2023年9月23日土曜日

ニセヒメクモヘリカメムシ

この間のお散歩では何も採っていなかったので、その前の週にウッカリ採ってしまったものを拡大してみた。

2023年9月10日

ニセヒメクモヘリカメムシ
Paraplesius vulgaris
とてもよく見かけるカメムシ。

が、ソックリさんがいるので注意がいる虫でもある。

背面

ニセヒメクモヘリカメムシ
Paraplesius vulgaris
シュッとした体型。

腹面

ニセヒメクモヘリカメムシ
Paraplesius vulgaris
腹面は基部のみに黒色が現れる。

近縁のヒメクモヘリカメムシ P. unicolor には黒条があることで区別できるそうだ。

頭部背面

ニセヒメクモヘリカメムシ
Paraplesius vulgaris
先端に突出している3個の突起は、真ん中が「中葉」、左右が「側葉」と呼び、本種では中葉より側葉が長く先端でわずかに外に向くことが特徴で、ヒメクモヘリカメムシではほぼ同じ長さになるそうだ。

見かけてもちゃんと確認したことが無いのでヒメクモヘリカメムシはここらでは未確認。ニセよりも山地性らしい。分布も北寄りらしいので、ここらにはいないかも。

頭部側面

ニセヒメクモヘリカメムシ
Paraplesius vulgaris
横から見るとこんな顔。

ちょっと開翅

ニセヒメクモヘリカメムシ
Paraplesius vulgaris
ガラス様の繊細な翅である。

足下から飛んで逃げることがよくあるけど、飛んでいるときはカメムシに見えなくて「なんじゃコレ?」と止まったところでよく見ると、いつもの、、となるヤツである。

飛んでるときにカメムシに見えないのはこの翅のせいかも。

腹端にサル顔のカプセルがあるのでオスですね。


ではまた

2023年9月16日土曜日

マエグロハネナガウンカの卵は王冠付き?

日曜日のお散歩でみかけたクモの巣。

アシナガサラグモ Neriene longipedella
不規則な感じの糸が全体として伏せたお椀型なので、サラグモ科だろう。
犠牲者の方に意識が行ってクモちゃんと撮ってなかったけど、お尻の模様からアシナガサラグモでいいと思う。
普通種だし。

犠牲者の方は久し振りに見たハネナガウンカの仲間なので、横取りして持ち帰り。

背面

マエグロハネナガウンカ
Zoraida pterophoroides
正面
マエグロハネナガウンカ
Zoraida pterophoroides

拡大してみると複眼の中まで溶けており、中身はすっからかん。


食後の獲物を横取りしただけのようじゃ。

なので、それほどクモには恨まれてないと思う。

チョット巣は潰したけど。。


マエグロハネナガウンカ
Zoraida pterophoroides
前翅長は14.5mm。
中身が無いのでとても脆い。
翅脈の中まで吸われているのか、スライドグラスで挟んだら基部が割れてしまった。
近縁にシリアカハネナガウンカとかウスマエグロハネナガウンカとか似た種がいるのでこの辺難しい。
前縁の模様のギザギザ具合からマエグロハネナガウンカとしたが、ちと自信が無い。

腹側
腹部は破損して中身が見える。
楕円形の何かがチラホラ。
どー見ても卵。

拡大
先っちょに小さな王冠みたいなものがある。
半翅目の卵によく見られる蓋の部分だろうか。


ハネナガウンカ類はサルノコシカケ系の硬いキノコにつくそうだ。

どうやって餌を採っているのかナゾである。口が針なのに。

なんか溶かして吸ってるのだろうか?

とりあえずキノコに王冠付きの卵が刺さってるかも知れないので今後は気をつけて見たいと思う。(たぶん忘れてる)


ではまた

2023年9月9日土曜日

コモンツチバチの拡大画像

ここんところは殆んど採集していないのでブログネタが枯渇している、、
る〜

2週前にキンモウアナバチが穴掘りしていた場所のさらに2週間前。
地面すれすれにたくさん飛び回っていたツチバチの一種。
飛び回っているのは大抵♀を探索している♂である。
もののついでに採集していたので拡大画像を貼っておきます。

まず背面
2023年8月6日
コモンツチバチ
Scolia decorata
腹面
コモンツチバチ
Scolia decorata

コモンツチバチ
Scolia decorata

前伸腹節後面
コモンツチバチ
Scolia decorata

腹端
コモンツチバチ
Scolia decorata
最終腹板が変化して三叉鉾になっている。
手づかみすると、腹部を曲げて刺すふりをするが、毒針ではないのでチクチクするだけである。ハチ類の毒針は♀の産卵管の変化したものなので、♂にはもちろん無い。
ただチクッとするので思わず逃がしてしまうことになるのを狙っているのだろう。

コモンツチバチ
Scolia decorata

舌は三つに分かれている。


ではまた

2023年9月2日土曜日

ノウタケのクロモンカクケシキスイ

8月最後の日曜日。

お散歩コースの真ん中にニョキって顔を出していたキノコ。

ノウタケの若い個体のようだ。
成熟するとシワが入って名前通りの脳ミソっぽくなるそうな。

で、よく見ると虫食い跡がある。
割ってみると虫がいたので持ち帰り。

背面
クロモンカクケシキスイ
Pocadius nobilis
体長約3.5mm
ホコリタケの仲間が大好きなケシキスイだそう。

腹面
クロモンカクケシキスイ
Pocadius nobilis

触角の辺り
クロモンカクケシキスイ
Pocadius nobilis

触角は11節で第8節は扁平、
先端3節は球桿状。


ではまた

2023年8月26日土曜日

チャバネホシウスバカゲロウ成虫

よく見かけるけど近づくと飛んで逃げるので

撮影も採集もあまりしないヤツ。

珍しくジッとしているのを見かけたのでスマホでパチリ。

2023年8月20日
チャバネホシウスバカゲロウ
Paraglenurus fulvus
なんだか普段見ているのより浅黒い。

ちょっと調べてみたら、チャバネホシウスバカゲロウのようだ。

ホシウスバカゲロウの仲間は最近細分されて複数種が記載されている。

論文は以下のタイトルでググると無料で見れる。

「Unexpected species diversity of Japanese Paraglenurus (Neuroptera: Myrmeleontidae) based on DNA barcoding and adult and larval morphology」

チャバネホシウスバカゲロウは上記の論文で2021年に記載された新種である。

論文を斜め読みしていたら、ホロタイプはお散歩コースのすぐ近所の山だった。

おやまぁ。

翅の拡大

チャバネホシウスバカゲロウ
Paraglenurus fulvus

腹部の斑紋

チャバネホシウスバカゲロウ
Paraglenurus fulvus

頭部背面

チャバネホシウスバカゲロウ
Paraglenurus fulvus

正面顔

チャバネホシウスバカゲロウ
Paraglenurus fulvus

幼虫のアリジゴクはすり鉢状の巣を作らないタイプなので見つけ難いそうである。


ではまた

2023年8月19日土曜日

ムネアカオオクロテントウ来ました。

いつか来ると思っていた外来種。

台風一過のお盆明け、16日はまだ休みなのでお散歩へ。

カラッと晴れるかと思いきや湿度が高い。

湿度が高いと空調ベストがあまり役に立たない。

うだうだ歩いて目にとまった虫。

ムネアカオオクロテントウ
Synona consanguinea
中国~東南アジア原産の外来種。

最初は2014年に東京で、2015年には大阪で見つかって徐々に分布拡大中のやや大型のテントウムシである。

駆除の一環で回収。

背面

ムネアカオオクロテントウ
Synona consanguinea
カメノコテントウほど大きくは無いがナミテントウと比べると一回り大きい感じ。
和名は見たまんま。

腹面

ムネアカオオクロテントウ
Synona consanguinea

ちょっと拡大

ツヤツヤしているけど、拡大すると点刻がある。

おまけ

上翅拡大

背中が傷だらけで削れた部分がある。
台風で飛ばされて命からがら落ち着いたところを運悪くワタシに見つかってしまったのかも?


ではまた

2023年8月12日土曜日

オサヨコバイ

日曜日に見た虫貼るだけ回。

スマホ画像。

オサヨコバイ
Tartessus ferrugineus
近所ではオオバイヌビワでよく見かける普通種。

背面

オサヨコバイ
Tartessus ferrugineus
前胸は前方に強く突出する。

腹面

オサヨコバイ
Tartessus ferrugineus

後翅の亜縁脈は前方から翅垂部までぐるりと取り囲むのも本属の特徴。

メスだったので鞘から産卵管を出して見た。

鋸刃付き。

産卵管は上下左右4枚が合わさってできており、植物の組織を切り裂いて産卵するのだろう。

左右を交互に擦り合わせながら刺し込んでいくはず。たぶん。

しらんけど。


後脚脛節背面。

外側は防御用?のトゲトゲ、

内側はお手入れ用?の柔らかいブラシ。

外側の棘列が2列なのがヨコバイ科の特徴。


後脚脛節腹面先端。

ジャンプ用のスパイクを装備。

おまけ

正面顔。

オサヨコバイ
Tartessus ferrugineus

ではまた

2023年8月5日土曜日

ヒメダルマカメムシの正面顔

日曜日に見かけたチビこいの。

ヒメダルマカメムシ Isometopus hananoi

拙ブログでは3年前に紹介済み↓

「ヒメダルマカメムシの♀」

今回はネムノキの幹を歩き回っていた。

紹介済みの種なのだけど、正面顔がカメムシらしくない?顔つきなので再登場。

ヒメダルマカメムシ Isometopus hananoi
中葉とか側葉が見当たらない。
あと、本種を含むカスミカメムシ科は単眼を持たないのが特徴だけど、本種は例外的に単眼を持つ。
複眼に接するように1対の単眼が見える。
あと、前胸に覆い被さるように頭部が接続しているのもカメムシらしくない。

斜めから

横から

トラックか何かにぶつかって顔だけペチャンコになったような変な顔。
図鑑とかの解説にある複眼の模式図は円すい形だったと記憶しているのだけれど、この頭部だとそんなスペース無さそう。
どういう構造になっているのやら?
ひょっとしてスマホより薄いカメラを作るヒントが隠されているやも?

以前も貼ってるけど、いちおう背面図。
ヒメダルマカメムシ Isometopus hananoi
体長は1.7mmほどのチッコイの


ではまた

2023年7月30日日曜日

チョウセンツマキリアツバの幼虫

いもむし成分追加。

7月2日ヤブツバキで見つけたシュッとしたいもむし。

チョウセンツマキリアツバ Tamba corealis

右下に変なゾウムシがいると思ったらクチブトカメムシ類の幼虫だった。


7月4日

チョウセンツマキリアツバ Tamba corealis

頭部辺り


胴体後半部


腹脚4対のうち、第1腹脚は退化、第2腹脚は退化しかけでチミっとした脚しか無い。第3第4腹脚は通常。

尺取り虫状にピコピコ歩くけど、腹脚が2対残っているのでセミルーパー。

本家シャクガ科の幼虫はルーパー(Looper)と呼ぶ。

7月18日に蛹化。

葉の基部側には切り込みが入っている。

ひょっとしたら葉っぱを二つ折りにしたかったのかも知れない。


7月26日に羽化確認

チョウセンツマキリアツバ Tamba corealis

オスでした。

旧ブログには同属のカザリツマキリアツバの幼虫を紹介してる↓

「ちょっとおしゃれなセミルーパー」


ではまた