2019年6月29日土曜日

フトハチモドキバエの♂

だあああ忙しい!
のんびりブログを更新するヒマがない。
週1ブログ、ギリギリ間に合うか。

日曜日、遠目にフワフワとホソアシナガバチみたいなのが飛んでいた。
葉裏に止まって隠れているのをゲット。

お散歩コース初見の虫でした。
フトハチモドキバエ Eupyrgota fusca
頭でっかちなハエである。
デガシラバエ科 Pyrgotidae に属する。
無弁類のハエで単眼がないのがデガシラバエ科になる。

腹面
前胸腹板に指状突起が1対あるのがオオハチモドキバエ属Eupyrgota の特徴。
後で文献読んだので拡大画像撮ってなかった。。

側面

オオハチモドキバエ属の日本産は3種類。
腿節が黒いのはフトハチモドキバエのようである。
体色や翅の紋は変異幅が重なるので分類に使えないそうだ。
形態的には複眼と頬の高さの比率で区別可能である。
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フトハチモドキバエ Eupyrgota fusca
頬の高さは複眼の高さの3/4

ウスイロハチモドキバエ Eupyrgota flavopilosa
頬の高さは複眼の高さの2/3を超えない

オオハチモドキバエ Eupyrgota luteola
頬の高さは複眼の高さの約1/2
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要は複眼の大きさ順で言うと、オオ>ウスイロ>フト である。

顔、口吻を膨らませた状態。

腹端腹面
らせん状の長い挿入器を引っぱりだして後ろから
♀の腹端が筒状に細長いグループ、このデガシラバエ科とかミバエ科なんかは
♂の挿入器も細長い。

おまけ
膨らませた口吻を下から

週1更新間に合いますた。

ではまた

2019年6月22日土曜日

ホシセダカヤセバチ


今日も貼るだけ。
落ち葉の上を歩いていたのを確保。
最初ヒメバチだと思っていた。
ホシセダカヤセバチ Pristaulacus intermedius
セダカヤセバチ科 Aulacidae に属する。
よく見たら腹部の付け根が胸部の上の方に付いてる。
ヒメバチ型のハチで腹部が前伸腹節の上部に付くのがヤセバチ上科である。

ヤセバチ上科からセダカヤセバチ科の特徴
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後翅に肛垂がない(あるのはゴキブリヤセバチ科)
前翅に2m-cu脈と2r-m脈がある(ないのはコンボウヤセバチ科)
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今気がついたけど、環境アセスメント動物調査手法11の
「ハチ目昆虫の検索と解説」の
コンボウヤセバチとセダカヤセバチの解説が逆になっている。
ハチ目の科までの絵解き検索が判りやすくて
よく使うが気がつかなかった。

画像いろいろ
胸部の印刻がなかなかにスバラシイ。
首がめっちゃ長い。
長いのは前胸じゃなくて頸板か?

翅。縁紋後方に黒斑がある。


顔は丸顔

ネットの「Information station of Parasitoid wasps」にある
「セダカヤセバチ科のページ」に参考文献のリンクがある。
その文献をみると真横からのイラストがあったので、
真横からの画像。
ホシセダカヤセバチでOKみたい。

解説読むとホシセダカヤセバチが普通に見られる種類で、
海岸沿いの照葉樹林でクロシオセダカヤセバチが見られるそう。
クロシオセダカヤセバチは学名で検索するとタイプ標本がヒットする。
こちらは前翅に斑紋がないみたい。

ではまた

2019年6月15日土曜日

チャイロハバチ

ドタバタしてるので今週は(も?)貼るだけ

日曜日に黄色いハバチを見かけたので拉致。
背面
チャイロハバチ Nesotaxonus flavescens
茶色と言うより黄色っぽいけど、キイロハバチと言う別種がいるので
チャイロハバチにしたのかな?
ちなみにどちらも幼虫はセンニンソウを喰うそうな。

チャイロハバチはハグロハバチ亜科 Allantinae に属す。
ハグロハバチ亜科から Nesotaxonus 属を区別する特徴を検索表から抜き書き
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触角は9節
後脚基節・後脚腿節は発達し腿節末端は腹端に達する
中胸側板の前側片は溝により明瞭に区別される。
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この3つの特徴で Nesotaxonus 属となる。
日本産の Nesotaxonus 属はチャイロハバチ1種なので
自動的に同定完了。。。

ハグロハバチ亜科の特徴は旧ブログのこの記事↓
に書いたのでそちらを参照してね。

腹面
チャイロハバチ Nesotaxonus flavescens

翅脈



胸部側面
矢印で示した線が中胸側板と前側片の間の溝。
前側片は矢印右側の三角形の小さな板。

おまけ
産卵管

ではまた。

2019年6月8日土曜日

和名がついてた・・・マルマダラヒロクチバエ

日曜日のお散歩、、、曇り時々雨。。。
谷筋を歩いていたら昨年の台風で倒れたエノキにいたハエ。
腹部の黄色が目立つ。
あとで判ったことだが節間膜から体内の色が透けて見えるからだった。

こっち向いた
口が大きい。湿った樹皮をぺとぺと舐めていた。
同じ樹皮で冬から春にかけてルリテントウダマシの幼虫が白い膜状のキノコを食べていたので菌類を舐めてるのかもしれない。
倒木なので樹液は出ないし。

さて、以前ネットで見たヒロクチバエ科の1種と思われる。

ヒロクチバエ科 Platystomatidae の特徴を図鑑の検索表から抜き書き。
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翅下瘤も鬚剛毛も発達しない
口吻は太く短く、頭長より短い
単眼を持つ
複眼は眼柄から生じない
触角刺毛はよく発達する
後脚付節の第1付小節は球形に肥大せず、第2付小節より長い
翅のSc脈は先端近くが直角に屈曲せず、全長を通じてR1脈とは独立して前縁に達する
体肢共に常形で著しく細長くない
触角梗節の先端側縁は第3触角節に向かって張り出さない
翅の前縁脈はいかなる切目も持たない
胸部後気門の下縁に細い剛毛を欠く
額嚢溝はM字型にならない;後腿節は通常著しく肥大しない
全脛節は背面に亜末端剛毛を欠く
翅のR1脈背面に小刺毛を生じる
cua室の先端は鋭角に尖らない;
R1脈の背面には肩横脈から先端まで小刺毛を生じる;
後単眼剛毛を欠くか著しく弱く発達する;
下前側板刺毛を欠く;
R4+5脈の背面にしばしば小刺毛を生じる
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採集して特徴を見るとヒロクチバエ科で間違いなさそうだ。

さてこのハエは何者?と言う時に頼りになるのがネットの掲示板、
「一寸のハエにも五分の大和魂・改 - 双翅目談話会」の過去ログ。

ヒロクチバエ科質問のスレッド 

これに同種と思われるハエが出ていた。
Pterogenia 属の1種らしい。

この属の特徴は掲示板によると、
「顔が幅広く触角間の隆起を欠くことや,翅のbm室がbcu室より明らかに長くなること,頬が複眼長の0.5倍程度などが区別点のようです」
だそうだ。

その掲示板の種は、同じと思われる種の写真が、「寄せ蛾記(115):1-9 (草間・玉木)2004年5~6月に採集された新潟県と長野県の双翅類」に載っているとのこと。
その報文中では、ヒロクチバエ科のGen.sp.2 とされていて、日本未記録か未記載種 とされているそうだ。
掲示板の書き込みは2007年なので少しずつ解明している感じ?

この属名を「日本昆虫目録第8巻:双翅目(日本昆虫学会,2014)」
で引くと、和名新称されていた。

マルマダラヒロクチバエ Pterogenia sp.  とのこと

でも学名は決定していなかった。
むぅ。
ま、和名があると身近な感じがするので良しとする。

採集したので拡大。
マルマダラヒロクチバエ Pterogenia sp.

マルマダラヒロクチバエ Pterogenia sp.
前翅長は6.5mmくらい。

顔!
小顎鬚は葉片状で先端がちょびっと尖っている。
乾燥すると複眼の模様は見えなくなる。
残念。。

旧ブログの方には別属のヒロクチバエを紹介してます。
「ヒロクチバエ科の1種あらため、キマダラヒロクチバエの1種」
こちらは和名なしの Neohemigaster 属の1種。
↑は目録にも載っていない。
2016年6月26日追記
コメントで市毛先生よりキマダラヒロクチバエで和名新称したことを
教えていただきました。
報文はこちら↓
「市毛勝義, 2016. 日本産ヒロクチバエ科への追加種について. はなあぶ (42):5-7.」

ではまた

2019年6月1日土曜日

ご近所のマダニ・・・5種目

日曜日のお散歩でまたズボンにマダニが付いていた。。。
いつものようにライターであぶってポイ、と思ったけど
なんだかいつも見るキチマダニと色目が違う。

念のために持ち帰ったら別種だった。

「色目が違う」。。。

野生の虫屋に受け継がれる同定根拠である。
中々捨てたものではないのである。
細部が見えなくなった老眼虫屋の最後の砦とも言う。

さておき全形
ヤマアラシチマダニ Haemaphysalis hystricis
手持ちの図鑑「ダニ学の進歩(北隆館、1977)」から
チマダニ属♂の検索からヤマアラシチマダニの特徴を抜き書き
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触肢第3節は背面に後ろ向きの棘状突起をもつ
触肢第3節背面の棘状突起はその後縁中央から出る
触肢第2節背面は第3節との接合部近くの内縁に瘤状の隆起が内側に突出する
触肢第2節腹面後縁中央は後方に向かって突出する
胴体部背面に側溝を欠く
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背面
側溝のある種類は青線のところに溝がある。本種には無い。

腹面

顎体部背面
例によって撮影技術がしょぼいので、線で囲って第2節と第3節を示す。

顎体部腹面
触肢第2節腹面のアウトラインはこんな感じ。
中央の口下片の逆トゲがまがまがしいですな。


旧ブログに今まで見た近所のマダニ4種を紹介してます。
「ご近所のマダニ」
「ご近所のマダニ その2」
「ご近所のマダニ その3」
「珍しげな名前」

和名にヤマアラシが付いているので珍しい種類みたいな感じだが
関西以西には野山に普通にいる種類である。
なんでこんな名前にしたのやら?

ではまた