2017年3月25日土曜日

しゅんぶんとんぼ

今年の春分は暖かいお散歩日和であった。
が、虫はそれほど、といった感じ。

日だまりで休憩していると、わら屑が空中を移動してきて止まった。
拡大
こんな時期にトンボ?

成虫越冬するトンボと言えばオツネントンボが有名所。
細く見えるからホソミオツネントンボ?
とかツイートしようと思ったが念のため思いとどまる。

思いとどまってヨカッタ。。
文一総合出版「日本のトンボ(尾園 他)」で検討すると

ホソミイトトンボ Aciagrion migratum でした。

本種は年数回発生するが夏型と越冬型があり
日本産イトトンボ科で唯一、季節的多型がある種類だそうだ。
その図鑑を見ると、こちらはイトトンボ科
オツネントンボはアオイトトンボ科でした。
科が違うのね。

ではまた

2017年3月18日土曜日

皮を齧って春を待つ

3月5日にコナラの枝に上っていたシャクトリムシ。(当日つぶやいたヤツ)
幼虫で冬越しする種類が暖かくなってきたので活動を再開したよう。

でもコナラの芽はまだ硬く締まったままである。
一応採集して柔らかそうな小枝と一緒にフィルムケースに入れておいた。

今日の状態↓

ちょっとふっくりしてきた。
17mm。
背中にちっちゃな突起が出てきたので、たぶんオオバナミガタエダシャクだと思われる。
フィルムケースの底には糞。
葉っぱもないのに何を食べているのかと言うと、
皮を齧って少しずつ成長しているよう。
これから芽が膨らんできたら、そちらを食べて急速に成長する。
ニホンザルやニホンジカでも真冬は木の皮を齧って飢えを凌いでいるけども、
虫でも似たようなことをしているというお話。

野外でも枝先を見て回っていると、こんな風に齧られた枝をたまに見ることがある。
その近くにはシャクトリムシがじっと春を待っているのかも?

ではまた

2017年3月11日土曜日

小蛾かと思った。。。

啓蟄の日、
谷筋の下草をスイーピング(捕虫網を振り回して昆虫をメクラ採集する方法)
していたら入っていた虫。
当方メインは小蛾屋のつもりなので、最初はマルハキバガに見えた。
ナワコガシラウンカ Rhotala nawae 
片翅広げて撮影
ナワコガシラウンカ Rhotala nawae 
翅の拡大
ナワコガシラウンカ Rhotala nawae 
緑線で囲んだ部分を爪状部という。
赤い線は爪状部脈。
青矢印はCu2脈の先端部。

ナワコガシラウンカ Rhotala nawae 顔

ナワコガシラウンカ Rhotala nawae 後脚


以下、新訂原色昆虫大図鑑3巻の解説より抜き書き。
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本種の特徴は、
頭頂が短く、先端に向かって狭まらない。
前翅の斑紋は個体変異に富む、とのこと。

Rhotala属の特徴は、
頭部は前胸背の幅の約半分、
前翅の先方の分岐小脈は極めて多数。
後翅のCu2脈の先端部が彎入する。

コガシラウンカ科の特徴。

単眼の位置は複眼に近く、頬の凹所にある。
後脚基節は不動で外側は中胸と癒合する。
前翅基部と前胸背の側角間に肩板がある。
前翅の爪状部脈(A脈)は2本で先端は合一してY字状。
(↑以上ハゴロモ型下目 Fulgoromorpha の特徴)
(↓はコガシラウンカ科 Achilidae の特徴)
触角の鞭毛は無節。
単眼は顔の側縁(隆起線)の外、通常複眼の下方にある。
後脚第2付節は小さくなく、先端に1列の小棘が並ぶ。
爪状部脈(A脈)に顆粒を欠く。
後翅臀部は編み目状ではない。
下唇の末端節は幅より長い。
爪状部脈(A脈)は爪状部端に達する。
前翅の膜質部は重なり合う。
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ではまた

2017年3月4日土曜日

オオモンクロバチ科の1種

日曜日に枯れ笹を叩いてたら落ちてきた、ちっこいハチ。
体長約2mmで前翅の縁紋は大きく、半円形。
オオモンクロバチ科の1種 Megaspilidae Gen.sp.
グラフ用紙がバックだと虫体が黒くつぶれるのでグレーバックで撮り直し。
側面
オオモンクロバチ科の1種 Megaspilidae Gen.sp.
 なんだろ?Dendrocerus属?

背面
オオモンクロバチ科の1種 Megaspilidae Gen.sp.
胸部に3本の彫刻。他に細かい印刻がたくさん。

前脚脛節距は2本

中脚脛節距は2本
同科はヒゲナガクロバチ上科に属する。

ヒゲナガクロバチ上科 Ceraphronoidea の特徴。
後翅翅脈は閉じた室を持たない。
後脚転節は1節。
後翅は肛垂を持たない。
縁紋を持ち、前脚脛節距が2本。など

同上科には2科があり、区別点は、、、
オオモンクロバチ科Megaspilidae・・・中脚の脛節距は2本
ヒゲナガクロバチ科Ceraphonidae・・・中脚の脛節距は1本
とのこと。

ではまた