2026年8月1日土曜日

マダラオオアメバチ

ヒメバチ撮ったけど、珍しくたぶんこの種であろう、というところまで行ったのでタイトルを種名にしてみた。

日曜日に見掛けたこんなヤツ。

マダラオオアメバチ
Stauropoctonus bombycivorus
典型的なアメバチ体形のヒメバチ。

おっきいので、ひょっとして属までくらいなら判るかも?と採集した。

例によってヒメバチの検索表から特徴を羅列。

アメバチ亜科Ophioninaeの特徴

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後体節第1節は細く気門は後方にある

背面から見て幅が狭いアメバチ型体形

産卵管は背面に切れ込みを持つ

前翅は鏡胞を欠き、2m-cuは本来鏡胞のある位置より基部寄りに合流する

前翅のsecond subdiscal cellの後縁に暗褐色の翅脈を有する

単眼が大きく後単眼は複眼に接近する

跗節の爪は密な櫛歯状←これだけ確認してなかった。

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Stauropoctonus属の特徴

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後頭隆起線を欠く

大顎は強く捻じれる

中胸腹板の後方隆起線は完全

前翅翅脈2r&RSは基部縁紋付近で幅が顕著に広くなる

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で、日本産ヒメバチ科目録を見ると、Stauropoctonus属の日本産既知種は3種のみではないか。

1種は屋久島産で除外、本州で記録のあるS. infuscus は、

愛媛大学の「日本産ヒメバチ目録」で画像を確認したら腹部が全体褐色なので違うということにして、残ったマダラオオアメバチStauropoctonus bombycivorus ということになった。

信用できる2・3の寄生蜂のサイトにあるマダラオオアメバチの画像を見ても違いが見当たらないのでたぶん合ってる、と思う。

以下画像。

背面

マダラオオアメバチ
Stauropoctonus bombycivorus
大きな虫の撮影技術は壊滅的、、、

つぎはぎ翅脈画像

マダラオオアメバチ
Stauropoctonus bombycivorus
青丸が本来鏡胞がある位置。

頭部を後ろから

後頭隆起線はなく、後単眼は複眼と接している。

胸部側面

胸部背面
前伸腹節の印刻はワタクシ的にはいまいち。

後体節第1節(腹柄節)

気門は後方に開口してる

腹部、途中

なんとなく気門の位置に矢印打ってみた。

だんだん前にずれている。

腹端

鞘から産卵管を出してみた。意外と短い。

上面に切り込みがありますな。

正面顔

斜め顔
マダラオオアメバチ
Stauropoctonus bombycivorus
大顎は捻じれて歯が水平にかみ合うようになっている。

噛むより、挟み切る感じだろうか。


ではまた

2026年7月25日土曜日

野生のカツオブシムシ

カツオブシムシと言えば、毛織物の害虫として知られているが

野外性の種類もいる。

日曜日のお散歩で見かけたのはこんなヤツ。

なんか模様のあるキスイムシ、、、?とか思いながら持ち帰り。

拡大

ベニモンチビカツオブシムシ
Orphinus japonicus
体長3.5㎜ほどのカツオブシムシ科だった。

腹面

ベニモンチビカツオブシムシ
Orphinus japonicus
触角が特徴的

先端2節が幅広く円形に近い。

甲虫図鑑の図版の触角はもっと大きいからこちらは♀だと思う。

昔見たのはもっと触角大きかったような?とハードディスクを探したら出てきた。↓

ベニモンチビカツオブシムシ
Orphinus japonicus
2001年に撮ったものなのでイマイチな画像だけど触角の大きさが違うのが判る。こちらが♂だと思う。

往年の名機、NIKONのスイバルデザイン COOLPIX E995での撮影。

25年前なのでディフューザーって何ですか?な頃なので、、、

ところで本種は甲虫には珍しく単眼がある。

ベニモンチビカツオブシムシ
Orphinus japonicus
カツオブシムシ科には額の真ん中に単眼を持つ種類が何種かいる。

他にはヨツメハネカクシの仲間は単眼を2個持っている。


ではまた

2026年7月18日土曜日

ウッカリ者はヤラレル定め

いきなり酷暑でお散歩コースは早くも虫枯れの様相。。

毎年見掛ける虫の種類が歯抜けのように減っている気がする。

愚痴はさておき、こんなのがいた。

拡大
ヒメカラスハエトリ♀
Rhene albigera
なにか白いプニプニを咥えていた。

いつもなら正体不明で終わるところだけど、ヒントが周りに写っている。

シダはベニシダの仲間で小さなミノがくっ付いている。
裏面を拡大
シロシダマイコガの巣
Pachyrhabda aedificatrix
胞子嚢が食い荒らされてシート状の糸で覆われている。
で、矢印のところで表側のミノにつながっている。
外敵に襲われると、表側のミノに退避する仕組み。

食草と習性からシロシダマイコガと判る。
ニセマイコガ科に属する。
少なくともご近所では本種しかいない。
(シダがヤブソテツならまた別種が存在する。)

ほとんどのいもむしは糸の下に隠れているけれど、たまに外に出ているのがいる。
シロシダマイコガの幼虫
Pachyrhabda aedificatrix
こういう危機感のないウッカリ者がハエトリグモに食べられたり、寄生されたりするのだろう。

シロシダマイコガの成虫については旧ブログで紹介している↓

insectmoth.hatenablog.com


ではまた

 

2026年7月11日土曜日

雪平鍋的な点刻?

7月最初の日曜日は降ったり止んだりの雨模様。
ほとんど虫はいなかった。
なんかまっ黒けの虫がいたので持ち帰り。
クロハナムグリ
Glycyphana fulvistemma
なんのことはない、擦れっすれのクロハナムグリだった。
雨で濡れていたから斑紋が見えなかっただけで、乾くと白斑の名残りが残っていた。
ちょっと調べてみたら、2年生きる個体がいるようでこれもそうなのかもしれない。
いつも見掛けるのはもうちょっと艶消しな感じで、黒い部分も粉を吹いたような感じだったのでよく判らなかった。

裏面

前胸辺りの拡大
クロハナムグリ
Glycyphana fulvistemma
付着物が取れてしまっているので点刻がよく判る。

もうちょっと拡大。
クロハナムグリ
Glycyphana fulvistemma
ただの点々かと思っていたけど、場所によっては雪平鍋みたいな点刻とか、「 )」型の点刻とか。

なんか凝ってるなぁ、と思いました(小並みな感想、、、)

ではまた

2026年7月4日土曜日

ムラサキアツバの幼虫とクロゲヒメキノコハネカクシ

この日曜日は朝までたっぷり降った雨でいつもの枯れ沢に水が流れていた。

よいことである。

たとえ、下草びちょびちょで虫が見られないとしても。

帰りに今年初鳴のニイニイゼミが聞けたのでヨシ、である。 

さておき、

お散歩コースに倒れているニセアカシアの倒木。

虫があまり付かない木なのでよく見てなかったが、多孔菌のたぐいがぺっとり生えていたのでチラ見すると、
ムラサキアツバ幼虫
Diomea cremata Larvae
ムラサキアツバの幼虫がいた。

黒っぽいところは食痕である。

キノコ食いのいもむしでシイタケの害虫ともされる。

撮ったスマホ画像を見ながら歩いて行ったところで、矢印のところに模様付きの虫がいるのを確認。

戻って吸虫管で吸い取って持ち帰ってみた。

いもむしはスルー、知ってる虫まで持ち帰ると整理が大変なので。


ぴちょんくんみたいな水滴型の虫はこんな虫。

クロゲヒメキノコハネカクシ
Sepedophilus armatus
腹部が伸びた状態で2.5㎜ほど。

鞘翅目の体長は翅端までが基準とすると、体長は1.5㎜になるか。

腹面

クロゲヒメキノコハネカクシ
Sepedophilus armatus

図鑑を見ると、上翅側縁に6本のトゲ状刺毛があるとか、斑紋に変異が多い、などと書いてあった。

念のために、日本産ハネカクシ科総目録をみると、同属の日本産は30種ばかし記載されている。。。

模様があるからと持ち帰ってみたけど、こりゃ種までの同定は無理かと思ったけど、ちょいとググると「A Revision of the Genus Sepedophilus Gistel (Coleoptera, Staphylinidae, Tachyporinae) from Japan: Species Group of S. armatus Sharp」(←リンク先はJ-STAGEからダウンロード可)という論文に同属他種の交尾器画像などがあるのを見つけたので確認してみた。

♂交尾器

プレパラートにしていないので全体にピントが合ってないけど、論文の図と一致するので特定してよさげ。

今回のは普通種だけど、外見でほぼ区別できない種にニセクロゲヒメキノコハネカクシS.subarmatus というのがいて、こちらは東京の高尾山と鹿児島の口永良部島、国外では韓国でしか見つかっていないそうである。

分布が飛び離れているが、ちゃんと探せば近所にもいそうな感じ。。

とりあえず、近所のは普通種の方とあいなった。

おまけ

ムラサキアツバ幼虫の側面

ムラサキアツバ幼虫
Diomea cremata Larvae
保育社の原色日本蛾類幼虫図鑑によると、各腹節間がくびれ、第8腹節のD2刺毛の基部が突出するのが特徴とのこと。

こちらの図鑑では旧和名のヒメムラサキクチバになっている。

ではまた

2026年6月27日土曜日

ヤスデを食べてたハネカクシ

 雨上がりの日曜日、お散歩で見かけた光景。

ハネカクシがヤスデを捕食しているのを見かけた。

ヤスデと言えば防御物質にシアン化合物を分泌するそうだが、まずくはないのだろうか。

アカサシガメの仲間はヤスデ専食らしいし、以前シロハラのウンチを持ち帰って拡大したらフジヤスデの一種の殻がたくさん含まれていたので、ヤスデもあまり安穏とした生活はできないらしい。

こちらのヤスデはヤケヤスデの仲間だと思うけど、、、

♂なら判るかもと一応持ち帰ってみたものの、生殖肢のある節は失われていたので同定できず。

以下ハネカクシの拡大

背面

ムネビロハネカクシ
Algon grandicolis
保育社の図鑑で絵合わせ同定(問題発言)

日本産ハネカクシ科目録で本属は1種のみなので、まあ合ってるだろう。

アルゴン属とか、素敵な響き。

腹面

拡大
ムネビロハネカクシ
Algon grandicolis
頭部腹面
ムネビロハネカクシ
Algon grandicolis


ではまた

2026年6月20日土曜日

引っ越しアリの簒奪者

引っ越し中のアリの行列から幼虫や蛹を横取りするクモと言えば、アミメアリとアオオビハエトリの組み合わせを3回ほど見たことがある。

日曜日のお散歩で見たのは初めての組み合わせだった。

ありんこが幼虫とか咥えてぞろぞろ歩いていた。

ああ~こういったところにはアオオビハエトリいるよね、とか考えながら周囲を見ると、、、
マミジロハエトリ
Evarcha albaria
意外なことにマミジロハエトリのオスがアリの白い蛹を横取りしているのが見つかった。

アリもよく見るといつも見掛けるアミメアリじゃない。
たまに頭の巨大なアリが混じっている。
オオズアリの仲間っぽい、ので同定用に一部を持ち帰り。
大型働きアリ背面
オオズアリPheidole noda
側面
オオズアリPheidole noda
触角球桿は3節
前伸腹節に棘がある。
腹柄節は2節あり、1節目の腹柄節より、後ろ側の後腹柄節が大きい。

頭部下面
アズマオオズアリでは矢印部に3個の突起があるそうな。

ワイワイ働いている方の小型働きアリ
オオズアリPheidole noda

オオズアリとマミジロハエトリの組み合わせはワタクシ的には初めて見た。


ではまた