2025年2月8日土曜日

うねうね歩く短足コナダニ

日曜日にお散歩に出ても、ホントにお散歩だけで終わる今日この頃。

↑一般人が聞いたら「それがなに?」と言われそう。

というわけで、部屋に積んであるタッパーからのネタ。

以前ネタにした、ヒラズオオアリがいたフジの莢。

その後、ホコリダニが湧いたりしてまたネタにしたり。

で、この間覗いたら別なダニが湧いていた。

ムシクイコナダニの一種
Thyreophagus sp.?
体長は0.5㎜ほど。

画像でメス成体。

この間記事にしたホコリダニは走り回っているが、こちらはのんびりした歩き方である。

コナダニの仲間は、だいたいぴちょんくんみたいな体型をしているが、本種はなぜかスリムな体型である。

以前上司がこのタイプをムシクイコナダニと同定していたので、たぶん同属だと思う(超同定)。

透過光で観察。

ムシクイコナダニの一種
Thyreophagus sp.?
前体部の拡大

カニのハサミみたいなのが「鋏角」。

かたっぽが外れてしまった。

齧るタイプの口器である。

土壌動物のササラダニ類もこのタイプ。

この間記事にしたホコリダニなんかは鋏角は針状で刺すタイプの口器である。

口の形は違うけど、どちらも多分菌食性である。

中身を吸うか、丸ごと食うかの違いだと思う。

腹部の拡大

矢印が生殖門で卵が出てくるところ。

なのでメスの成体。

生殖門の左右に2対の小さな「生殖吸盤」がある。

用途は不明。

本種は第1若虫と第3若虫の間にヒポプス(hypopus)という耐久性のあるステージが存在する。

ムシクイコナダニの一種
Thyreophagus sp.?hypopus
上が頭だけれど、口器が退化している。

周囲の環境が悪くなるとヒポプスが増えて歩き回り、他の昆虫などにくっついて新天地を求めて運試しの旅に出る。(と言われている)

ピポプスの腹端

肛門の周囲に吸盤が発達しているのがヒポプスの特徴。
便乗する昆虫に出会ったら、この吸盤でくっ付いて旅に出ると思われる。

ヒポプスはコナダニの仲間でよくみられる習性?で、サヤアシニクダニでもみられるが、こちらは第1若虫の中で足もない白い革袋のような状態で動かずにジッとしている。

環境が良くなるまでひたすら耐える戦略のよう。

樹液などでもコナダニの一種が湧くみたいで、樹液に集まる昆虫にはヒポプスがよくくっ付いている。土壌昆虫にもよくくっ付いているけど、たぶん別種のコナダニ。

あと、ハナバチ類の巣にもハチの種類ごとにコナダニが寄生するようで、羽化したハチにヒポプスがくっ付いている。

こちらは翌年にハチが巣作りを始めるまでジッと待機して、花粉団子ができると脱皮してそこで繁殖する。

タイワンタケクマバチやクマバチにつくクマバチコナダニは以前記事にしたので興味がある方は以下のリンクをどうぞ。

「離れないよ!・・・クマバチコナダニ」

「便乗ダニのタイワンタケクマバチコナダニ」


ではまた

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