2025年2月22日土曜日

ツノブトホタルモドキ。どのへんが?

日曜日のお散歩で手摺りにいた虫。

ツノブトホタルモドキ
Xerasia variegata
手摺りに虫がいたのは何か月ぶりだろうか。

今見たらアザミウマも写っていた。

ツノブトホタルモドキは当地では3月頃見掛ける春の虫だと記憶しているが、2月に見るのはやはり温暖化のせいだろうか?

念のため過去ツイを検索したら2014年の2月2日にツイートしているのでそうでもないらしい。

成虫越冬でときたまフライングして顔を出しちゃった、程度なのかも?

拡大

ツノブトホタルモドキ
Xerasia variegata

キスイモドキ科に属する端っこの虫で、日本産は4種しかいない小さな科である。

キスイモドキは春先にクサイチゴの花に密集している茶色い甲虫でよく見かける虫である。

ツノブトホタルモドキは花にいるとかは私は見たことはなく、なんとなくその辺にポツンといるのを見つける程度である。

ホタルに似ているでもなく、触角が太くも見えないし、拡大してみても他にツノがあるわけでもないし、なぜその和名にしたのか想像がつかない。

側面

体長は5㎜ほど。

頭部

胸部腹面


オスだったので交尾器出してみた。
ツノブトホタルモドキ
Xerasia variegata
Male genitalia
同科の他種と比べて幅広いそうだ。

外見が全く違うので交尾器見るまでもないけど。

交尾器は伸びる。ニョキ

ツノブトホタルモドキ
Xerasia variegata
Male genitalia

過去記事にズグロキスイモドキの交尾器を貼っている↓

「ズグロキスイモドキの交尾器」


ではまた

2025年2月15日土曜日

口と同じ長さの産卵管・・・イヌビワシギゾウムシ

今週も近々のネタがないので、パソコンのハードディスクから一枚。

2023年4月16日撮影

イヌビワの新葉にいたのでイヌビワシギゾウムシ。

背面

イヌビワシギゾウムシ
Curculio funebris

腹面

イヌビワシギゾウムシ
Curculio funebris

イヌビワシギゾウムシ
Curculio funebris

この長い口でイヌビワの実に穴をあけて卵を産み付ける。

産卵管を引き出してみた。

振り出し竿みたいな構造で2段で伸びる。

せっかく深い穴を開けたんだから底に卵を産み付けるとより安全。

こんな感じでシギゾウムシの仲間は皆長い産卵管を持っている。

ところで、イヌビワって傷つけるとベタベタした乳液が出るけど、幼虫は平気なのかしらん?


ではまた

2025年2月8日土曜日

うねうね歩く短足コナダニ

日曜日にお散歩に出ても、ホントにお散歩だけで終わる今日この頃。

↑一般人が聞いたら「それがなに?」と言われそう。

というわけで、部屋に積んであるタッパーからのネタ。

以前ネタにした、ヒラズオオアリがいたフジの莢。

その後、ホコリダニが湧いたりしてまたネタにしたり。

で、この間覗いたら別なダニが湧いていた。

ムシクイコナダニの一種
Thyreophagus sp.?
体長は0.5㎜ほど。

画像でメス成体。

この間記事にしたホコリダニは走り回っているが、こちらはのんびりした歩き方である。

コナダニの仲間は、だいたいぴちょんくんみたいな体型をしているが、本種はなぜかスリムな体型である。

以前上司がこのタイプをムシクイコナダニと同定していたので、たぶん同属だと思う(超同定)。

透過光で観察。

ムシクイコナダニの一種
Thyreophagus sp.?
前体部の拡大

カニのハサミみたいなのが「鋏角」。

かたっぽが外れてしまった。

齧るタイプの口器である。

土壌動物のササラダニ類もこのタイプ。

この間記事にしたホコリダニなんかは鋏角は針状で刺すタイプの口器である。

口の形は違うけど、どちらも多分菌食性である。

中身を吸うか、丸ごと食うかの違いだと思う。

腹部の拡大

矢印が生殖門で卵が出てくるところ。

なのでメスの成体。

生殖門の左右に2対の小さな「生殖吸盤」がある。

用途は不明。

本種は第1若虫と第3若虫の間にヒポプス(hypopus)という耐久性のあるステージが存在する。

ムシクイコナダニの一種
Thyreophagus sp.?hypopus
上が頭だけれど、口器が退化している。

周囲の環境が悪くなるとヒポプスが増えて歩き回り、他の昆虫などにくっついて新天地を求めて運試しの旅に出る。(と言われている)

ピポプスの腹端

肛門の周囲に吸盤が発達しているのがヒポプスの特徴。
便乗する昆虫に出会ったら、この吸盤でくっ付いて旅に出ると思われる。

ヒポプスはコナダニの仲間でよくみられる習性?で、サヤアシニクダニでもみられるが、こちらは第1若虫の中で足もない白い革袋のような状態で動かずにジッとしている。

環境が良くなるまでひたすら耐える戦略のよう。

樹液などでもコナダニの一種が湧くみたいで、樹液に集まる昆虫にはヒポプスがよくくっ付いている。土壌昆虫にもよくくっ付いているけど、たぶん別種のコナダニ。

あと、ハナバチ類の巣にもハチの種類ごとにコナダニが寄生するようで、羽化したハチにヒポプスがくっ付いている。

こちらは翌年にハチが巣作りを始めるまでジッと待機して、花粉団子ができると脱皮してそこで繁殖する。

タイワンタケクマバチやクマバチにつくクマバチコナダニは以前記事にしたので興味がある方は以下のリンクをどうぞ。

「離れないよ!・・・クマバチコナダニ」

「便乗ダニのタイワンタケクマバチコナダニ」


ではまた

2025年2月1日土曜日

樹皮下のムツボシテントウ

今週は見た虫貼るだけ。

虫がいなさすぎて、久し振りに樹皮をぺりぺり。

ぺりっと2枚目で何かを見つけた。ネタ確保。

一応上の画像に写ってる。

この木は夏の間、アリが土でトンネル作ってその中にクチナガオオアブラムシの一種がいるのを何年か前に確認している。今はトンネルも崩れてもぬけの殻状態。

アリはクサアリ系だったと思う。。

クチナガオオアブラムシがついてたので樹皮の見た目から木はニレ科だろう。

樹皮の感じからするとムクノキ辺りかなと思う。

ネットを漁るとムクノキクチナガオオアブラムシというのがいるそうな。

それはさておき、今回見たのはテントウムシだった↓

ムツボシテントウ
Sticholotis punctata
体長約2.5㎜のちびっこ。

腹面


頭部下面

小顎髭の先端節は砲弾型で大きい。

正面顔


蛾もLOVE(阪本優介)氏のテントウムシハンドブックによると日本ではメスしか見つからず単為生殖しているとのこと。

大陸ではオスがいるらしいけれど、日本では見つかっていないので見つけたらスゴイらしい。

一応確認

先が曲がった微針で引っ張り出してみたがメスでした。


おまけ

クチナガオオアブラムシsp写真撮った記憶があるのでハードディスクを漁ったら、なんと9年前だった。

2016年10月撮影

テキトー感あふれる画像。。

拡大

ムクノキクチナガオオアブラムシ?
Stomaphis aphananthae
赤ちゃん背負ってた。

ひょっとしたら交尾中で無翅のオスかも?


ではまた