先週とタイトルが似ているが別の虫の話。
************************************
2024年4月13日タイトル変更
羽化して同定できたので。
************************************
3月最後の日曜日、倒木の上をぴこぴこ移動中のしゃくとりむしを発見。
 |
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク Timandra dichela Larva |
シャクガ科で、
背中に菱形模様が三つ、
第3胸節から第1腹節にかけて膨らむ、
あたりの特徴で図鑑をあたると、
ベニスジヒメシャク属Timandraの仲間であることは判った。
ベニスジヒメシャク属の成虫はこんなやつ↓。
2017年9月24日撮影
 |
コベニスジヒメシャク Timandra comptaria |
翅を拡げても3㎝ないくらいの小型の蛾。
ベニスジヒメシャク属は日本産6種。
いずれも似通っており、正確な同定は交尾器の観察を推奨、
でも草っ原に普通、
というめんどくさいグループである。
画像の成虫も交尾器を確認してある。(過去記事はこちら↓)
「コベニスジヒメシャクの交尾器」
同属内の幼虫はいずれもタデ科につき、色調に変異はあるが種を分ける特徴が見つかっていないため、同定するには飼育羽化させて交尾器を見る必要がある。
普通種なのに。
愚痴は置いといて。
幼虫側面
 |
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク Timandra dichela Larva |
矢印が第1腹節。
体長は2cm強。
道端でちぎったヒメツルソバを与えておいたが食べずに蛹化。
成熟幼虫だったようだ。
こんな時期に終齢幼虫ということは幼虫越冬なのだろうか。
年2回発生するそうなので、越冬態は適当な可能性が微レ存。
暖冬なので3回目が生き残ったのかも?
ベニスジヒメシャク属の一種、蛹背面
 |
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク Timandra dichela Pupa |
腹面
 |
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク Timandra dichela Pupa |
側面
 |
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク Timandra dichela Pupa |
全長約12㎜。
一見してモンシロチョウっぽい感じな蛹である。
容器に荒く糸を貼って、雑な感じで蛹化していた。
頭部に突起があり、糸が絡んでいる。
頭部腹面拡大
 |
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク Timandra dichela Pupa |
突起の拡大
鉤状の刺毛があり、荒い糸でも体を固定できるようにしている。
一般的な蛾の蛹にはない特徴である。
腹端腹面
腹端には他の蛹同様に鉤状刺毛があって、こちらでも体を固定している。
腹端の鉤状刺毛は幼虫時代の刺毛と相同で決まった数である。
頭部の刺毛は二次的なものであろう。
頭部に鉤状刺毛のある蛹はワタクシ的には初見だけど、他にもいるのかな?
蛹が無事に羽化したら種までの同定をする予定。
(羽化して同定できたけど、幼虫では区別できないから一緒か?)
ではまた