2024年4月6日土曜日

頭にトゲがある蛹・・・ウスベニスジヒメシャク

先週とタイトルが似ているが別の虫の話。

************************************

2024年4月13日タイトル変更

羽化して同定できたので。

************************************

3月最後の日曜日、倒木の上をぴこぴこ移動中のしゃくとりむしを発見。

ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク
Timandra dichela Larva
シャクガ科で、

背中に菱形模様が三つ、

第3胸節から第1腹節にかけて膨らむ、

あたりの特徴で図鑑をあたると、

ベニスジヒメシャク属Timandraの仲間であることは判った。

ベニスジヒメシャク属の成虫はこんなやつ↓。

2017年9月24日撮影
コベニスジヒメシャク
Timandra comptaria
翅を拡げても3㎝ないくらいの小型の蛾。

ベニスジヒメシャク属は日本産6種。

いずれも似通っており、正確な同定は交尾器の観察を推奨、

でも草っ原に普通、

というめんどくさいグループである。

画像の成虫も交尾器を確認してある。(過去記事はこちら↓)

「コベニスジヒメシャクの交尾器」

同属内の幼虫はいずれもタデ科につき、色調に変異はあるが種を分ける特徴が見つかっていないため、同定するには飼育羽化させて交尾器を見る必要がある。

普通種なのに。

愚痴は置いといて。

幼虫側面

ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク
Timandra dichela Larva
矢印が第1腹節。

体長は2cm強。

道端でちぎったヒメツルソバを与えておいたが食べずに蛹化。

成熟幼虫だったようだ。

こんな時期に終齢幼虫ということは幼虫越冬なのだろうか。

年2回発生するそうなので、越冬態は適当な可能性が微レ存。

暖冬なので3回目が生き残ったのかも?


ベニスジヒメシャク属の一種、蛹背面

ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク
Timandra dichela Pupa
腹面
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク
Timandra dichela Pupa
側面
ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク
Timandra dichela Pupa
全長約12㎜。

一見してモンシロチョウっぽい感じな蛹である。

容器に荒く糸を貼って、雑な感じで蛹化していた。

頭部に突起があり、糸が絡んでいる。

頭部腹面拡大

ベニスジヒメシャク属の一種
ウスベニスジヒメシャク
Timandra dichela Pupa
突起の拡大

鉤状の刺毛があり、荒い糸でも体を固定できるようにしている。

一般的な蛾の蛹にはない特徴である。

腹端腹面

腹端には他の蛹同様に鉤状刺毛があって、こちらでも体を固定している。

腹端の鉤状刺毛は幼虫時代の刺毛と相同で決まった数である。

頭部の刺毛は二次的なものであろう。

頭部に鉤状刺毛のある蛹はワタクシ的には初見だけど、他にもいるのかな?


蛹が無事に羽化したら種までの同定をする予定。

(羽化して同定できたけど、幼虫では区別できないから一緒か?)

ではまた

0 件のコメント:

コメントを投稿