2020年11月28日土曜日

ツマキアオジョウカイモドキ幼虫の食べたクモ卵はコクサグモでした。

2月に書いたクモの卵を食べるツマキアオジョウカイモドキ幼虫続報。

食べ残ったクモ卵から孵化した幼体にキイロショウジョウバエを与えて何とか飼育して現在。

コクサグモ Allagelena opulenta

腹面

コクサグモ Allagelena opulenta

生殖器が見えないのでまだ成体ではないが、

どうやらコクサグモ Allagelena opulenta でよさそうである。


近縁種にヒメクサグモ A. donggukensis がいるが、コクサグモ幼体は全体赤っぽいのに対し、ヒメクサグモ幼体は黒っぽいことで区別できるようだ。

ちなみにクサグモ A. silvatica 幼体は頭胸部と足が赤く、腹部が黒っぽいことで区別できるようだ。


普通なら成体になっているはずだけど、バナナで増やしたショウジョウバエだけで飼育しているので、成長がいまいちである。


そうそう、

孵化した幼体で予想された @Sasagani_ya さん、お見事でした。


そのときのやり取り↓。


貼った画像。


ではまた

2020年11月21日土曜日

ヒロズコガ科不明種

 10月上旬のお散歩コース。

谷筋のコナラ倒木にペッタリと貼り付くようにキノコが生えていた。

なんかいるかな?

と5㎝角ほど樹皮ごと捲ってタッパーに入れておいた。

しばらくはクロバネキノコバエが無限に羽化していた。

最近静かになったなと思っていたら、今週になって小さな蛾が羽化してきた。

ヒロズコガ科の1種
Tineidae gen. sp.

前翅長3.5㎜ほど。

見たことない模様をしている。

属すら判らない。

キノコに羽化後の蛹殻が飛び出していた。

取り出した繭と蛹殻
繭に残った終齢幼虫の頭殻には個眼が見当たらなかった。

翅を拡げたらこんな。
ヒロズコガ科の1種
Tineidae gen. sp.

神戸市の裏山でも判らない虫でいっぱいである。

未記載種かなぁ?


ではまた

2020年11月14日土曜日

遠慮したい新顔が来ました。仮称ウメシロヒメヨコバイ改めモモヒメヨコバイ

先々週のツイート

後で調べたら Singapora shinshana という侵入種らしく、

今年に入ってあちこちの農協の特殊報で注意喚起されていた。

最近のものでは「仮称ウメシロヒメヨコバイ」と和名がつけられていた。

農家の人には学名だけだとめんどくさいだろうしね。

正式な和名ではないから「仮称」つき。

ニジュウヤホシテントウをテントウダマシと呼ぶようなもの。

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2022年9月23日追記

「最近話題となっている病害虫(植物防疫所病害虫情報126)」(リンク先pdfファイル)によると、

「植物防疫75巻11月号」に和名が提唱された模様。

モモヒメヨコバイに落ち着いたようです。

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翌週見たら件のモモはほとんど落葉していたが、

残った葉っぱには10個体ほど残っていたので回収してみた。

まず外観上の特徴は特殊報にも書いてあったおでこの黒点。

Singapora shinshana 仮称ウメシロヒメヨコバイ
モモヒメヨコバイ

ネットで学名を検索すると、↓

「Review of the leafhopper genus Singapora Mahmood (Hemiptera: Cicadellidae: Typhlocybinae: Erythroneurini)」

という Singapora属を再検討した論文がフリーで読めた。

ここに本種の交尾器が載っていたので確認

♂交尾器

判りにくいので分解
もう一枚。
各部の名称は忙しくて調べる暇がなかったけど、

各部の形状は Singapora shinshana の交尾器図と一致した。

ということで侵入種と確定。

♂背面

Singapora shinshana 仮称ウメシロヒメヨコバイ
モモヒメヨコバイ


よく見るヒメヨコバイと違って、腹部背面に黒い縞があるのが特徴的。

ここら辺の種類はじっくり見たことがないので日本産のヒメヨコバイに似たやつがいるかどうかは判らない。

他に似た種がいるか私は見たことないので判らないが、ウメやモモについているこんな模様のヒメヨコバイは本種とみてよいだろう。

♂腹面

Singapora shinshana 仮称ウメシロヒメヨコバイ
モモヒメヨコバイ


中胸腹板も黒い。


♀背面

Singapora shinshana 仮称ウメシロヒメヨコバイ
モモヒメヨコバイ

♀はおでこの黒点はあるが、他に特徴はなく単色。

♀腹面

Singapora shinshana 仮称ウメシロヒメヨコバイ
モモヒメヨコバイ

おまけ

♀の産卵管


ではまた 


2020年11月7日土曜日

カノコガの1齢幼虫ほか

ネタがないので、、、

この間産卵したカノコガの卵が孵化しているので貼っておきます。

カノコガ Amata fortunei 1齢幼虫

体長2㎜の糸くず。

10月12日に産卵して、10月19日に孵化。

卵期間は1週間。

横向き

カノコガ Amata fortunei 齢幼虫

枯れ葉とか、樹皮とかを入れたタッパーに入れて

ときどき霧吹き、金魚の餌をちょびっと与えるなど。


現在は5㎜ほど。

2020年11月2日撮影
カノコガ Amata fortunei 齢幼虫
2齢か3齢だと思う。

1齢幼虫は一次刺毛のみだが、2齢以降は二次刺毛が生えてくるので、毛虫っぽくなってくる。

テトラフィンの赤いとこが好きでよく食べる。

おまけ

テトラフィンを齧っているだけの動画。


ではまた