioninae) in Japan

虫が少なくなったなぁ、

昔と比べて、とか季節的にとか色々含め、、

とか言いつつ、知らない虫には事欠かず。

この日曜日は飴色のヒメバチを採ってみた。

ふわふわ飛んで止まらないので生態写真はなし。

背面。

クロホシアメバチ Enicospilus nigropectus
長い触角を入れるとよく分からんな。

例によって以下のサイトで総当たり(素人同定)

「日本産ヒメバチ目録 Check list of Japanese Ichneumonidae」

「Information station of Parasitoid wasps」で絵合わせ同定した結果、

ホシアメバチ属までは確実そう。


上記サイトからアメバチ亜科 Ophioninae の特徴を抜き書き

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前翅翅脈2m-cu脈を有する。

触角鞭節は13節以上。

後体節第1背板の気門は側方から見て、節の中央より後方で、基部方(前方)は背面からみてスレンダーで、時折筒状、しばしば先端方(後方)にかけて幅が広くなる。後体節第1腹板は大抵気門の位置かより後方の位置まで伸長する。

アメバチ型体型。後体節は側方より圧され、背面から見て幅が狭く、平べったい。その為、第3背板と第4背板は幅より高さが長い。フ節爪は大抵くし歯状。産卵管はやや先端方に、ほぼ常に背面の切れ込みを有する。しなやかな産卵管が多い。

前翅は鏡胞を欠き、2m-cu脈は本来鏡胞のあるあたりの位置より明瞭に基部寄りで合流する。

単眼は大抵大きく、側単眼の縁は複眼に接近する。体色は殆どの種で黄褐色(いわゆる、アメ色)、一部種で黒色部を有したり、全身紫色。フ節爪は密なくし歯状。体長は10~30 mm以上。触角は大抵長い。

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同じくホシアメバチ属 Enicospilus の特徴

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体色は全身黒紫色ではなくアメ色など

後頭隆起線は完全

大腮先端は2歯

前翅翅脈1m-cuは両端以外で翅脈の分岐を有しない。

前翅は縁紋の後方に微毛に覆われない明瞭な透明域を有し、多くの場合、

小節片を有する。

大腮はねじれる。

前脚脛節棘は内側にブラシ状の剛毛を有するのみ。

後体節第2背板は基部中央に隆起を欠く

後脚付節爪の櫛歯は発達するが爪の先端を超えて伸びない

大腮は先端にむけて幅が強く狭く、中央の幅は基部の幅の0.3倍程

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胸部背面


胸部側面

拡大するといろんな彫刻が見えて面白い。

微毛の生えない透明域と翅脈から遊離した硬化部(小節片)がある。

腹柄の辺り
spは気門、矢印は腹板の終点

腹端
産卵管は短め。判りにくいけど切り込みがある。

大顎の歯は2個

顔2
後頭隆起線は背面まで完全。

大顎
内歯が前方に向いているのを「ねじれる」と表現しているみたい。

大腮2
大顎の基部の幅(黄色)と中央の幅(緑)は1/3くらいで狭くなっている。

前脚の爪
後脚の爪は撮り忘れたけどほぼ同じ。櫛歯が先端の爪より長くなることはない。

前脚の脛節距
触角のお掃除専用道具?

同日採れたたぶん同一種の横向き
クロホシアメバチ Enicospilus nigropectus

種までは似たのばっかりなのであきらめた。
新種がバシバシ増えてそうだし。

ではまた。

2020年10月3日土曜日

ノミナガクチキの1種

最近、新顔を見掛けない。。。。

けど、腐葉土持って帰ってもソーティングする暇がちょっと取れない感じなので、、、

谷筋のジャゴケの生えた岩盤ぽい斜面の、、、


イノデ類の枯れ葉が垂れ下がっているところ

を、ぺしぺし叩いてフィルムケース1本分のゴミを持ち帰ってみた。


クモとかもいっぱいいたけど、今の時期はあまり成体がいないようでネタにならなそう。


そんな中いた地味甲虫。

ノミナガクチキ属の1種 Lederia sp.

ナガクチキムシ科 Melandryidae に属する。

体長は2㎜無く、1.8㎜程度だから

チビノミナガクチキ Lederia japonica かも。


側面

ノミナガクチキ属の1種 Lederia sp.
腹面
ノミナガクチキ属の1種 Lederia sp.

Lederia 属の特徴(原色日本甲虫図鑑3巻より)

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体型は卵型で背面は膨隆する。

後脛節端棘は櫛状で後脛節と同長かより長い。

触角は球桿を持つ

触角第2節は太まる

小盾板は見えない

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などなど、

前脚基節は前胸腹板突起によって隔てられる、というのもあったがよく判らず。

照明をもっと明るいのに変えないと無理じゃな。


ところで、

属名の Lederia は Lederina かも知れない。

保育社の甲虫図鑑では Lederia だが、ネット上では Lederina と表記されているところがある。

「日本列島の甲虫全種目録 (2020年)」とか。

Lederina は亜属名な感じだけど、最近属に格上げされたのかもしれない。


ではまた