2023年12月9日土曜日

カゴノキのクスグンバイ

12月最初の日曜日。

フユシャクでも飛ばんかしらん?

年々少なくなる幼虫の発生量を鑑みながら

お散歩。

やっぱりいなかった。

なんかいないかとウロウロしつつ目に留まった木。

カゴノキ Litsea coreana

カゴノキはクスノキ科だけど、全く樟脳臭くない木である。

樹皮が斑点状に剥がれて子供のシカの模様みたいな木である。

だから「鹿子の木」。

なるほど。


近づいてみると、葉っぱに白い斑模様。

カゴノキ Litsea coreana

お、これはと捲ってみれば、タール状の黒いシミがある。

これ、グンバイムシにみられる食痕である。

もう時期も遅いしいないかなぁ、といくつか捲っていくと居残っていたグンバイがいたので確保。

複数採ってきたけれど、すべてメスだった。

クスグンバイ
Stephanitis tabidula

オスがいないと言うことはやっぱり時期的に遅いのであろう。

オスは死んでメスだけで越冬するのか、これから産卵して死ぬのかどっちだろ。

あとで写真を拡大してみたら、カゴノキの葉の主脈に沿って点々と産卵痕らしきものが見えた。ここを解剖して中身入りの卵でもあれば卵越冬の線が濃くなるが、食痕だらけの葉っぱに卵を産み付けることはないような気がする。

うん、思いついただけでアカンな、こんな雑な方法。


拡大
クスグンバイ
Stephanitis tabidula

腹面

クスグンバイ
Stephanitis tabidula

胸部拡大

クスグンバイ
Stephanitis tabidula

クスグンバイはツツジグンバイ属Stephanitisに属す。

ツツジグンバイ属のうち、クスノキ科を食樹とするものに、クスグンバイの他にタブグンバイ、ヒメタブグンバイ、ヤブニッケイグンバイなどの近縁種がいるらしく、互いによく似ている。

クスノキやタブ、ヤブニッケイなどすべて近所に生えているような木である。

カメムシ図鑑3巻にあるツツジグンバイ属の検索表を見ると、クスグンバイ以外は前胸の側隆起はないようなことが書いてある。

拡大してみると今回のグンバイには短い側隆起がちゃんとあるので、クスグンバイだろうと思う。

ただ、検索表を見ていると側隆起のあるなしで分岐していった先の両方にヤブニッケイグンバイがでてくる。。。

どゆこと?

まあ、クスグンバイはクスノキ科のいろんな種類でみられる普通種みたいなので、たぶんクスグンバイでいいだろうと思う。

漏れ聞く話によるとツツジグンバイ属は種分化の真っ最中みたいな虫なので、将来的にはカゴノキ専食のカゴノキグンバイと呼ぶべき様な種が分かれていくかも知れないですな。


ではまた

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