2024年5月18日土曜日

国内外来種のヒラタトガリカメムシ

日曜日に見かけた虫。

小振りなエビイロカメムシ?と思ったが、鼻先を摘ままれて引っ張られたような?変な印象を覚えたので持ち帰り。

カメムシ図鑑を見たら、ヒラタトガリカメムシだと判ったが、分布が石垣島、西表島、中国となっている。!!!?

なんで?と検索してみれば、2013年に山口県で見つかったのを皮切りに九州、四国でも報告があり、最近は関東でも見つかっているそうだ。

温暖化しているし自力で分散した可能性がありそう、なんて思ったりもするのだが、報文では移入と考えられており「国内外来種」とされる。

持ち帰ったので拡大写真。

背面

ヒラタトガリカメムシ
Brachymna tenuis

腹面

ヒラタトガリカメムシ
Brachymna tenuis
腹端を見ると♀だった。

頭部拡大

ヒラタトガリカメムシ
Brachymna tenuis

側葉は、中葉を超えて前方で接する、というのが特徴の一つとのこと。

おまけ

頭部を横から。

ヒラタトガリカメムシ
Brachymna tenuis

船の舳先みたいなニュッと伸びた頭部。

あと、トガリヒラタカメムシと言うのもいるので注意が必要。


ではまた

2024年5月11日土曜日

ヨモギトリバの蛹

連休最終日に見かけたヨモギの食痕。

矢印の3カ所で葉を袋状に綴り合せて内側から薄皮1枚残して内側を食べている。

目についた3個を回収して確認したら、幼虫入りは1個だけだった。

引っ越しする習性があるのやもしれぬ。

幼虫拡大。

ヨモギトリバ終齢幼虫
Hellinsia lienigianus
Last inster larva
もけもけのイモムシである。

体長9.5㎜。

寄生蜂の産卵管が届かないようにするための対策かも?


今朝見たら蛹化していた。

ヨモギトリバ 蛹
Hellinsia lienigianus Pupa
もけもけがもけもけになっただけだった。

体長約8.5㎜。

腹端の拡大

鉤状刺毛が多数。

腹節の気門

腹部の気門は突出していた。

気門が突出する蛹は他にもいて、ミズメイガ亜科やカニクサシダメイガ、チヂミザサクサモグリガも突出している。

ここまで飛び出ているのは初めて見たかも。

なんでかは知らん。

ではまた

2024年5月4日土曜日

チョウカクハネオレバエの一種

昭和の日に見かけたへんてこオーラ?を放つハエ。 

とりあえずスマホで遠くから1枚撮ってお散歩ネットで確保。

側面

チョウカクハネオレバエの一種
Loxocera sp.

触角第3節が長大である。

「青{ 」のところは引き出した腹端部。

先の尖った針状の産卵管である。

胸部

チョウカクハネオレバエの一種
Loxocera sp.
毛は生えているが、刺毛は見当たらない。


前翅

チョウカクハネオレバエの一種
Loxocera sp.
ハネオレバエの仲間なので、矢印のラインで翅が薄くなっていて折れやすいように見える。


チョウカクハネオレバエの一種
Loxocera sp.
全景以外は時間が経ってから撮ったので、複眼が乾いてしまった。


「Notes on the Genus Loxocera MEIGEN (Diptera, Psilidae) from Japan, Sakhalin and the Kuril Islands」

という論文が国会図書館デジタルアーカイブでダウンロードできる。

日本産6種について記載されているのだけど、♂の腹端部で決定するみたいで♀

についてはイマイチ判りにくい。

6種の中ではキョクトウチョウカクハネオレバエLoxocera achaetaが一番近い気がするけど、合っているか判らない。



一昨年の5月にも似たのを撮影だけしている。

こちらは逃げられたけど、

ヒトスジチョウカクハネオレバエLoxocera fulviventris

かも知れない。

ご近所にはどうも複数種いるような気がする。


ではまた