2018年6月16日土曜日

スレンダーな幼虫とふとましい成虫・・・クロフトメイガ

先週の6/6に飼育中の蛾が羽化した。
クロフトメイガ Termioptycha nigrescens
図鑑にある解説。
前翅の色彩は変化に富む。
前翅の外横線はM2脈で外方に突出する個体が多い。
後翅外縁部はぼかしたように暗褐色を帯び、
CuA2脈と3A脈上に不明瞭な黒斑がある。etc.

裏側
クロフトメイガ Termioptycha nigrescens
翅を拡げて1枚。
クロフトメイガ Termioptycha nigrescens
割とシュッとした(?)成虫の多いメイガ科にあって
胴体が太いフトメイガ亜科に属する。
初見では図鑑のヤガ科辺りを捜しそうなヤツである。

幼虫はひと月前の5/6、クヌギの葉を重ねた間で見つけた。
つつくとシュッと引っ込むシュッとしたいもむし。
クロフトメイガ Termioptycha nigrescens 中齢幼虫
細長い。
側面に3本ずつ黒線が走り、その間は淡色。

10日後
クロフトメイガ Termioptycha nigrescens 終齢幼虫
黒線は薄くなって淡色線だけになる。

2週後、容器の底で糞を綴って繭を作った。
で無事羽化して冒頭に戻る。

フトメイガ類はトサカフトメイガなどは幼虫も頭が大きくどっしりした感じだが
本種を含む Termioptycha属は細長い体型のようである。

おまけ
♀交尾器
クロフトメイガ Termioptycha nigrescens ♀genitalia

繭に残った幼虫と蛹の殻。

ではまた

2018年6月9日土曜日

アカスジシロコケガの繭作り

日曜日のお散歩中に見かけたアカスジシロコケガの幼虫。
アカスジシロコケガ Cyana hamata 幼虫
なんと繭を作っている最中でありました。
本種の繭作りは独特で、自分の毛を素材にして繭を作ります。
スカスカの編み籠のような仕上がりとなります。

体を曲げて毛を咥え、

プチッ、という感じで引っこ抜き、

クチクチと押しつけて、糸を架けていきます。

動画も撮ってみましたが、いまいち。

成虫はこんな蛾。
アカスジシロコケガ Cyana hamata ♀
なんか紅白でめでたい感じの虫です。
画像は♀で、♂は黒点が2個になります。

ではまた。

2018年6月2日土曜日

よく判らないテントウダマシ

日曜日に枯れ沢脇の崖に生えたコケをワシャワシャしたら落ちてきた虫。
テントウムシダマシ科というのは判る。
ムクゲテントウダマシ亜科Stenotarsinae
体長は2mmしかない。

触角は11節
付節はすべて4節。3節目は非常に小さい。2節目は下方に伸長。
背面は毛で覆われる。

などの特徴で保育社図鑑3巻の検索ではムクゲテントウダマシ亜科にはなった。

その先は図鑑には該当する種類がない感じ。
ムリヤリ検索を進めても藪蛇になりそうなので止めておく。


ではまた

2018年5月26日土曜日

ウスギヌカギバの羽化と蛹の鉤状刺毛

しばらく前の投稿で紹介したウスギヌカギバ

その後、無事終齢幼虫になりまして、、、
ウスギヌカギバ Macrocilix mysticata終齢幼虫
体長は35mmほど。上は背面、下は側面。
ウスギヌカギバ Macrocilix mysticata終齢幼虫
カギバガ科は尾脚が退化傾向にある種が多く、本種では完全に退化している。
この後、葉っぱを綴って繭を作り、、、
・・・
今週羽化しました。
ウスギヌカギバ Macrocilix mysticata
ちらほらと銀色に光ってる。
無事確認できてよかった。
飼育はやはり寄生の可能性が低い弱齢幼虫からに限りますな。

羽化後の蛹殻
蛹のおしりの先っちょには第10腹節の尾毛が変化した鉤状刺毛がある。
蛹を繭に固定するためである。
羽化時に蛹殻がくっついてきたら大変だしね。

蛹の腹端部背面 鉤状刺毛

同側面

腹面
第9腹節に交尾器開口部があるので♂である。
♀の場合は第9腹節の交尾器開口部が第8腹節に割り込むような状態で存在する。

蛾の蛹の場合はこれで雌雄の区別が可能である。


おまけ
以前どこかの掲示板に貼った蛹の模式図を再掲しておきます。
モデルはクロメンガタスズメ

ではまた

2018年5月19日土曜日

シモヤマジガバチモドキ

日曜日は雨でさっぱりだったので、ちょっと前に採った虫を貼るだけ。

5月6日にお散歩ネットに入ったちいさいハチ。
日本産有剣ハチ類図鑑(2016、東海大学出版部)で同定。
シモヤマジガバチモドキ Trypoxylon shimoyamai
体長は約8㎜。

図鑑から本種の特徴を抜き書き
*******************************************************
頭盾前縁中央は2歯状に突出する
腹部第1節は棍棒状
腹部は黒褐色
♀前脚基節転節は黒色、腿節は黒褐色、脛節は褐色、付節は黄褐色。
中脚、後脚は黒褐色から黒色。
オニグモ科、コガネグモ科のクモを狩る。
*******************************************************

前伸腹節あたりの拡大

胸部側面
中胸側板の中央がへこんで穴が開いたように見える。
左右同じようにあるのでそういうものなのだろう。
図鑑には書いてなかったけども。

顔面
複眼はえぐれてる。
口の周囲は白毛で覆われ、光の加減で銀色に光る。
ギングチバチの由来はここらへん?

頭盾前縁拡大
2歯状に突出してる。

分類学的位置
*******************************************
ミツバチ上科 Apoidea 
キングチバチ科 Crabronidae
ギングチバチ亜科 Crabroninae
ジガバチモドキ族 Trypoxylonini
ジガバチモドキ属 Trypoxylon
シモヤマジガバチモドキ Trypoxylon shimoyamai
*******************************************

おまけ
産卵管(針)を引き出してみた。
わりと短い。

ではまた

2018年5月12日土曜日

キンバエみたいなヤドリバエ

お天気下り坂のゴールデンウイーク最終日、
ハルジオンに止まるキンバエみたいなハエがいた。
顔つきがキンバエっぽくないので採集。
触角刺毛が羽毛状でないし、腹部に剛毛が多い。

拡大してみると、後小楯板が膨らんでいる。
ヤドリバエ科の特徴である。
ヤドリバエ科に金属光沢の種類がいるとは知らなかった。
ちょっと調べると日本産には少なくとも3種類はいるようだ。

クチナガルリハリバエ Chrysosomopsis auratus
ルリアシナガハリバエ Janthinomyia elegans (日本昆虫目録には和名なし)
ルリハリバエ Gymnochaeta viridis

このうちルリハリバエは「昆虫III(学研,1983)」によると、肩剛毛が三角形に配列する、とあるが画像の種はなんだか5本ほど生えているので除外。
あとハナアブの世界にある「みんなで作る双翅目図鑑 画像一括閲覧ページ」を見ると
クチナガルリハリバエに似ている。
学名で検索すると、色合いが黄緑から藍色のグラデーションなところとか、
後頭部に黄色の長毛が密生するところなどもクチナガルリハリバエに一致する。
なのでクチナガルリハリバエとしておきます。

背面
クチナガルリハリバエ Chrysosomopsis auratus

クチナガルリハリバエ Chrysosomopsis auratus
♂だったので交尾器付近の画像を貼っておく。
腹端部側面
腹端部斜め下から

同定間違ってたら教えてね。

ではまた

2018年5月5日土曜日

ウスギヌカギバの幼虫

このところマイマイガ大発生の終焉から年々いもむし毛虫が減っていたのが
今年は去年より多く見かけるのでやっと回復に向かうのだろうか。
もちろん種類によって増減の差はあるが全体としてそんな印象。
フユシャク類やキリガ系はまだまだ少ない感じ。

このゴールデンウイークには私的初見の幼虫に出会った。
シロトゲエダシャクの幼虫の付いた枝を手繰り寄せて見たとき脇にいたもの。
ウスギヌカギバ Macrocilix mysticata
体長はまだ7mm。4月29日。
いろいろ突起があったり毛もあるが刺さない種類。

持ち帰って2日後、脱皮前の眠に入る。
ウスギヌカギバ Macrocilix mysticata
前胸部分に次の頭が入っているのでパンパンである。

で、今日5月5日
ウスギヌカギバ Macrocilix mysticata
体長は18mm(尾突起の先端まで)
カギバガ亜科の特徴としては尾脚が退化していることなどがある。

ネタがない時にその後の成長経過を貼るかも。

ではまた