2023年10月28日土曜日

まめでちび

今週も見た虫貼るだけ。

日曜日のお散歩で見かけたヤブマメの食痕にいたチビタマムシ。

ヤブマメはミニチュアのクズといった感じの葉っぱ。

花は紫で、種はウズラ模様。

いつも見かけるクズチビタマムシより細身な感じがしたので持ち帰った。

背面

マメチビタマムシ?
Trachys reitteri
白黒褐色の3色の毛。

よく言えば金銀黒の3色。

腹面

マメチビタマムシ?
Trachys reitteri

近縁にヌスビトハギチビタマムシがいて前胸腹板突起の形状とか複眼内縁が突出するかどうかで区別するらしい。

が、今まで気にして採ったことがないのでよく判らない。

とりあえずマメチビタマムシは図鑑によるとヤブマメ、クズ、タンキリマメ、ダイズなどに「最も普通」と書かれていた。

ヌスビトハギチビタマムシはマメチビタマムシより一段上?の「普通」と書いてあったが、アレチヌスビトハギとかの外来種に付いたりするのだろうか。


ではまた

2023年10月21日土曜日

ムラサキシラホシカメムシ

この間のお散歩で見かけた虫。

ムラサキシラホシカメムシ
Eysarcoris annamita
スマホで撮ったが、ぱっと見にはよくても拡大してみたら点刻がタイル張りになったいた。

持ち帰ったので撮り直し。
ムラサキシラホシカメムシ
Eysarcoris annamita
判りにくいけど単眼が1対ありますね。
紫がかった銅色光沢がある美人さんである。
シラホシカメムシ属では背中の白点が1番大きい。

ムラサキシラホシカメムシ
Eysarcoris annamita
カメムシの翅脈はよく判らない。

腹面を斜めから
ムラサキシラホシカメムシ
Eysarcoris annamita

腹部腹面は側方を除き黒色。

近縁のマルシラホシカメムシE.gibbosus の腹部腹面は中央部を除き黄褐色であることで区別できる、とのこと。


矢印のつや消し部分を「蒸発域」と言い、他の部位と違って水を弾かない。

蒸発域は中胸と後胸に存在する。

ここに臭腺から出た液体が拡がってクサ~い臭いを拡散する。


腹端

観音扉があるので♀ですな?

パカリ


幼虫は某アニメの「顔なし」みたいな見た目である。
旧ブログで16年前に紹介してる。↓

insectmoth.hatenablog.com


ではまた

2023年10月14日土曜日

鳥糞ヒメハマキ

日曜日のお散歩で見かけた真っ直ぐな鳥の糞。

こういうのが虫に見えてしまう。

と思ったら虫だった。

谷間の暗いところで撮ったのでエラいピンボケになってしまった。

確保できたので以下死体画像。

コシロアシヒメハマキ
Hystrichoscelus spathanum

拡大すると空色のような鉛色のような光沢のシマシマがある。

軽く翅を拡げてみる。

コシロアシヒメハマキ
Hystrichoscelus spathanum

和名の由来は♂の後脚脛節には白色の鱗毛が密生するからだそうな。


ではまた

2023年10月7日土曜日

キシノウエトタテグモの♂が徘徊する季節

10月最初の日曜日、

唐突に涼しくなったなぁ、と思いつつお散歩へ。

足下を横切る黒い影。

キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
体長16mmほどのやや大型のクモがいた。

旧ブログで大昔に巣から覗く顔だけを紹介したキシノウエトタテグモである。

過去記事↓

insectmoth.hatenablog.com

クモのオスって涼しくなると、♀を求めて徘徊する種類が割と多い気がする。

普段は巣から出ることが無い種類の全身像を見ることは珍しい。

で、

わりと原始的なクモでじっくり見たことが無いなぁと拉致。

背面

キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
黒っぽくてよく判らない。

腹面

キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
各部分を拡大。。

頭胸部:cephalothorax

キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
鋏角:chelicera

背甲:carapace

眼域はひとかたまり、レンズが判りにくいけど、4対8眼ちゃんとある。

キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
にっこり笑顔の口みたいな凹みは
中窩:thoracic groove = median furrow = foveaと呼ばれる。
体内に骨片が突出しており、脚部の筋肉付着点になっていると思われる。

頭胸部腹面
下唇:labium
胸板:sternum

口元のあたり。
牙:fang
下顎(触肢基節):maxilla = gnathocoxa

触肢基節は内葉を形成して咀嚼する機能を有するため、下顎と呼ばれる。
よくいるクモの牙は左右に開閉して咬むようにできているが、本種は上からザックリ振り下ろすようにできている。で、そのまま巣穴に引きずり込む。

腹部腹面
キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
書肺:book lung は2対ある。
そこらで見るクモは1対なので違和感がある。
原始的な種類は2対あるそうな。

糸を出すところ。
糸疣:spinnerets
中疣:middle spinneret
後疣:posterior spinneret
本種の場合は、糸疣は2対で前疣は退化し、小さな中疣と3節の後疣からなる。

第4脚先端
上爪:upper claw

1対の爪があるだけで、下爪や末端毛束は見られない。

左触肢側面
キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
オスの触肢は交接に使われるために特異な形状をしており、「触肢器官」と呼ばれる。

触肢腹面
キシノウエトタテグモ
Laatoucha typica
栓子:embolus
盾板:tegulum
亜盾板:subtegulum
杯葉:cymbium

原始的な種類なので割りと単純な形をしているけど、他のクモはもっと複雑怪奇な形で、種を決定づける決め手になる。
本種の場合は近縁種間での差異はちいさい。


ではまた