2020年5月30日土曜日

モリヒシバッタのマットブラック

忙しいのでちょっと前の虫を貼ってオワリ。

5月10日の雨上がりのお散歩コース。
倒木でもしゃもしゃ苔を食べてるヒシバッタをパチリ。
モリヒシバッタ Tetrix silvicultrix
モリヒシバッタの特徴は、、、

前から見て前胸背板が丸くなく直線的な山型であるとか、

モリヒシバッタ背面

側面
モリヒシバッタ Tetrix silvicultrix
前胸の背面が盛り上がってないとか、
前胸側縁がかくかく2回曲がるところとか、
後翅が短いところとか。

体の模様は種内変異が大きく、種間で被ったりしてるので参考にならないので注意。

ネットだと「ひょうごのばった」で検索したら出てくるpdfファイルに詳しい検索表があるので参考になる。

おまけ
前胸背板の黒いところ。
夜空の星みたいな。。
最近、黒を極めた「黒色無双」という塗料が売り出されたそうだ。
こんな感じだろうか?

以前にもこんなマットな黒を見た気がする。
これこれ、過去記事の蛾の蛹。エグリイチモジエダシャクの蛹。
insectmoth.hatenablog.com

ではまた

2020年5月23日土曜日

ハマダラヒロクチバエ

今週は貼るだけ

ちょっと前の4月29日
いもむし探しながらパヤパヤ歩く。
コナラを見上げると怪しげなシルエット。
羽に模様が、
お散歩ネットで確保。

持ち帰って撮影。
ハマダラヒロクチバエ
Prosthiochaeta flavihirta
でよさそうだ。

複雑なまだら模様である。背面

♂だったので挿入器を引き出してみた。
くりんっと回って非常に長い。
こういうのは♀の腹端が硬くて細長い種類によくみられる特徴である。
ミバエとか。
本種はヒロクチバエ科Platystomatidae だけれど。

おまけ

ハマダラヒロクチバエ Prosthiochaeta flavihirta

ではまた

2020年5月16日土曜日

たんこぶ付きの蛹その2・・・ムモンハビロキバガ

今週フィルムケース型容器で羽化した蛾。
ムモンハビロキバガ Scythropiodes lividula

今年の3月下旬にコナラの枝先で見つけたもの。

糸で綴られた小さな巣。

4㎜程のちっこいいもむし。

割りと何でも食べるので、庭のクヌギの若葉で飼育。
じわじわ大きくなって、、、
4月下旬に蛹化。
本種にもこぶがありますな。

ムモンハビロキバガの羽化後の殻。腹面

同、側面
先週紹介したゴマフシロハビロキバガと同様に腹部にトラバサミがある。

前胸のこぶの拡大
ハビロキバガ亜科の蛹にはなぜかたんこぶがあるのが亜科の特徴みたい。

おまけ
触角間のおでこ部分は羽化するときに外れることがある。
わずかにデコボコしたこぶがある。


ではまた

2020年5月9日土曜日

たんこぶ付きの蛹・・・ゴマフシロハビロキバガ

連休中の間に飼育ケースで羽化していた小蛾。
ゴマフシロハビロキバガ Scythropiodes leucostola
他のいもむしの餌用にちぎった庭のクヌギ、
その葉っぱに幼虫がくっついていたようで、
ふと気付くと綴られた葉っぱがあり、存在を知った。

庭のクヌギにはミダレカクモンハマキがよくいるのでそれかな?
とか思っていたら、1個体だけ違ったという。。。
幼虫写真撮ってない。。

ヒゲナガキバガ科 Lecithoceridae のハビロキバガ亜科 Oditinae に属する。

幼虫は広食性で各種広葉樹の他、マツ科のモミやセリ科のノダケ、シダ類についていた記録もあるそうだ。
他にはコナラのナラメリンゴタマバチの虫こぶに穿孔し、中身を食していたのまで観察されている。

所属が移動したため、和名が上記に変更されているが、
古い図鑑ではヒロバキバガ科の「ゴマフシロキバガ」になっている。

ところで、
ハビロキバガ亜科の知られている蛹の前胸には
すべてこんなへんてこな突起がある。

羽化後の蛹殻
矢印のところ。


羽化前の蛹
ゴマフシロハビロキバガ Scythropiodes leucostola
あと、第4腹節以下が可動で縁が鋭く食い切りニッパみたいになっている。
大きな外敵には役に立たないだろうけど、ダニとかだったら十分撃退可能だと思う。
足とか挟まれたら大泣きで逃げ出すレベルだと思う。

他のハビロキバガ亜科では例えば、
「みんなで作る日本産蛾類図鑑」のサイトにある
フタクロボシキバガ(これは旧名、現在はフタクロボシハビロキバガ)では
たんこぶがもっと発達しており、ほぼカリフラワーである。
この蛹の画像はその昔、私が投稿したヤツ。


ではまた

2020年5月2日土曜日

小さな仲間の大柄美人・・・ナガコバチ科の1種

今週も貼るだけ。
生態写真も無し。

木の幹を小さなハチが歩いていたが、
遠目にキラリンと光って見えたので逃げる前に採集。

割りと大きめだけど翅脈が単純でナントカコバチとかクロバチ系のよう。

適当にコバチ系の科の学名で海外の画像なぞを検索してたら、
結局ご近所のおちゃたてむしさんのブログに行き着いたという。。。

で、こんなハチ。
背面
2020.IV.26
ナガコバチの1種 Balcha sp.
コバチ系にしては体長9㎜もあって大型の部類。
しかも玉虫色。
腹節の継ぎ目もなんか変。

腹面
メスのようだ。

頭胸部拡大


胸部側面
どこもかしこもピカピカ。

翅脈はこんな。
退化した翅脈がうっすら判る。
総じて単純。

正面顔
ナガコバチの1種 Balcha sp.
点刻でかい!
ピカピカ!


おちゃたてむしさんの記事はこちら↓
「ナガコバチ科の一種(Balcha sp.)(改題)」
これを読むと既知種ではあるが日本に分布することが未発表とのこと。
7年前の記事だけど、まだ未発表なのかな?

ではまた