2019年11月16日土曜日

ウスバフタホシコケガとスカシコケガは蛹で区別できそう。

先日のお散歩で見かけた蛾。
2019.XI.10
ウスバフタホシコケガ Schistophleps bipuncta
背中も縁毛もハゲてない新鮮な状態の蛾。
ということで、横っちょにあるスケスケ繭は本種のものだろう。
すぐ上にあるクシャッとしたのはスジチャタテの羽化殻。

羽化後の蛹と繭の拡大。
繭には黒い毛が垣根状に並べてある。

同じ形状の繭を作るのは以前見ている。
旧ブログに紹介した、↓

「垣根付きの繭」の、スカシコケガ Nudaria ranruna

これと比べると繭の形状はほとんど同じである。
本種も同様に終齢幼虫が自らの毛を使って繭を作るのだろう。

コケガの仲間は他にもこんな習性を持つ種がいて、
アカスジシロコケガはカゴ状の繭を作る。昨年の記事↓
「アカスジシロコケガの繭作り」

さて、スカシコケガとウスバフタホシコケガの蛹を比べると、蛹に残る黒斑の模様は2種で異なっているようだ。

スカシコケガの黒斑は腹部背板の4・5節辺りに見られるだけだが、ウスバフタホシコケガでは胸部から腹端まで黒斑が広がっているようだ。

後は幼虫が来年以降の宿題ですな。

(ツイッターでしばらく前に見かけた繭はスカシコケガで決定してよかったみたい。)


ではまた

2019年11月9日土曜日

跳ねるウジ・・・ナカジロコガネショウジョウバエ

跳ねるウジといえば、ミバエとかチーズバエが知られている。
以前見る機会のあったカボチャミバエのウジが跳ねる動画


同じ習性がショウジョウバエ科でも見られたのでご紹介。

先週ヌカカを紹介したキノコにいたウジ。
ヌカカは糸角亜目だけど、こちらは頭殻が退化しているので短角亜目のハエの幼虫。

咽頭骨格
透過処理して押さえつけたら咽頭骨格が前後に離れてしまった。
幼虫は前屈して、画像左端の口鉤を腹端に引っ掛けてピンっと跳ねる。
「as」は前方気門。

前方気門の拡大

後方気門

それが今週羽化した。
2月に紹介した「ナカジロコガネショウジョウバエ」だった。
羽化間もないので翅の模様がちと薄い。
♂交尾器
硬化が進んでないのでフニャフニャにつぶれたけど、以前の記事と一致してる。

蛹(囲蛹)
左が頭部側。

拡大
前方気門が幼虫時より目立つ。

羽化後の囲蛹殻
ノミバエの蛹は観音開きだけど、ショウジョウバエは上下に割れる感じ。
幼虫時の咽頭骨格が残っているのが判る。

さて、

ナカジロコガネショウジョウバエの幼虫が跳ねる動画。

跳ねる方法はカボチャミバエと一緒。
濡れているので跳ねる前段階で何回かコケてますが、最後に跳ねます。
ほぼワープ。
飼育容器の壁は4cmあるのだが、余裕で飛び越えていた。
ウジは6mmほどだから、身長の7倍以上を飛べることになる。

ヒマがあったらハイスピード動画撮りたかったけど、時間が取れず。。。

なぜこんな跳ねる行動を獲得したのか?

先週の記事の1枚目のキノコ写真に写り込んでいるスイカの種みたいなのはオオヒラタエンマムシ。
オオヒラタエンマムシはハエのウジが好物らしい。
他にもハネカクシにウジ好きな種類がいる。

ナカジロコガネショウジョウバエは他のショウジョウバエより一回り大きく捕食者にとっては食いでがあるように見える。
だから、成熟したらとっととキノコから離れて蛹化するのじゃなかろうか?

でもこんなのが近くに待機していたら、のろのろ這って移動するより跳ねる方が生き残りやすいと考えてみる。
ウジの口器は他の昆虫のように左右に動かずに上下に動くようになっている。
この構造もおしりに引っ掛けやすくて、跳ねる行動を獲得しやすかったんじゃないか?
なんて想像してみるのである。

となると短角亜目の他の科にも同様な行動をする種がいそうな気がするのだが、どうだろうか。


ではまた

2019年11月2日土曜日

キノコを食べるヌカカ

昨年の台風で倒れたエノキにキノコが生えていた。
2019.X.20
秋に来た台風で山が湿ったので出てきたみたい。
種類は???。
ニクハリタケとかサガリハリタケとかその辺り?
傘の裏が針状になるタイプ。

ひとつまみ持って帰ってタッパーに入れて時々見ていた。ら、
ヌカカ科 Ceratopogonidae gen.sp.
ヌカカの幼虫がうにうに出てきた。体長は約4mm。
種類はもちろん判らない。

ヌカカは水生の種が多いが、陸生の種類もいて
湿った枯れ木の樹皮下とかキノコで時々見かける。
腐葉土にも似たのがいるけど、陸生ユスリカのことが多い。

幼虫の顔

キノコをひっくり返すと蛹も出てきた。
蛹の側面
オニボウフラ(カの蛹)っぽい形ですな。

なぜかジッとしている幼虫がいた。
ピコプコ上下に屈伸していたので、ちょうど蛹化をはじめたみたい。

途中からだけど、動画撮ってみた。

しばらくしたら羽化が始まった。

成虫はこんな。

体長は約3mm。

♂側面
触角には長毛が生えている。
普通はフサフサに拡がっているけど、羽化後しばらくとか死んだりすると閉じちゃう。

♀側面
♀の触角には長毛はない。

ヌカカも刺す口を持っているが、ヒト刺咬性の種類は少ない。
蛾とか他の昆虫の翅に止まって翅脈から吸血しているヌカカは時々見ることがある。


ではまた

2019年10月26日土曜日

ヒメガガンボの翅脈図

この間のツイート。
タマバエは飛んで行っちゃったけど、ヒメガガンボは吸虫管で採集。

帰ってみたら、ちょっと、、イヤ、、だいぶん脚もげら状態だった。
なので前翅を外して翅脈図を作ってみた。
ヒメガガンボの1種 Thrypticomyia sp.
手持ちの図鑑を見て書き込んでみた。略号の説明は下記。
青線の大文字はじまりは縦脈、緑線小文字は横脈。
****************************************
C:前縁脈 costa
Sc:亜前縁脈 subcosta
Rs:径脈分枝 radial sector
1:第1径脈 1st radial vein
2:第2径脈 2nd radial vein
3+4:第3+4径脈 fused vein of 3rd radial vein and 4th radial vein
5:第5径脈 5th radial vein
1+2:第1+2中脈 fused vein of 1st medial vein and 2nd medial vein
3:第3中脈 3rd medial vein
4:第4中脈 4th medial vein
CuA:肘脈前枝 anterior branch of cubius
CuP:肘脈後枝 posterior branch of cubius
1:第1臀脈または第1肛脈 1st anal vein
M:M脈基幹 stem of media

h:肩横脈 fumeral crossvein
sc-r:sc-r横脈 subcosta-radial crossvein
r-m:r-m横脈 radial-medial crossvein
m-m:m-m横脈 medial crossvein
m-cu:m-cu横脈 medial-cubital crossvein

第1基室:br;1st basal cell;basal radial cell
第2基室:bm;2nd basal cell;basal medial cell
中室:dm;discal cell;discoidal cell
****************************************

先端付近前縁の肥厚部は縁紋という。
本種は肥厚部というより色がついただけに見える。
pterostigma = stigma : 縁紋

古い図鑑では以下の脈が〔 〕内で表現されていることがあるので注意。
M4=〔CuA1〕
CuA=〔CuA2〕
CuP=〔A1〕
A1=〔A2〕



ではまた

2019年10月19日土曜日

その日ばかりの命・・・は迷信。

ポータブルハードディスクの調子がおかしいので、
エラーチェック始めたら、全然終わらない。。。

それはさておき、
振り替え休日のお散歩で見かけた40㎝程の小ぶりなヘビ。
谷筋の湿った所で見かけるのはいつもジムグリだったけど、
腹面に市松模様がないので追跡。
ヒバカリでした。
噛まれたら「その日ばかりの命」で命を落とす、といわれて付けられた名前だそう。
実際は無毒のヘビで、性質もおとなしく、めったに噛むこともないそうだ。
水辺のヘビという意識があったので、ここにはいないと思っていた。
以前見た気もするが、意識して見たのは今回が初めて。
光の反射でウロコに虹様の幻色がでてナカナカ美人さんのヘビである。
カエル、オタマジャクシ、ミミズなどが主食とのこと。
ここいらだとミミズしか食べるものなさそう。

ではまた

2019年10月12日土曜日

齧る口と舐める口・・・ドウガネブイブイとカナブン

最近のネタがないので、ハードディスクの中を捜索。

パーツは同じだけど、用途によって形が変わってますね、
という話。

ドウガネブイブイとカナブンは同じコガネムシ科に属しますが、
成虫の食性がドウガネブイブイでは生葉を食すのに対し、
カナブンでは樹液を吸っています。

ドウガネブイブイの口

カナブンの口

基本構造はどちらも同じ。
だけど、ドウガネブイブイの小顎には立派な歯が付いている。
カナブンには歯がない代わりにブラシ状の毛があって液体を吸うのに適している。

大顎は見えにくかったので向きを変えて、
ドウガネブイブイ
サクサクと葉っぱを切り裂きやすそうなのが付いてる。

カナブンは判りにくい。
チマっとしたのが小顎の陰に隠れていた。

同じ樹液を吸うクワガタムシ科の大顎は、♀が朽木を齧って穴を開け産卵するため発達しています。
カナブンは腐葉土に潜って産卵するだけなので、大顎の使いどころがないみたい。

ではまた

2019年10月5日土曜日

アシナガサラグモ

ちょっと前の風のある日、クモのアベックがいた。
2019.IX.8
アシナガサラグモ Prolinyphia longipedella
クモのオスは小さいことが多いが、本種ではほぼ同じ大きさ。
体形は違うけど。

巣が風で揺れてキラキラ光っていた。↓ピンボケ動画。
ピントが合ってる動画よりピンボケの方が綺麗。
言い訳じゃナイヨ。。

この日は数か所でアベックを見かけたので1ペア拉致。

♀背面
アシナガサラグモ Prolinyphia longipedella 
♀腹面
お椀を伏せたような巣にぶら下がっているので
普段はこの模様が見える。

♀側面

♀外雌器

♀外雌器を横から。

♂側面
アシナガサラグモ Prolinyphia longipedella
♂の左触肢
例によって複雑怪奇。

オキシフルに漬けて膨らましてみた。
う~ん。。ややこしや。


ではまた