2020年9月26日土曜日

今年流行り?のアカギカメムシを見た

もうツイッターで呟いちゃったけど、

すぐに埋もれてしまうのでブログにも記録。

2020年9月21日、神戸市須磨区

アカギカメムシ Cantao ocellatus

トリミング

アカギカメムシ Cantao ocellatus

南方系のカメムシだが移動性の強い種で、今年は特に多かったようであちこちに目撃情報があり、北海道でも複数見つかっている。

というのをツイッターで見ていたので、散歩のたびに食樹のアカメガシワを気にしていたら、先週ついに出会えた。

情報大事。

手の届かないところで採集はしていないが、特徴のある大型カメムシなのでまず間違いはないだろう。

1993年発行の日本原色カメムシ図鑑第1巻では分布が「九州(?)、南西諸島、東洋区」だったのが、2012年発行の日本原色カメムシ図鑑第3巻では「本州(山口県)、四国、九州、屋久島、トカラ列島、奄美大島、徳之島、沖永良部島、南西諸島、うんぬんかんぬん」とずいぶん分布が北上している。

幼虫はそこらに生えているアカメガシワの実で生育するので、こちらでもそのうち幼虫がみられるかもしれない。


同日に見た同じキンカメムシ科の大型種。

オオキンカメムシ Eucorysses grandis

本種も元々南方系のカメムシだったと思うが、関東以南の照葉樹林で生活しているとのこと。本種も移動性が強くて北海道や東北、高山帯でしばしば見つかる種類である。幼虫はアブラギリ、センダン、クチナシ、キブシ、ハゼなどの実で生育するそうな。

本種も南から飛んできたのかと思っていたが、神戸だと土着してるみたいである。


自分のツイッターを検索して出てきたお散歩コースにおける

オオキンカメムシの目撃(撮影)記録

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2015年6月14日クリの花

2016年10月10日ヘクソカズラ?

2017年3月5日シイの木?

2018年9月30日シロダモ

2020年9月21日アカメガシワ

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割りと毎年見てますな。

こちらもそのうち幼虫がみられるかも。


ところでアカギカメムシには前胸にカッコいいトゲが生える変異があるそうで、南に行くほどその割合が増えるそうだ。

こっちにも飛んでこないかしらん?


毎年、春以降にウスバキトンボやウラナミシジミが北上しては冬に死滅しているのは有名だが、思った以上に多数の種類が分布拡大を狙って北上しているのだろう。

こういうのを「無効分散」というが、案外無効ではないのかもしれないね。

以前旧ブログで紹介したリュウキュウフトスジエダシャクも地味な見た目で目立たないけどそんな種類かも知れない。↓

 

insectmoth.hatenablog.com

 


ではまた


2020年9月19日土曜日

ヒサゴクサキリ

 今週は(も)見た虫貼るだけ。

ササの葉裏に隠れていた。2020年9月13日

ヒサゴクサキリ Palaeoagraecia lutea

ヒサゴクサキリ Palaeoagraecia lutea

前胸背に、ひさご(瓢箪)型の模様がある。

ヒサゴクサキリ属は世界に5種、そのうち日本産が3種だそうだ。

顔面に特徴的な緑色斑紋がある。

ヒサゴクサキリ Palaeoagraecia lutea

虫除け着いた手で触角触ったら怒られた。

この仲間は怒りんぼが多い。


過去の写真をあさったら、幼虫の画像が見つかった。

2011年7月17日
メスの亜終齢くらい?

手前のピンボケシルエットはなんじゃろ?

ヒメクビナガカメムシかな?

今の今まで気が付いてなかったよ。。


ではまた

2020年9月12日土曜日

カニグモ科あらためエビグモ科の卵嚢

2020年11月21日追記

当初カニグモ科にしていましたが、エビグモ科だったのでタイトル変更しました。

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ネタがないので中途半端な飼育記録でお茶濁すなり。

しばらく前の2020年6月28日、クモの卵嚢を見掛けた。

膝くらいの高さの葉っぱに産み付けられていたもの。

カニグモ科 Thomisidae
エビグモ科 Philodromidae gen.sp.
 卵嚢

(孵化してから判明)

造網性のクモは飼育できる気がしないけど、
徘徊性っぽいので持ち帰る。

7月3日、卵嚢内で孵化した模様。


7月6日、クモらしくなってきた。



7月8日、卵嚢内で1回脱皮してから外を伺うようになる。
生まれたてと違って毛が生えて脚が長くなった。

手持ちの飼育昆虫からヒラタチャタテを与えたら食べてくれた。

ヒラタチャタテの飼育容器。
タッパーに飽和食塩水を張って、
スーパーの生シラスの容器で足をかまして、
使い終わったバターケースを乗せる。
で、小動物飼育用の粉末飼料を撒いて、
ヒラタチャタテを放す。
タッパーの蓋を閉めて放っておくとアホほど増えます。

飽和食塩水を入れるのは、相対湿度を75%RH前後にするため。
乾燥しても湿気すぎても絶えてしまいます。
中の丸いのは濾紙。生活空間の表面積を増やすため。

粉末飼料はオリエンタル酵母工業株式会社の
「マウス・ラット・ハムスター用飼料MF 粉末タイプ」
最小ロットが10㎏だけど、個人購入可能です。

関東だったら日本クレア株式会社で同じようなのを扱っていると思う。

ヒラタチャタテは♀のみで単為生殖するため
条件が良ければドンドン増える。

わちゃわちゃ

クモに戻りまして、、、

8月18日、体長3㎜程。2回ほど脱皮。


8月27日、ちょっと餌をキイロショウジョウバエに変えてみる。

食べた食べた。

8月31日、カニグモ科だろうけど、なんでしょね?

カニグモ科 Thomisidae gen.sp. 幼体
エビグモ科 Philodromidae gen.sp. 幼体
白バランスおかしい。。。

クモの飼育容器はガラスの押し蓋ビン。
いつも押し蓋の隙間にいるので写真が撮り辛い。
塩ビのフタにピンセットで穴開けて、
1個だけ大きめに開けて綿栓をして吸水場兼給餌口とする。

キイロショウジョウバエの飼育容器はこんな。
コーヒー瓶の蓋にステンレスネットを半田ごてで張り付けたもの。
これにバナナを1本ちぎっていれ、粉末エビオスをパラリと撒く。
最初は蓋を開けて外に2・3日置いておくと勝手に卵を産むので、
ウジが見えた頃に蓋をする。
蓋には金魚のブクブクパイプを通す穴が開けてあり、
成虫だらけになったら、上の写真のように新しいコーヒー瓶に繋げば更新できる。

クモにショウジョウバエを給餌するときに使う小道具。
直管式の吸虫管と言いましょうか。
シリコンチューブに使い終わったシャンプーボトルの中のパイプを繋いだだけの道具。パイプとシリコンチューブの間にフィルターを挟んで虫を吸い込まないようにしてある。
さっきのコーヒー瓶のブクブクパイプの穴からハエを吸い込んで、、、
マイクロピペットの先を適当なサイズに切り取ったものを嵌め、
クモの瓶に差し込んでプッと吹き込みます。

以前記事にしたエアーピンセットの親戚ですな。↓

私はクモは詳しくないので、成体じゃないと同定できない。
飽き性なので最後まで飼育できるかわからないので
とりあえず記事にしておく。

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2020年11月21日画像追加

2020年11月11日撮影

エビグモ科 Philodromidae gen.sp.

少しづつ成長していますが、エビグモ科最普通種の

アサヒエビグモ Philodromus subaureolus のような気がしてきました。

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ではまた




2020年9月5日土曜日

ネグロマイコガ

8月最後の日曜日、

あいかわらず暑くて何もする気がおきん。。

なんとか散歩に行ったものの、

お散歩ネットで顔にたかるマダラメマトイsppを排除しながら歩くだけ。

(ちょっと持ち帰って交尾器見たら2種以上いた。同定まで至らず。)


帰りにシダとかを5mほどスイーピングしたら、こんなのがいた。

ネグロマイコガ Stathmopoda dorsioculella

ニセマイコガ科Stathmopodidaeに属する。
翅は黄土色で基部は黒褐色で細い褐色条が4本走る。
中胸小盾板は目玉模様になるのが本種の特徴とある。
あまり目玉模様には見えないけども。

体下面は真っ白

展翅の途中
ネグロマイコガ Stathmopoda dorsioculella  

腹端を見るとオスのよう。
後翅前縁中央に縁毛と異なる長い鱗粉が生えている。
たぶん性標でメスにはないと予想。

手持ちの本には食草不明とあったが、たぶんシダ喰いじゃないかな?

ではまた