2023年1月28日土曜日

ため糞の主は?

急に寒くなって神戸南部にも雪が降ったり積もったり。

まあ、街中は一日で溶けますが。

そんなこんなでちょっと前の話。


新年明けて5日に久し振りに尾根筋を歩いてみたらあったもの。


ここはほとんど人が通らないルート。

通り道にたくさんのうんちが。

なんか獣のため糞を見つけた。

カキの種子やその他の植物種子が含まれているのが見て取れる。

ため糞と言えば、ワタクシ的にはタヌキしか思いつかないのだが、ここいらでは見たことがない。

そこで、


毛を含んでいるところを少し持ち帰ってみた。

ビョーキが怖いのでアルコールをぶっかけ、熱湯に漬けた上で獣毛を取り出した。


白黒マダラの毛があるが、タヌキのような焦げ茶の毛が出てこない。

これは、

やっぱり、

アライグマでしょう。

アライグマは去年お散歩中に見かけたし、

痕跡であれば2010年に見つけており、2014年には死体も見ている。

当時の旧ブログの記事↓ 

insectmoth.hatenablog.com

獣毛の顕微鏡像やキューティクル(毛小皮)のスンプ像の特徴が当時見たものと同じであった。

透過光での観察。

髄が直径の半分以上ある。

表面構造。

アライグマ Procyon lotor Cuticle

アライグマにもため糞の習性があったのね。

知らなんだ。

ではまた

2023年1月21日土曜日

ジャゴケに潜るコケハモグリバエの一種

今週は蔵出し画像。

この間見たツイートにこんなのが。

これによると、2022年11月、ZooKeysに以下の論文が発表された。

Diversity underfoot of agromyzids (Agromyzidae, Diptera) mining thalli of liverworts and hornworts.(足元にある、苔類とツノゴケ類に潜るハモグリバエ類の多様性)

37新種を含む全39種のモノグラフの大作である。

英文タイトルで検索すると、フリーダウンロードできる論文だったので、ちょっと斜め読みしていたら、以前お散歩コースで撮ったハエのような気がしてきた。

コレ↓
2018年5月27日
コケハモグリバエの一種 Phytoliriomyza sp.

5年前になるが、お散歩コースの谷筋2m×5mくらいの岩肌にジャゴケが生えており、その廻りをふよふよ飛んでいたいかにもハモグリバエな色のコバエだった。

拡大
コケハモグリバエの一種 Phytoliriomyza sp.
その論文によるとジャゴケに潜る種は15種(!!)あり、交尾器見ないと特定できない感じである。

論文にはすべての種に和名が提唱されており、ジャゴケに付く種類にはすべて「〇〇ジャゴケハモグリバエ」となっていた。
他にも「〇〇ツノゴケハモグリバエ」とか「〇〇ゼニゴケハモグリバエ」など寄主植物ごとに和名がつけられていた。
属和名はないので適当にコケハモグリバエとしておきます。

いくつか採集して標本箱にあるはずだけど、ちょっと交尾器を検討する時間がとれないので本記事では属どまりにしておきます。

以下、新鮮なうちに撮っておいた画像をいくつか。

側面
コケハモグリバエの一種 Phytoliriomyza sp.
腹端はミバエチック
メスですな。

頭部背面
コケハモグリバエの一種 Phytoliriomyza sp.
胸部背面
コケハモグリバエの一種 Phytoliriomyza sp.


おまけ。

その年の冬に撮ったジャゴケの潜葉痕。

たぶん本種幼虫の食痕である。


ではまた

2023年1月14日土曜日

ちょっと綺麗なウスマルヒメバチの一種、でもちっさい

虫の少ない季節なので、谷筋の藪をペシペシしながら歩いていたら見つけたヒメバチ。

ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.?
赤や黄色の模様があって綺麗だけど体長5mmとちいさい。。

側面拡大

ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.?
矢印は後体節第1節の気門の位置。かなり前方。

いつもは「Information station of Parasitoid wasps」のサイトで検索するのだけど、最近、神奈川県立生命の星・地球博物館のホームページに

「日本産ヒメバチ上科(膜翅目)の属への検索表」が発表されたのでそちらを参考にして検索してみた。

敵がちいさいし、ヒメバチ自体あまり数を見ていないので怪しいところがあるのだけれど、Tossinola属辺りではなかろうかと思う。

必要な検索キーを抜き書きすると以下の通り。

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ウスマルヒメバチ亜科 Banchinaeの特徴

触角鞭節は13節以上ある

前翅の鏡胞は菱形ではない

後体節第1節の気門は中央より前方に存在する

中脚脛節棘は2本

頭盾と顔面は多少とも溝で分割される

大顎は2歯をもつ

側方から見て後脚基節と後体節挿入孔の間は離れない

亜生殖版は腹端を超えることはない

前胸背板肩部に刺状の突起はない

後体節第2~5背板に三角形の溝に囲まれたエリアはない

中胸楯板に横皺をもたない

後翅に翅脈 discoidellaをもつ

頬上部にやすり状の歯を欠く

産卵管は先端に向けて細くならない

後体節第1節の気門は中央付近にはない

前脚脛節の背面先端に突起はない

亜生殖板の先端中央に切れ込みがある

前翅の2m-cu の透明域は1ヶ所

眼下溝を欠く

産卵管の先端背面に切れ込みをもち、下弁先端の鋸歯状の歯は存在しないか目立たない


Atrophini族の特徴

後体節背板に「八」の字型の溝はなく単純

後翅のNervellusは中央より下で折れる

後体節は上下に平圧される


Tossinola属の特徴

後体節第1節の気門は中央より前方にある

後頭隆起線の背方部は部分的に欠く

後頭隆起線の腹方終点は大顎基部から多少とも離れる

体は赤色や黄色部を伴う

前翅の鏡胞を欠く

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前翅の鏡胞は消えかかっている脈があるので、欠くと見たらTossinola属になるのだけれど、あると見たら Lissonota属の方になる。

むむむ 難しいぃ

日本産のTossinola属はリストを見ると、既知種はハレギウスマルヒメバチTossinola ryukyuensis 1種のみで、画像を見ると明らかに別種なので悩みどころ。

ウスマルヒメバチ亜科は確実と思うけど、Atrophini族はたぶん合ってるんじゃないかなぁ程度の気持ち。。

各部の拡大画像を貼って今週はおしまい。

胸部背面

ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.?
前胸肩部にトゲはない。


後頭隆起線

ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.?
後頭隆起線の背方は消失し、終点は大顎基部から離れて見える。

腹部背面

腹端腹面
亜生殖板の先端中央に切れ込みがあるの図

産卵管

先端背面に切れ込みがあるの図

ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.?
後翅の翅脈discoidellaがかろうじてある。

Nervellusdiscoidellaの位置で曲がってる。

前翅の矢印は鏡胞の位置。外側の翅脈を有ると見るか無しと見るかで、検索の進む場所がかわるのが困ったところ。

ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.?
大顎は2歯

顔、斜めから。

矢印は頭盾のライン

頭盾はツートンカラーに見える。


ではまた

2023年1月7日土曜日

虫コブで育つキクイムシの一種

正月5日にお散歩。

特に何が居る、と言うこともなく、、、

コバノミツバツツジ
コバノミツバツツジの枝先に虫コブらしき塊。
ツツジミマルフシとかしらん?

中身を観察するために持ち帰ってみた。

少しずつ削る。。

粉の詰まった小部屋が出てきた。

完全に木質化しており、異様に硬い。

茶色はタンニンの色だろうか。

さらに削ると、

幼虫と甲虫が出てきた。

タマバエ辺りが作る虫コブかと思っていたら意外なのが出てきた。

成虫背面

キクイムシ科の一種 Scolytidae Gen.sp.
虫コブを食べるキクイムシなんていたのね。

側面

キクイムシ科の一種 Scolytidae Gen.sp.
スケールは0.5mmなので、体長は約1.7mmほど。

同定できる気がしない。。

結局、虫コブの中から成虫2個体と幼虫5個体が入っていた。

虫コブを食べる特別な種類なのだろうか。

それとも、何でも食べる種類とか。


新年早々、不思議な出会いをしてしまった。


ではまた

2023年1月1日日曜日

2023年、今年も宜しくお願いします

卯年ということで、うさ耳っぽいの。

ナチキシタドクガ Ilema nachiensis

2023年、今年も宜しくお願いします

2022年12月24日土曜日

貰い物。ヤサイゾウムシ幼虫

お散歩コースでは中々新顔が得られない。。

なので自宅採集品でも。

「ハクサイになんかおった。」と娘から御恵与いただいた。

ヤサイゾウムシ Listroderes costirostris
手も足もないつるんころんとしたウジ虫だけど、頭だけはしっかりしている。

頭部。
ヤサイゾウムシ Listroderes costirostris

本種幼虫の特徴は気門の形。
ヤサイゾウムシ Listroderes costirostris

三日月型の気門輪にタラコ唇みたいな気門。

他の、例えばアルファルファタコゾウムシとかは前方後円墳と言うかキノコ型というかそんな形をしている。

ヤサイゾウムシは、1942年に岡山県下で最初に確認された南アメリカ原産の侵入害虫。雌のみの単為生殖で年1化。秋から春にかけて活動し、晩春から夏にかけて羽化した成虫は夏眠する。


ではまた


2022年12月17日土曜日

アゲハヒメバチ拡大画像

コロナワクチン5回目接種だん。

で、倦怠感に押しつぶされているので、

今年見た虫を貼るだけにしまふ。

2022年6月26日

アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀

梅雨時に、カラスザンショウの食痕部分を探索していた。ピンボケ、、

背面

アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator
腹面
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
胸部背面
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
胸部腹面
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
腹部背面、前の方。
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
顔面
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
顔、斜めから。
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
しゃくれてる感じの顔である。

胸部側面

アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
腹柄節側面
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
産卵管
アゲハヒメバチ Holcojoppa mactator ♀
体サイズの割りにとても短い。

付け根からでも1.4mmほど。


ではまた。