2025年6月28日土曜日

キバラケンモンの野外での繭

今週はスマホ画像オンリー。

2週間前の6月15日、

ビワの葉が重なった間で繭を見つけた。

4㎝ほどある、そこそこの大きさ。

繭に毛が織り込んでないのでドクガ系ではなさそう。

今気が付いたけど、繭の下にミズアブ系の幼虫がいる。

蛹が透けて見える程度の繭なので、長期に渡って休眠するような種類ではないだろうと踏んで持ち帰ることにした。

昨日羽化したのがこれ↓

キバラケンモン
Trichosea champa
キバラケンモンだった。

キバラケンモンもどちらかと言うと毛虫系の幼虫だけど、ドクガ科やカレハガ科、ヒトリガ科みたいに毛を繭に織り込んだりはしないようだ。

成虫腹面

キバラケンモン
Trichosea champa
腹部はなにやら肋骨模様。

もう一枚

キバラケンモン
Trichosea champa
名前の由来の「黄腹」は腹部背面の色。

名前を付けるときは展翅標本見ながら名前つけたんだろうなぁ、と思ったり思わなかったり。


幼虫は旧ブログで紹介済み↓

insectmoth.hatenablog.com


ではまた 

2025年6月21日土曜日

ツマキヘリカメムシ

日曜日の普通種。

毎年見掛けるヤツをご紹介。

ツマキヘリカメムシHygia opaca
近所ではカラスザンショウでよく見かける。

持ち帰って拡大

♂背面

ツマキヘリカメムシHygia opaca
♂腹面
ツマキヘリカメムシHygia opaca
♀背面
ツマキヘリカメムシHygia opaca
♀腹面
ツマキヘリカメムシHygia opaca
♂の臭腺

前翅
膜質部の翅脈が網目状なのがヘリカメムシ科の特徴のひとつ。

♂の腹端

ツマキヘリカメムシHygia opaca
近縁にオオツマキヘリカメムシHygia lativentrisがいるが、オオでは腹端の矢印部にコブ状の突起が一対あるそうだ。


ではまた

2025年6月14日土曜日

ヒラシマナガカメムシ

日曜日に見かけた5㎜ほどのカメムシ。

撮ったけど採れたので持ち帰る。

背面

ヒラシマナガカメムシ
Eremocoris planus
左の触角が奇形。

触角は全体赤褐色、近縁のムラクモナガカメムシでは第4節が黄白色とあるので、ヒラシマナガカメムシとした。

黒バックの背面

ヒラシマナガカメムシ
Eremocoris planus
頭部側がテカってしまった。

腹面

ヒラシマナガカメムシ
Eremocoris planus
臭腺を中心に
蒸発域は白っぽい。

前脚腿節に細かなトゲと大きな一本のトゲがある。

腹部側面

カメムシでは腹部の1・2節が退化?している。

本種はヒョウタンナガカメムシ科に属するが、本科の特徴は腹部第5節の側面が第4節を覆うように張り出すこと、だけど判りにくい写真になっちゃった。

これも判りにくいけど、くさび矢印は気門の位置。

属を検索するときに必要な情報。


ブログでは初登場だけど、検索したらツイッターで貼ったことのある種類だった。

体型がちょっと違うけど、以前のはオスで今回のはメスだからだと思う。

誤同定でないことを願うのみ。


ではまた

2025年6月7日土曜日

餌になったシャクドウクチバの♀交尾器

6月最初の日曜日、
足元にカラフルな模様が。
ベニヘリコケガ
Miltochrista miniata
これを撮るのにしゃがみこんだ拍子に目に留まった光景↓。


とても地味な蛾がクモに捕まっていた。
クモのサイズは獲物の蛾の頭部ほどしかない。
このサイズ差で捕獲できるのだから、どんだけ強い毒なのだろうか、とか思う。

写真で名前が分らなさそうなので確保。
クモの拡大
クモのおしり
体長は4㎜弱。
メスの亜成体みたいでハッキリしないけど、模様の絵合わせでは
コンピラヒメグモParasteatoda kompirensis
だと思う。

犠牲者の拡大
シャクドウクチバ
Mecodina nubiferalis
頭にタカラダニがついてる。
交尾器腹面
シャクドウクチバ
Mecodina nubiferalis
fimale genitalia
側面
シャクドウクチバ
Mecodina nubiferalis
fimale genitalia
ちょい拡大


ではまた

2025年5月31日土曜日

何者? ムラサキケマンの虫こぶ

名前の判る未紹介の虫がなんもおらん。

ので、判らない物体を貼って今週はおしまい。

2025年5月11日

ケマンハバチの幼虫に丸裸にされたムラサキケマン。

茎だけになった中に変に膨らんだ実がひとつ。

虫こぶ化してますな。

毎年見掛けるけども、タマバエとかなら名前判るわけないしぃ、

と見過ごしていたけど、

今年はちょっと中を覗いてみた。

ウジがうじうじしていた。

隅っこに無事な種子が1個。

虫こぶ部分は種子ができずに、莢の内側が海綿状に発達してそれを食べて成長しているようだ。

ウジは頭蓋がなく、咽頭骨格が透けて見える、後方気門が一対ある、

ので、糸角亜目のタマバエじゃなさそう。

ということは短角亜目のミバエ科だろうか。

実だし。

砂を入れた管ビンに入れて置いたら囲蛹にはなった感じ。


無事に羽化したら続き書きます。

ではまた

2025年5月24日土曜日

クロスジヒゲナガカメムシ

 今週は採った虫拡大するだけ。

2週間ほど前からちらりほらりと見た虫。

背面

クロスジヒゲナガカメムシ
Pachygrontha similis
ヒゲナガカメムシ科に属する。
画像は♂。♀は♂ほど触角は長くなかった気がする。
前脚腿節がまっちょ。

腹面

クロスジヒゲナガカメムシ
Pachygrontha similis

頭部と前胸の辺り

クロスジヒゲナガカメムシ
Pachygrontha similis

横向き

クロスジヒゲナガカメムシ
Pachygrontha similis
頭部と腹面は短い金髪に覆われる。

前脚腿節にフォーカス

クロスジヒゲナガカメムシ
Pachygrontha similis
まっちょ。

肉食しそうな感じだけど、イネ科の穂に集まって吸汁する。


クロスジヒゲナガカメムシ
Pachygrontha similis

図鑑には革質部に黒いスジがある、とあるが膜質部にも黒い縞がある。


臭腺の辺り

クロスジヒゲナガカメムシ
Pachygrontha similis
矢印の唇状のが臭腺、廻りに艶消しの部分があって「蒸発域」と呼ばれるが本種では蒸発域が広くない。

おまけ

♂交尾器


ではまた

2025年5月17日土曜日

ウンモンオオシロヒメシャクの卵

日曜日に見かけた蛾。

ウンモンオオシロヒメシャク
Somatina indicataria
難同定種の巣窟であるヒメシャク亜科にあって比較的判りやすい種類。

この個体は中室の眼状紋の発達が弱い。

なんか弱弱しいのでフィルムケースに取り込んで持ち帰り。

翌日ケースを見ると産卵していた。

ウンモンオオシロヒメシャクの卵
Somatina indicataria
長径約0.5㎜。数は少なく10個ほど。

ちょっと変な形をしている。

模様はなんかモンシロチョウっぽい感じ。

生みたてはきれいなレモン色。

図鑑を見るとスイカズラを食すとある。

スイカズラは庭に植えてあるので、孵化したら飼ってみようかと思っていたが、4・5日で萎びてしまった。

未交尾個体だったのかも?


ではまた