2019年4月27日土曜日

クロムネアオハバチの産卵


4月21日の散歩は曇り気味だがよい天気。

お、ハバチ。
クロムネアオハバチ Tenthredo nigropicta
水色を少し混ぜたような淡緑色。
15㎜近くある綺麗なハバチである。
割と普通に見られる。
4月に見るのは早いかな。普通は5月頃見られる。

飛んで行った先を眺めていると、ネザサに止まって何かもぞもぞ。

9:50

これは産卵体勢でわ?と観察することに。
9:51
産卵管鞘(①)から産卵管(②)が離れてネザサの葉肉組織を切り裂いて
葉っぱの中を進んでいく。
ハバチの産卵管はのこぎりを2枚合わせた形で左右を擦り合わせながら
葉肉を切り裂いて、葉っぱの中に卵を産み付けるものが多い。
器用ですな。

9:56
5分後、反対側を切り裂きだした。

9:58
その3分後、わずかに下方移動してまたこちら側に切り込みを入れる。

10:01
その3分後、ちょっと見えにくいけどまた反対側に切り込みを入れる。

10:04
ほぼ3分おきに産卵管を左右に移動させている。またこっち側。

10:06
また反対側。見えないけど。

ちょっと飽きてきた。。。
少し目を離したらいなくなっていた。
10:09
うっすらと産卵痕が見えますね。
7個か8個左右交互に産卵した模様。

ではまた

2019年4月20日土曜日

ヤマトエダシャク蛹のトラバサミ構造

今年の2月初め、
アラカシの新芽にキリガ類の卵でもないかと
見ていたらいたシャクトリムシ。
採集時の体長は12・3mmといったところ。
これといった特徴がないが、
いつも見かけるシャクトリムシではないので持ち帰り。

アラカシの硬い葉を齧りながらジワジワ育ち、4月に終齢。
30mmちょっと。気門は白色で、気門輪は黒色。

幼虫頭部。
頭部は丸く、網目状の斑紋がある。
刺毛基部は黒い。

体色は淡黄緑色~淡褐色まで変異があるそうだ。
少なくとも年2化するとのこと。

4月8日に見ると葉間に粗く糸を張って蛹化していた。
つつくとウニウニする。

16日に羽化。
ヤマトエダシャク Peratostega deletaria
幼虫も地味なら成虫も地味。渋いとも言う。

オモシロいのは蛹。
蛹の殻を取り出してみた。
蛹殻背面
腹部第4節と5節の間がくびれている。

蛹殻腹面

蛹殻側面、腹部第4節と5節の間の拡大。
spは気門(spiracle)
第5節の前方が鋸歯状に硬化している。
第4節の後方も硬化しザラザラした感じ。
第5節の鋸歯の前に発達した刺毛がある。
上のがSD刺毛(たぶんSD1)で下のがL刺毛。
L1とL2かな。
たぶんこの刺毛がスイッチになっていて、
刺激を受けるとキュッと縮んで挟むようになっているのだろう。
アリンコなんかには有効な防御機構である。

食虫植物のハエトリソウみたいですな。
ハエトリソウみたいに食べるわけではないけどね。

おまけ
蛹の脇にあった終齢幼虫の頭部。
眼は6個。
幼虫の眼はしばしば単眼(ocellus)と呼ばれるが、
成虫の単眼とは相同ではないので、正しくは
「個眼(stemma,複数形でstemmata)」と呼ぶ。
祖先形質はトビケラと同じで7個だと考えられているそうで、
モグリコバネガ科では7個あるそうだ。
他の鱗翅目幼虫では基本6個であり、
図のように番号(第1~6個眼)が付けられている。
第5個眼は触角の脇に隠れるように離れてあるので見落としやすい。

おまけ2
蛹のトラバサミ構造は他の昆虫でも見られる。
屋内害虫のヒメカツオブシムシの蛹の動画を
以前撮ったので下に貼っておきます。

累代飼育してるヤツ

ではまた

2019年4月13日土曜日

ノコギリホソカタムシ

今週は忙しい。。。
日曜日に見た虫を貼るだけにします。

谷筋の倒れたカゴノキの皮を捲ったらいた虫
2019.Apr.7
ノコギリホソカタムシ Endophloeus serratus
展脚してみた
ノコギリホソカタムシ Endophloeus serratus
カッコいい。
4mmちょいしかないけどね。

ホソカタムシの仲間では割と普通種とのこと。

コブゴミムシダマシ科 Zopheridae に属する。

ではまた

2019年4月6日土曜日

真っ赤ないもむし・・・ゴマフボクトウの幼虫

今年の1月4日、ネジキの細枝に糞が付いていたので持ち帰った。
頭とおしりが黒くて胴体は真っ赤だったのでボクトウガ科かな?
大型フィルムケース型容器にイヌビワとかアカメガシワなどの
柔らかそうな枝を適当に足しながら置いといた。

丸い糞を出しているので生きてはいるじゃろう、と放っておいたが、
先日、ケースの中でうろついていたので写真を撮ってみた。
ゴマフボクトウ Zeuzera multistrigata 幼虫
正面?顔
ゴマフボクトウ Zeuzera multistrigata 幼虫
生木をガジガジ齧ってトンネル掘っていくだけあって頑丈そうな頭。
前胸背盾の後縁にも頑丈そうな鋸歯が数列並んでいる。

ゴマフボクトウは成虫になるまでに1年から2年かかるので
冬はいろんな大きさの幼虫で越冬する。

2010年11月13日
画像のように、木の根際で3mmほどの丸い糞がころがっていたら、
たいがいゴマフボクトウの成熟幼虫である。

♀の成虫は100卵程度の卵塊を適当な隙間に産みつけて、孵化した幼虫は
糸を出してぶら下がったり飛ばされたりして適当な枝に潜り込む。
木の種類はあまり選り好みはしないようで広葉樹ならなんでもよさそう。
草本でもイチゴ、ショウガなどが記録されている。

幼虫は何回か引越ししながら徐々に太い枝に移り、最終的に木の根際に移る。
地中の根を齧ってから地表近くに戻ってきて羽化口を作って木屑で蓋をしてから数cm戻って蛹化するそうだ。


さて、幼虫が這い出していたのだが、適当な枝がない、、と
部屋を見渡したら食べずに干したままのトウモロコシがあった。
これを少し輪切りにして軸を霧吹きで湿らせて容器に入れておくと、
普通に齧って白い糞を出していた。
すぐに傷みそうだけどしばらくはこれで飼育できそう。


ではまた