2026年10月10日土曜日

オオキイロホソバヒゲナガキバガ

日曜日のお散歩は義務。

という訳ではないが長年の習慣なので雨でも行く。

今週もネタ無しかぁどーしよー

とか歩いていたら、ビニ傘に雨宿りに来たミクロがいた。

ヤル気のなさが如実にわかる写り。

キバガ上科っぽいが茶色一色、、、

普段なら確実にスルーしてしまう見た目。

種名が判る気がしないし。

雨で何もいないしフィルムケースを被せたら素直に捕まってくれたので持ち帰った。

持ち帰ったのだから標本にしようとピヤッと翅を広げてみると、、

後翅の基部からなにやら主張の激しい毛束がある。

展翅した状態。

オオキイロホソバヒゲナガキバガ
Lecithocera chersitis
手持ちの図鑑を見ていくと、、

腹部背面に刺状の特殊鱗を持たない(ホソバヒゲナガキバガ亜科の特徴)

触角は長く、前翅とほぼ同長

♂後翅基部のヘアペンシルは顕著

などの記述が一致するので本種と同定してみた。

開張は図鑑では15.6~16.3㎜とあるが、本個体では15㎜とわずかに小さい。

よく似たキイロホソバヒゲナガキバガ(別名コカクバネヒゲナガキバガ)では開張12.5~13.8㎜で触角は前翅長の0.9倍程度でやや短いとのこと。

未記載種の多そうなグループだし、確認すべき交尾器の図が見つけられなかったので確定ではないけど、たぶんこの仲間なのは確実。

おまけ

横から見た毛束

オオキイロホソバヒゲナガキバガ
Lecithocera chersitis
♂のヘアペンシル
♂のヘアペンシルは交尾の際になだめ物質?を分泌するらしい。

♀を見つけた♂は飛びながら

「敵じゃないよ~

 こわくないよ~

 仲間だよ~

 だよ~ だよ~」

て感じで近づいていって交尾するらしい。

♀の性フェロモンが有名だが、これもフェロモンの一種。

同種の他個体に作用するのが、フェロモン。

個体内部で作用するのが、ホルモン。

他種に作用するのが、カイロモン。と教わった気がする。


ではまた

2026年10月3日土曜日

アリヤドリバチ

近々のネタが皆無なので、6月の採集品から。

スイーピングで採った小虫を実体顕微鏡で覗いた時に

あ、これはアレでは?と写真だけ撮ってたヤツ。

アリヤドリバチ
 Hybrizon buccatus

体長4㎜の極小ヒメバチ。

以前はアリヤドリバチ科で独立してたり、コマユバチ科の一亜科だったりしていたけれど、現在はヒメバチ科のアリヤドリバチ亜科に落ち着いているようだ。

拡大

忙しい時期だったので各部拡大を撮ってない。

翅

アリヤドリバチ
 Hybrizon buccatus
ネットに転がってる画像などを見比べて、アリヤドリバチとした。

体長4㎜と小型。

縁紋は太い。

全体の体形。

RS+M脈は2r&RS脈より短い。

2024年に記載された、Hybrizon lunaris(和名なし)という近縁種がいるが、ネットの画像を見ると、RS+M脈がほぼ消失しているように見えるので、アリヤドリバチの方でいいと思う。


ではまた

2026年9月26日土曜日

ひめぐんばい

お散歩コースのクヌギの葉っぱ。

とても白い。

よく見かけるヒメグンバイの食痕である。

9月も後半なのでもういないかも?と思いながら葉っぱを捲ると

ヒメグンバイ
Uhlerites debilis
個体数は少ないもののまだ残っていた。

幼虫もいる。

もう一枚。

ヒメグンバイ
Uhlerites debilis
普通にいすぎて、腹面とか撮ってないことに気付いて少し持ち帰り。

腹面

ヒメグンバイ
Uhlerites debilis

前方の背面拡大

ヒメグンバイ
Uhlerites debilis
グンバイムシ科は英名で Lace bug と呼ばれる。

その仲間だけあって、繊細なガラス細工のようである。


おまけ

斜めから。

ヒメグンバイ
Uhlerites debilis

ではまた

2026年9月20日日曜日

外部寄生されたタイワンオドリハマキモドキ

 この間(9/6)、2化目のタイワンオドリハマキモドキを見かけたとき、食樹のイヌビワを覗いたらまだ幼虫が残っていた。

普通は緑色だけど、生気のない黄白色。

写真を撮って拡大して見たら、寄生されているようだ。

本種は外敵対策として葉っぱに穴を開け(矢印)、攻撃されると反対側に逃げるようにしている。

脱皮前の動けない時なんかに産卵されたのかも?

ちょっと探すと寄生されたのが2個体いたので、持ち帰る。

4・5日たってみると蛹化していた。

3㎜ほどの小さな繭。

こちらは寄生者が1個体だった方。

こちらの繭は独り占めした分、4㎜とちょっと大きめ。

寄主の幼虫はしわくちゃになっていた(矢印)。

観察は残念ながらここまで。

ガラスシャーレに入れておいたら空になった繭を残して隙間から逃げてしまった。

隙間と言っても0.5㎜もないのに逃げる?

外部寄生と言えばワタクシ的にはヒメコバチ科なんだけど、知ってるヒメコバチは繭を作らずに裸蛹になるので、コマユバチ科かヒメバチ科の可能性が高そう。

繭のカタチ的にはヒメバチのような気がする。

羽化後の繭。

右側の繭は拡げて中を見た。

白いウンチが残されていた。


ではまた

2026年9月12日土曜日

翅のカケラ・・・クロホシウスバカゲロウ

日曜日のお散歩でクモの巣に引っ掛かっていたもの。

脈翅目の翅っぽい。

模様があるみたいなので持ち帰る。

ホシウスバカゲロウ属の後翅みたい。
最大幅は6㎜

黒バック

2021年にでたホシウスバカゲロウ属の論文みたらクロホシウスバカゲロウ寄りの翅に見える。

ただ、無印ホシウスバカゲロウとの差が軽微なので決定しがたい。

似た様なの昔採ってなかったっけ?と標本箱漁ったら一個体だけ採ってた。エライ。

2010年9月5日採集

クロホシウスバカゲロウ
Paraglenurus melanostictus
急いで撮ったからピント回ってなかった。。
体長26㎜、前翅長29mm、後翅の最大幅5.6㎜。

これ、採った当初はホシウスバカゲロウ P. japonicus だと思っていたけど、文献読み直したらクロホシウスバカゲロウのようだ。

論文名は

「Unexpected species diversity of Japanese Paraglenurus (Neuroptera: Myrmeleontidae) based on DNA barcoding and adult and larval morphology」

Japanese Journal of systematic Entomology 27巻1号に載っている。

日本昆虫分類学会のサイトで順次公開されているけど、あいにくこの号はまだ公開されていない。

リサーチゲイトに以前は公開されていたけど、いまは著者にリクエスト送らないと見れなくなってる。

触角

各節の淡色のバンドが目立つのが本種。

ホシのバンドはごく細い。

後脚付節

第5付節の基部1/4から先は黒色のブラシ状の毛に覆われる。

ホシの第5付節は基部からブラシ状なので区別できるようだ。

おまけ

顔

腹端
♂みたいなので、解剖したら確定できそう。

クロホシウスバカゲロウは上記の論文で新種記載されているので、10年前に採っていることになるらしい。

論文の採集記録を見ていくと、お散歩コースの八幡さんで採った記録がある。おやまぁ。

この論文で新種記載されたものにチャバネホシウスバカゲロウというものあるが、これは過去記事で紹介している。↓

「チャバネホシウスバカゲロウ成虫」(←クリックでジャンプ)


ではまた

2026年9月5日土曜日

クロハナボタルの交尾器

8月最後の日曜日、スゴモリキバガでもいないかな?とヤブミョウガを覗いていたら、

小さな虫が貼り付いて死んでいた。

ヤブミョウガの茎は粘毛が生えているのか揺らしても落ちなかった。

ジョウカイとかホタルとか柔らか甲虫の仲間みたい。

背面

クロハナボタル
Plateros coracinus
体長約5㎜

死んでたので無展脚

腹面

クロハナボタル
Plateros coracinus

紅くならないタイプのベニボタルみたい。

ベニボタル科のちっさい奴なんか同定できる気がしないのだが。

いちおう軟化して腹端いじったら♂だったので交尾器出してみた。

クロハナボタル ♂交尾器
Plateros coracinus
male genitalia
左が側面で、右が腹面。

保育社図鑑によると、クロハナボタルの交尾器先端はオール状で横に大きく張り出すとあったので本種とした。


ではまた

2026年8月29日土曜日

うるとらばいおれっと

小ネタ回。

盆明けのツイート。

同じ日に見つけたオオシオカラトンボ

枯草に引っ掛かったまま事切れていた。

いずれも普通種なのでワザワザ採集したりはしないが、死んでるのはなんとなく持ち帰ったりする。

実体顕微鏡で拡大して見たり、飼育しているマサカカツオブシムシのおやつにもなる。

あと、道端でバラバラになったアブラゼミの翅などを持ち帰る。

以前、ツイッターで紫外線撮影されたアブラゼミの画像があって、ほあ~こんなところが蛍光するのかって見てたことを思い出して、、、

眼遊 GANYU さんていう方のツイートでした。

画像は「UV撮影 アブラゼミ」で検索した方が早いかも。

で、ちょっとやってみた。

粉吹いたトンボなんてめっちゃ光るのでは?

黒い紙に適当に並べて、、、

暗いところでUVあててTG7を三脚で固定してパチリ。
コンデジでもいけた。

オオシオカラトンボはそんなに蛍光しなかった。

アブラゼミは翅脈が蛍光するけど、ミンミンゼミはそうでもない。

単眼と複眼はどちらもよく蛍光反射した。

紫外線は体に悪いから、眼から吸収しないようによく反射するのかしらんとか思ったり。

光源はこれ。

昆虫文献六本脚で以前売ってたやつ。

LEDで紫外線出すのがあるのかって衝動買いしたもの。

ライトトラップ用だけど、使わないまま置いていた。

若い頃はよくライトトラップしていたけど、ブラックライトだけだと目に悪いので、可視光の電球も併用していたからこんなに蛍光するとは気が付かなかった。

ブラックライトは紫外線だけ放出するライトで、一見すると暗いままなのでブラックライトと呼ばれている。若い頃は蛍光灯にそういう規格があって、可視光を遮るための塗料が内側に塗装された製品だったと思う。

UV=ウルトラバイオレット=紫外線

全部同じ意味である。


ではまた