2019年5月25日土曜日

マエアカスカシノメイガのオス交尾器

特に何もないので、、
飼育中に紛れ込んで羽化したのを貼ってオワリ。
マエアカスカシノメイガ Palpita nigropunctalis オス
幼虫はよくネズミモチやイボタノキを綴っている。
上記のほかモクセイ科の各種、ソヨゴ(モチノキ科)やアオギリ(アオイ科)を食べた記録もある。

これだけと言うのも何なので、交尾器出してみた。
わしゃっと中々ゴージャス。
タンチョウ夫婦のダンスみたいな?

矢印のファルス(エデアグス)を抜いてみる。
さらに反転してみる。
大きな逆トゲ付きの矢印みたいな形。

ではまた

2019年5月18日土曜日

ヤマトキマダラハナバチ

日曜日は久しぶりにお天気。
ハルジオンが固まって咲いている場所にしゃがんで花に来る虫を眺める。
割りと飽きっぽいと自認しているけど時間を忘れるなコレ。
ハナアブ、ハナバチ、コアオハナムグリにナミハナムグリ。

ポケラんと見ていると
見なれたダイミョウキマダラハナバチに混じって
ちょっと小さいキマダラハナバチがいた。
ヤマトキマダラハナバチ Nomada calloptera
その場では名前が判らないので、これだけ採集。

日本産ハナバチ図鑑(文一総合出版、2014)で絵合わせした結果、
ヤマトキマダラハナバチに落ち着いた。

背面
顔を通常の下向きにすると、体長は約10㎜。

腹面

翅脈
全体に薄く着色しており、前翅外縁が濃くなりすぐ内側が透明。

尾節板はこんな形。


黄帯とか白毛の感じも図鑑と同じみたい。

図鑑によると、
触角鞭節の1・2・3節の長さの比率や幅の比率で区別しているようだ。
(第1・2・3鞭節は画像の①②③。触角の1節目は柄節と呼ぶ。)
メスとオスでは違うが画像のオスでは①②③の長さの相対比率は
1:2.0:1.7~1.8。
各鞭節の先端幅に対する相対長はオスでは
0.7倍、1.7倍、1.3~1.4倍。
などと書いてある。
おおむね合ってると思う。

他にもキマダラハナバチ類の区別点に後脚脛節末端の刺毛もあるらしい。
見てなかったよ。。。。

本種はミツクリフシダカヒメハナバチに労働寄生するそうである。
ご近所のヒメハナバチは手をつけていないのでいるかどうかは判らない。
けど、本種がいるならいるのかな?

ではまた

2019年5月11日土曜日

便乗ダニのタイワンタケクマバチコナダニ

前回紹介した、タイワンタケクマバチ
採集したタイワンタケクマバチを拡大してみていたら、
おまけが付いていた。
ダニーちゃん。
以前キムネクマバチのダニを見たときには
腹部にダニポケットがあったけれども
タイワンタケクマバチのオスにはそんな構造はなかった。
オスには無いのかもしれない。
キムネクマバチで要検討。。。

さて

クマバチコナダニそっくりだけどプレパラートにしてみる、、、
拡大
!!
腹面中央の毛が違う。

キムネクマバチにつくクマバチコナダニは以前紹介↓
「離れないよ!・・・クマバチコナダニ」

クマバチコナダニと比べると矢印の毛が矢尻状に太短くなっている。
肛吸盤の形もちょっと違うようだ。

以前紹介したサイト
「外来種タイワンタケクマバチの最前線」

「外来種タイワンタケクマバチはどこから来たのか?」を読むと

タイワンタケクマバチコナダニと書いてあるが学名はなかった。
属は Sennertia でいいだろう。

オモシロいのは台湾のタイワンタケクマバチと
中国のタイワンタケクマバチについている
クマバチコナダニの形態が違うそうだ。

で、このタイワンタケクマバチコナダニは
中国のタイワンタケクマバチについているのと
同じ形態とのことである。

便乗する小さなダニで由来が判ったというわけだ。

なかなかに興味深いお話。

ではまた

2019年5月5日日曜日

タイワンタケクマバチ侵攻中・神戸市須磨区に到達

2006年に愛知県で発見されて以来、じわじわと分布を広げている
タイワンタケクマバチですが、
とうとう我がお散歩コースに現われました。

5月5日のこどもの日、
色褪せたというか、くすんだ感じのクマバチが飛んでは止まる。
何か違和感を感じてパチリ。
じわじわ寄っていく
毎年いる(キムネ)クマバチでないのは確実。

横向き
顔の模様が違うう。
こちら向きに止まるのを待ってパチリ。
タイワンタケクマバチ Xylocopa tranquebarorum
(キムネ)クマバチの♂の顔は頭盾が黄色く三角形である。
タイワンタケクマバチ♂では眼面顔面全体がレモン色。

兵庫県の記録は、ざっと検索した限り、昨年の2018年に
尼崎の記録があった。↓(リンク先はPDFファイル)
上森教慈 2018. 兵庫県尼崎市でタイワンタケクマバチを採集. きべりはむし,41 (1):31

ちょっとネットで見ると、利用する竹の太さは2cm程度のようである。
六甲山ならそこいら中にメダケが生えているのでどこでも営巣できそう。

私がこの日見たのは複数個体、4個体は見た。すべて♂。
採集したのは1個体。

明石のブログや姫路のブログではまだ登場していないみたい。
もういるんじゃないかなぁ?

おまけ
カメラ目線の♂

ではまた

2019年5月4日土曜日

コシアキハバチ

ここ数年イモムシケムシの不作が続いていたのが嘘のように
今年のゴールデンウイークはいもむしうんちの雨の音がする。
白黒のはシロフフユエダシャク、緑に縦筋はウスバフユシャク属。

うちの近所では2013年にマイマイガ大発生からのウイルス病の崩壊で
餌不足やら寄生虫などの巻き添えで幼虫の不作が続いていた。
旧ブログでちらほら書いている。↓。

今年に入ってイモケムは完全復活の模様。
お散歩も楽しい。ほくほく
とはいえ虫の顔触れはブログで紹介済みか訳判らんかのどっちかみたいな。

さて5月3日、地味なハバチを見かけた。
これは撮影のみ。
同じ種類を4月21日に採集しているので下に貼っていく
背面
コシアキハバチ Tenthredo gifui
腹面
側面

コシアキハバチ Tenthredo gifui ♀の形態的特徴
頭部黒色、上唇は白色、頭盾は1対の白斑を持つ(変異あり)。
触角は全体黒色。
胸部黒色、前胸背板後縁両側は黄白色、後胸側板(⑦)に白色紋。
腹部黒色、第1腹背板両側(⑧)に白斑がある。
前・中脚の脛節・跗節および前脚腿節末端は黄褐色で他は黒色。
翅は全体透明。
幼虫の食草はハコベ類。
北海道、本州、四国、九州、佐渡島に分布。

本種はハバチ科ハバチ亜科ハバチ属である。
●ハバチ亜科 Tenthredininae の特徴
基脈(③)と肘脈(④)の亜前縁脈(⑤)上との合流部は離れる。
肘脈は直線的か緩やかに曲がる程度。
●ハバチ属 Tenthredo の特徴
前翅肛室は基部よりに垂直の横脈(⑥)がある。
後基節・腿節は発達することはなく腿節末端は腹端に届かない。
頭盾(②)は凹型に窪む。
上唇(①)は丸い。
複眼間は下方で狭くなる。
腹部第1背板は中央に溝があり左右分割される。

分類は以下の文献を使ってみた。
「大阪府のハバチ・キバチ類(吉田,2006)」
「兵庫県におけるハバチ類の種多様性(内藤,2004)」

おまけ
コシアキハバチの産卵管

ではまた