2019年9月28日土曜日

エゾスズメは幼虫も蛹も鳴く

9月1日のお散歩コースのノグルミ、
葉裏を覗くとスズメガの幼虫がいた。
エゾスズメ Phyllosphingia dissimilis
まだ弱齢幼虫。
本種は普通オニグルミにつくと図鑑には書いてある。
我がお散歩コースにはオニグルミは生えていないので
たまに成虫は見ても幼虫には会えないと思っていた。
ノグルミでも食べるのね。

拉致

とんがり頭でしっぽはまっすぐ。

以下飼育写真。
間に一回脱皮してる。
9月6日朝
前胸に次の頭が透けて見えてる。

9月6日夕方
夕方には脱皮した。
中齢幼虫の頭は二股に分かれている。しっぽはまっすぐ。
ノグルミはやめて庭のオニグルミを与える。
気にすることなく食いつく。

9月13日
また脱皮。
プリンカップが狭くてしっぽが曲がってしまった。
同日の顔
亜終齢だと思う。
頭の角はまたくっついた。

9月15日
頭空っぽ。脱皮前の眠に入るの図。

9月16日
終齢幼虫
頭の角はなくなった。でも△頭。
しっぽは太短く下方を向く。


9月23日
なんか糞をしないな、と思っていたら成熟していた。

終齢幼虫のおしり
とてもイカツい。
しばらく放置。

9月27日に見たら、蛹化が済んでいた。
腹面
背面
とてもゴツゴツしている。

つついたら鳴いた!?
蛹になっても鳴くとは知らなかった。
幼虫時より声が可愛くなった。
よーな気がする。

ちなみに幼虫時の鳴き声。
反応がはげしい。

おまけ
終齢幼虫の脱皮殻
蛹化の際は幼虫の頭は真っ二つに割れる。

ではまた

2019年9月21日土曜日

カタアカチュウレンジ

日曜日に採った虫貼るだけ
2019.IX.15
カタアカチュウレンジ Arge rejecta ♀
触角3節のミフシハバチ科 Argidaeである。
腹面
カタアカチュウレンジ Arge rejecta 
体色は、中央を除く前胸背板・肩板・中胸側板の上半部が暗赤色となる他は全体青藍色。
脚は黒色。翅は暗色を帯びる。
色彩変異が多く、中胸背板も暗赤色となるものや胸部全体が青藍色になることもあるそうな。
幼虫の食草はキイチゴ類。
4~6月に成虫が見られるとあるが、2化目の個体が出るのかな?
いたんだから出るのだらう。

色彩が似ているものに、ニレチュウレンジ Arge captiva がいる。
本種は胸部全体が広く赤色になるが、こちらも変異が大きく胸部全体が青藍色になるものまでいるそうだ。
こちらはアキニレやハルニレにつき、5月と7・8月の2回発生するそうだ。

検索表を見ると、
顔面の隆起線に違いがあり、カタアカチュウレンジではY字形になるが、
ニレチュウレンジでは縦の隆起線がなくV字形になるので区別できるとある。

顔面
カタアカチュウレンジ Arge rejecta 
Y字形ですね。

片展翅。
カタアカチュウレンジ Arge rejecta 


おまけ
♀の産卵管
ギザギザのこぎり。

追記
昔、旧ブログで顔面隆起線がV字のアカスジチュウレンジを紹介していた。
記事はココ↓
「アカスジチュウレンジの産卵管」
昔なので画像は粗いけど顔面載せてます。

ではまた

2019年9月14日土曜日

シマゴミグモのオスと中部突片

この間、お散歩で見かけたクモ。
2019.IX.1

ネタがないので持ち帰る。
背面
シマゴミグモ Cyclosa omonaga
4㎜程の小さなクモ。
側面
シマゴミグモ Cyclosa omonaga
触肢が特殊化してるので、♂成体ですね。

種小名の"omonaga"って「面長」のことかしらん?

さて、

同定するにあたって、図鑑類をこねくり回して
やっとこゴミグモのあたりにたどり着く。

♂における同属他種との区別点は、触肢の中部突片の先端が切断状に終わり、斧のような形をしていること,とある。他種では二叉したり鉤型になったりしてるそうだ。

♂左触肢
中部突片ってどこやねん?!でちょっと放置してたけど、、、

♂触肢を矢印の方向から見たのが下図。
矢印が中部突片。

線で囲ってみる。

斧型ですね。

ではまた

2019年9月7日土曜日

花粉を食べるハナアブ

日曜日のお散歩写真。

ツユクサの花に止まるマメヒラタアブの一種。

蜜を吸うのではなく雄しべを舐めている。
花粉なんてパサパサしていると思うけど
喉に詰まったりしないのだろうか。

この仕組みを解き明かせば
画期的な老人食が開発できるかも?
かも?

採集したので背面。
マドヒラタアブ属 Eumerus  sp.
頭はちょっと藍色光沢。
たぶんマドヒラタアブ Eumerus japonicus で合っていると思うけど、
♀なので保留。

腹面

消化管の中で花粉がどうなっているのか気になったので解剖。

消化管前方(消化前)の花粉。

消化管後方(肛門近く)の花粉。

殻だけ残してちゃんと消化しているようだ。

ではまた