2018年9月22日土曜日

ムネビロスナゴミムシダマシ

今日は散歩で拾った虫を貼るだけ。
ムネビロスナゴミムシダマシ Gonocephalum japanum
ハイキングコースの真ん中を歩いている程度に普通種。

和名は日本産ゴミムシダマシ大図鑑(むし社,2016) で新称されたもの。
旧和名はスナゴミムシダマシ。あとミヤケスナゴミムシダマシG.miyakenseと言う伊豆諸島に分布する独立種とされていたものが、本種の亜種に格下げになったことから和名を改めたものだと思う。

裏面
ムネビロスナゴミムシダマシ Gonocephalum japanum
おまけ
頭盾の中央が凹んでいる。
枯れ葉でも食べるときのガイドみたいなもんかしら?
葉っぱを食べるいもむしの上唇も ω になってるしね。

ではまた

2018年9月15日土曜日

シロオビクロコケガの幼虫と蛹

9月2日に見かけた謎マユ。
谷筋にある地衣の生えた樹皮にあった米粒を一回り大きくした位の繭。
二つあったのでナイフで樹皮ごと削ってフィルムケースに入れて持ち帰った。

翌日。ケース内に蛹が転がっていた。
繭から転げ落ちたみたい。
もうひとつの方は、、、
ちゃんと収まっているけど、まだ幼虫である。
それも夕方見たら蛹化していた。
どうやらどちらも前蛹で採集してきた模様。
これらは2個体とも1週間後の月曜日に羽化した。
シロオビクロコケガ Siccia minuta
前翅長5mmのおチビさん。

繭の中の幼虫の模様から、現地の繭の近くにいた幼虫が本種だと判明。

これ↓
シロオビクロコケガ Siccia minuta 終齢幼虫
繭の中の幼虫脱皮殻を観察。
頭部
上唇(矢印)の切れ込みは浅い。
平面の地衣を食べるので、葉っぱを食べる幼虫のガイドの役割はいらないからかな?

腹脚の鉤爪
ヒトリガ科の腹脚鈎爪は異規的縦帯なのだけど、本種は小さいせいか
その特徴は微妙。
異規的縦帯については旧ブログの記事を参照。

背中のD刺毛の拡大
ギザギザはあるけど先端は尖っていない。
KOH水溶液でふやかしたせいか、先端の膜質部が膨らんでいる。
何か分泌しそうな雰囲気。
一目盛は0.025mmなので約1mmの毛である。

ではまた

2018年9月8日土曜日

マメキシタバの♂交尾器

日曜日にこれと言った生き物を見なかったので、
ハードディスクの中から1枚。
マメキシタバ Catocala duplicata
今年の7月1日に撮ったもの。
昼間の自然光で撮ったら樹皮に溶け込んでしまった。
一応言っておくと、中央に逆さに止まっています。
隠ぺい型擬態と言うやつですな。

なんとなく採ってしまったので交尾器を出して見た。
横から。左が腹部、右が先端側。
マメキシタバ Catocala duplicata ♂genitalia
図鑑みたいにファルス(エデアグス)を外してバルバを開いた状態が下。
マメキシタバ Catocala duplicata ♂genitalia
個人的にコガタキシタバと迷うのだけど交尾器の形は全く違う。
コガタキシタバの交尾器はみんなで作る日本産蛾類図鑑の姉妹サイト、
「Digital Moths of Japan」の以下のページ↓
「シタバガ亜科1」でコガタキシタバをクリックすると見ることができる。
全く違うことが判ると思う。


おまけ
マメキシタバの♀交尾器(8月の採集品)
マメキシタバ Catocala duplicata ♀genitalia
真ん中左上の地下足袋の指先みたいなのは第8腹板の先端。
ガイド的な役割があるのかな?

ではまた

2018年9月1日土曜日

カマキリみたいな後ろ脚・・・マルズヒメバチの1種

カマキリと言うか、セミ幼虫の脚と言うか、
そんな感じのヒメバチがいた。
暑くて適当な虫がいない中、ふよんふよん飛んでは止まっていた。
こちらも暑くてダレているのでスマホで撮って採集。
展翅して6日、ひとまず撮影。
体長は11mmほど。
しっぽ(産卵管)は体長以上に長い。

黒一色のヒメバチなんぞ採っても同定できひんやん、と思っていたけど、
産卵管の長いのと後脚腿節にトゲが生えているので、
図鑑やらネットの画像などを漁って、どうやら
マルズヒメバチ亜科 Xoridinae Odontocolon 属らしい、
と言うところまで絞ることができた。
本属はネットのリストを見ると、日本産は4種ほど記録があるらしいが
どれとも一致しないので、ま~た未記載種か~
と諦めかけたところで、最近の文献を検索すると
「日本昆虫分類学会会報 JAPANESE JOURNAL OF SYSTEMATIC ENTOMOLOGY Vol.23.No.2」に本属の新種記載があるじゃないの。
読んでみると、本属が新たに2種記載されているうちの1種に一致。
Odontocolon bidentatum Watanabe,2017 
でありました。和名はなし。

以下各部の画像。
側面
Odontocolon bidentatum Watanabe,2017


丸顔だけど、ヒメバチなんてみんなこんなもんだと思うけど、、

頭部、胸部側面

胸部背面

前伸腹節拡大
よく見る亀甲模様ではないけど、後方にツノが1対。

後脚腿節
本種の特徴は大きなトゲの後方に鋸歯が並ぶこと。

記載文が英語なので流し読みしかしていないけど
図は一致してるので間違っていないと思う。

ではまた

2018年8月25日土曜日

立ち枯れキノコのアオツヤキノコゴミムシダマシ

去年まではヤノトラカミキリとかが出ていたエノキの立ち枯れ、
今年はキノコが生えてきて顔ぶれが変わってきた。
四つ紋のアトキリゴミムシの仲間。
大きい方がコキノコゴミムシ Coptodera japonica
小さい方がコヨツボシアトキリゴミムシ Dolicoctis striatus だと思う。

で、矢印の裏に隠れていたのが、、、
アオツヤキノコゴミムシダマシ Platydema marseuli
とても普通にいる。何種か近縁の種類もいて、南の島ではさらに種類が多い。

裏側
アオツヤキノコゴミムシダマシ Platydema marseuli
顔。
やや上に反った角がある。
♀と小型の♂は角がないか小さくなるそうな。

ほんの少し自己主張しているけれど、あまり役に立っていなさそう。。。

ではまた

2018年8月18日土曜日

シロモンクロシンクイ

お盆直前の日曜日のお散歩で見掛けた小蛾。
シロモンクロシンクイ Commatarcha palaeosema
シンクイガ科 Carposinidae と言う小さな科に属する。
本科の出世株?はモモシンクイガ Carposina sasakii
幼虫がモモ、スモモ、アンズ、リンゴ、ズミ、ナシなどの果実に潜りこんで
商品価値をなくしてしまう有名な果樹害虫である。

シロモンクロシンクイの幼虫はシイ、アラカシ、コナラなどの菌えいに潜入して
これを食べるとのこと。
「日本の鱗翅類」に幼虫が図示されているが、穿孔性のヒメハマキみたいな感じ。
胴体は黄白色で頭部淡褐色、背盾と肛上板は褐色。
シイとアラカシの菌えいではしばしばカシコスカシバの幼虫が
同居していることがあるそうな。

菌えい、、、、
枝や幹にカルス状のコブがあるがあれのことかな?
憶えていたら探してみやう。

近縁にニセシロモンクロシンクイ Commatarcha vaga がいるが、
交尾器のほかに白斑にわずかな違いがあるそうな。

おまけ
以前お散歩コースで採集、展翅した標本。
シロモンクロシンクイ Commatarcha palaeosema
2005年4月10日採集。
採った時はもうちょっと黒っぽかった気がする。
10年以上前だから色褪せたのかな?

ではまた

2018年8月11日土曜日

マッチョなお姫様

日曜日、普通は地面スレスレに飛んでいるツチバチっぽいのが
目の高さをフワフワ飛んで葉裏に止まる、を繰り返していたので
撮る&採る。
ツチバチじゃなくてヒメバチ科だった。
なかなかカラフルな種類である。

背面
キマダラツヤアシブトヒメバチ(キマダラマルヒメバチ)
Colpotrochia nipponensis

腹面
キマダラツヤアシブトヒメバチ (キマダラマルヒメバチ)Colpotrochia nipponensis
がっしりした体形で腿節も太く、やたらとマッチョな印象のヒメバチ。
産卵管が非常に短いが♀である。

ヒメバチなど図鑑でもわずかな種しか掲載されていないので、
同定できる気がしなかったが、目立つ種類なので試しに以下のサイト、
「日本産ヒメバチ目録 Check list of Japanese Ichneumonidae」
「Information station of Parasitoid wasps」で絵合わせ同定した結果、
キマダラツヤアシブトヒメバチとしてよさそうだ。
旧和名はキマダラマルヒメバチだが、属和名がツヤアシブトヒメバチ属のため
それに合わせて新和名が提唱されているようである。

本種はヒメバチ科Ichneumonidaeのメンガタヒメバチ亜科Metopiinaeに属する。
「Information station of Parasitoid wasps」には亜科や属までの検索が載っている。
メンガタヒメバチ亜科からツヤアシブトヒメバチ属までの特徴を抜き書き。
***************************************************************
顔面に盾状隆起は無い。
後体節第3~5節の側背板は発達する。前中脚付節は通常単純で、櫛歯を欠く(Hypsiceraの一部の種では有する。この場合、単眼後方部は単眼前方部に対し横から見て直角)。
後脚脛節棘は2本。触角の先端方は通常。 
触角挿入孔間には高いひだを持ち、その背方には中央に縦の切れ込みがある。
後体節第1背板基部は狭く、気門は基部方3/8~1/2に有り、第1腹板は1/3-1/2まで存在する。頭部は幾分丸い。触角挿入孔間のひだは角ばる。・・Colpotrochia 
後翅翅脈Nervellusは上方終点が下方終点に対し先端方にあるか、互いに同じ程度の位置で、垂直。鏡胞はたいてい無い。・・・Subgenus Colpotrochia
***************************************************************
非常にややこしい、が特徴は合っている気がする。

拡大画像いろいろ
前脚の爪

後脚の距(後脚脛節棘)は2本

腹部第1節背板(後体節第1背板)矢印は気門

第1腹板(矢印、背板の1/2ほど)

頭部背面

胸部背面
矢印は前伸腹節。有剣ハチ類は腹部第1節が胸部と一体化しており前伸腹節と呼ぶ。
見掛けの腹部第1節は実は2節目である。
これは運動器官の要である胸部の容量を増やすため、とかなんとか言われている。
ハチ類の前伸腹節にはたいてい複雑な彫刻模様があるが本種は単純であった。

おまけ
正面顔

新鮮なうちの複眼はなんか重金属的な虹色光沢があった。

ではまた