2026年4月18日土曜日

誤同定発覚・・・キモンハバチはシシクキモンハバチでした

 2017年4月の拙ブログの記事↓

「キモンハバチ」ですが、当時手元の文献で疑問付きながら同定したものでしたが、2020年発行の「日本産ハバチ・キバチ類図鑑」ではシシクキモンハバチであることが判明しました。orz...

この日曜日に摘まんできたハバチ。

シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
帰ってからよく見ると、足が赤いキモンハバチの仲間。

以前ブログで紹介した記憶があったが、最新の図鑑で検索してみると、シシクキモンハバチという書いた覚えのない種に落ちてしまった。

当時の手持ちの文献ではキモンハバチの後腿節に燈赤色部がある、とあったので、細部が少々異なるが変異の範囲内かな?他にいないし、と決定したけど、新図鑑の検索ではキモンハバチの後腿節は黒色になっていた。。

なんてこと、、、

図鑑の検索からシシクキモンハバチの特徴を抜き書き。

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後脚基節は黒色で中央に楕円型の白斑を持つ

後脚の腿節と脛節の一部は燈赤色で跗節2・3・4節は白色

♀は中胸盾板中葉の後方に三角形の白斑を持つ(♂はⅤ字形)

♀の後脚腿節は基部を除き大部分が燈赤色

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♀の後脚腿節が基部を除き黒色であれば、

マライセキモンハバチPachyprotasis malaisei

だそうだ。(検索のみで図と記載はなし)


キモンハバチ属では後脚腿節が燈赤色になる種は他に

モモアカキモンハバチPachyprotasis variegata

がいるが、胸部側面や腹部側面に白色部があり一見して異なる。


図鑑に書かれたシシクキモンハバチ♀の斑紋記載は

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頭部;側頭頂に一対の小紋、複眼前縁下方と下眼縁部、上唇、大顎前面

胸部;中胸盾板中葉後部の三角紋、盾板側葉中央の小紋、小盾板、小盾板後片と後胸小盾板

腹部;第7-9節腹背板の中央

脚部;前脚腿節の先端前面、前脚脛節前面、跗節の下面、後脚基節の楕円紋、後脚転節、後脚第2-5跗節

がそれぞれ黄白色で、他に後脚の腿節と脛節の基半が燈赤色

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と、画像の種と一致しているので今回の同定は大丈夫だと思う。


シシクキモンハバチその他の画像ペタペタ

腹面

頭部と胸部側面
斜め顔
正面顔
シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
腹部
シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
図鑑の凡例から翅脈記号を書き込んでみた。

合流したり別れたり、横脈かと思えば枝分かれしてしている脈だったりと非常に判りづらい。

この辺りは古い図鑑とはかなり変わっているので注意が必要である。


ではまた


2026年4月11日土曜日

ご近所のマダニ・・・6種目はタカサゴチマダニ

暖かくなってきたので、そろそろかな?

と、気を付けていたら案の定。

長靴にマダニがくっ付いていた。

一応確保。

調べてみたらお散歩コースで初見の6種目のマダニだった。

背面

タカサゴチマダニ
Haemaphysalis formosensis
背板が全体を覆っているように見えるのでオスだと思う。

大型動物についてるタカサゴキララマダニとはまた別種。

腹面

顎体部背面
顎体部腹面
タカサゴチマダニ
Haemaphysalis formosensis
いつも見掛けるチマダニ属は触肢が全体に末広がりな感じだけど、本種では顎体基部とほぼ同幅。

第3節腹面にちっちゃい突起がある。

第4節は淡色で小さいので判りずらい。

チマダニ属の触肢第1節は退化して見えない。

口下片には逆トゲびっしりで刺す気満々である。

脚部の基節にはトゲがあり、基部側に生えるのを内棘、先端側に生えるのを外棘と呼ぶ。

後体部腹面

タカサゴチマダニ
Haemaphysalis formosensis
マダニ類の気門は脚部の後方にあり、昔は後気門類と呼ばれてたり。

本種の肛門溝はY字形

後体部のぐるりに花彩と呼ばれる模様がある。

表面拡大してみると指紋みたいな小皺がありますな。


「ダニ学の進歩」より本種の特徴を抜粋

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触肢第3節背面に後ろ向きの棘状突起を持たない

触肢第2節の後外角突出はわずかで顎体基部を超えない

触肢第3節腹面に後ろ向きの棘状突起を持つ

背板に側溝を持つ

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ご近所で見かけたマダニ類は旧ブログ含めて以下の記事↓

「ご近所のマダニ」(ヤマトマダニ)

「ご近所のマダニ その2」(キチマダニ)

「ご近所のマダニ その3」(フタトゲチマダニ)

「珍しげな名前」(アカコッコマダニ)

「ご近所のマダニ・・・5種目」(ヤマアラシチマダニ)


ではまた

2026年4月4日土曜日

コガシラハネカクシの一種?

今週は見た虫貼るだけ

名前も判らない。

だってハネカクシだもの。


3月最後の日曜日、ビロードツリアブなどを見ながら春だねぇ、

でも新顔はいないねぇ、

新顔かどうかも判らんのしかいないねぇ、

とか言いつつ、摘まんできたハネカクシ。

背面

コガシラハネカクシの一種
Philonthus sp. ?

黒バック

コガシラハネカクシの一種
Philonthus sp. ?

頭部背面


頭部腹面


ハネカクシにしては大きめ。

顔も大きめ。

保育社の原色図鑑をパラパラ絵合わせ、、、

アカヒラタコガシラハネカクシPhilonthus macrocephalus というのによく似ていたけど、体長があわない。

かと言って、小顔で瓜実顔なコガシラハネカクシ類にこんな四角い顔の種類が図鑑には他に見当たらない。

日本産ハネカクシ目録にはPhilonthus属は50種以上の記録があるので、これは要するに図鑑に載ってない種類なのだろう。

ということで貼るだけなのでした まる

それとも別属の何か?

腹端引っぱり出してみたら、

メスだった。

絶望的。。


ではまた

2026年3月28日土曜日

マエナミカバナミシャクの♂交尾器

 お散歩コースの虫も以前よりずいぶん減った。

フユシャクは言うに及ばず、今年に入ってカバナミシャク類すら片手以下しか見ていない。

2026年2月22日

2026年3月22日

どちらもマエナミカバナミシャク Eupithecia niphonaria の♂

近縁種が多く誤同定が怖いので、現地でツイートできないヤツラ。

本種については以前記事にしたけど、その時はメス↓

マエナミカバナミシャクの♀交尾器

今回は♂交尾器を見て特定。

2/22の分

マエナミカバナミシャク
Eupithecia niphonaria
male genitalia
本種の特徴は矢印位置のバルバのサックルスが台形であること。

下にあるのは外したファルス(エデアグス)。

反転してある。

長大なコルヌツスが内蔵してある。

3/22の分

同じですな。コルヌツスは反転するとき壊しちゃった。

反転前のファルス(エデアグス)

マエナミカバナミシャク
Eupithecia niphonaria
phallus(aedeagus)
光学顕微鏡像

反転した内袋(ベシカ)
第8腹板
交尾器ではないが、属ごとに特徴が異なる感じ。

先端が図鑑に載ってる画像を異なるような気がするが変異の範囲内かな?


ではまた

2026年3月21日土曜日

マメヒメハナバチ亜属の一種

日曜日のツイート。 

 春の虫が

ちらっ

ほらっ

と顔を出すようになった。

?のままだと何なので、採集して分類を試みるなど。

分類には「日本産ハナバチ図鑑」を使用した。

(改訂版がでる(でた?)そうだが、未見。)

結果、マメヒメハナバチ亜属 Micrandrena sp. に落ち着いた。

種類はあああぁ難しかった。

深追いしない。ヒコサンマメヒメハナバチ?

webに「日本産ハナバチ類の同定の手引き(神奈川県立生命の星・地球博物館 特別出版物 第 1 号)」(リンク先はpdfファイル)という日本産ハナバチ図鑑を併用しながら検索できる超詳しい解説があるのだけれど、いっぱい集めて比較しないと自信をもって同定できない感じ。

背面

マメヒメハナバチ亜属の一種
Andrena (Micrandrena) sp.
目測で7㎜くらい、とつぶやいたけど、

実際は6㎜弱だった。ちっちゃい。

触角鞭節が11節なのでオスである。

メスは10節。

以下あちこち部分拡大。

矢印の中脈が湾曲していたらコハナバチ科Halictidae 。

この子は直線状なのでヒメハナバチ科 Andrenidaeである。

同じ直線状なのにケアシハナバチ科がいるけど出現期が夏から秋なので除外。

青丸は亜縁室でこの子は3室、2室の種もいる。

赤丸は縁室で、先端が尖っているのでヒメハナバチ属Andrenaである。

縁室先端が裁断状の場合はチビヒメハナバチ属 Panurginus である。

胸部背面

中胸背板は点刻があるが、印刻は弱いのかな?

比較標本が欲しいなり。

前伸腹節

三角域とかいうのがあるけど、本種では境界があいまいだと思う。

後体節(腹部)背面

第一節はツヤがある感じ。

二節以降は印刻がある。。

後体節(腹部)腹面

腹板後方の毛列はまばら。

正面顔
マメヒメハナバチ亜属の一種
Andrena (Micrandrena) sp.
矢印は上唇。

上唇の中に方形の盛り上がり部分があるけど、上唇突起というらしい。

この形も分類に使うみたい。

顔、下から

ミツバチやマルハナバチと違って舌は短い。

小顎髭は6節、下唇髭は4節。

大顎基部の頬には突起等はなかった。


ではまた

2026年3月14日土曜日

目玉に鉢巻き・・・オオカマキリのフライング

3月8日の日曜日、お地蔵さんにて

オオカマキリ
Tenodera sinensis
オオカマキリの一齢幼虫がいた。

当地では、例年4月の下旬から5月上旬に出てくる虫である。

めちゃくちゃ暖かい日が続いたときにフライング孵化してしまった模様。

小学生男子が机の引き出しに卵嚢をしまって餌がないうちに孵化させてしまう現象が自然界でも再現されているのは流石温暖化と言えよう。

オオカマキリの学名は以前は Tenodera aridifolia とされていたが、シノニム処理で消えて sinensis にされたようだ。

凍えていて、ちょっと可哀そうになったので、連れ帰って

お世話することにした。

押し蓋ビンに濾紙とキイロショウジョウバエを入れて簡易飼育。

蓋に穴を開けて脱脂綿をつっこんで、水を垂らして給水(矢印)。

室温が暖かくなるとショウジョウバエを捕えて食べていた。

世話を忘れて死なす前に、暖かくなったら放しに行こう。

ガラス越しの顔

ガラス越しの後頭部
オオカマキリ
Tenodera sinensis

じっくり見たことなかったけれど、黒い帯が複眼を含めてグルリと一周していた。


ではまた

2026年3月7日土曜日

ヨコヒダハマキの♂交尾器

3月最初の日曜日。

フユシャクのメスとか居残っていないかしらん?

とか、お地蔵さんなどを見て回る。

ヨコヒダハマキ
Acleris yasudai

久し振りに見たヨコヒダハマキ。

小さいのに成虫越冬する小蛾類。

Acleris属は日本産60種余り。

ただし分布は北寄りで、神戸南部で見られる種類は少ない。

翅に変異を持つ種類が多く、おもしろい仲間である。

年2回発生し、変異が面白いのは夏に発生する型。

秋に羽化したものが成虫越冬するが(冬型)、こちらは総じて地味である。

ということで、今の時期に採れるのは地味な冬型である。

オスだったので交尾器出してみた。

側面

背面
腹面
プレパラート
ファルスを除いて展開。
ヨコヒダハマキ
Acleris yasudai
Male Genitalia
ファルス(エデアグス)
釘状のコルヌティ(cornuti)が11本あった。

おまけ
展翅途中
ヨコヒダハマキ
Acleris yasudai
翅を押さえているのは、翅押さえ針という小蛾類専用の展翅器具。
ブタの毛である。

詳しくは旧ブログで紹介している↓

insectmoth.hatenablog.com


ではまた