2022年9月24日土曜日

そこいらの普通種が新種らしい・・・アリヒョウタンカスミカメ

日曜日にお散歩ネットに入った虫。

アリヒョウタンカスミカメ Pilophorus hyotan

カメムシ図鑑をみると、クロヒョウタンカスミカメPilophorus typicus のようで、西南日本では最も普通のヒョウタンカスミカメと書いてあった。
んだけど、ちょいと検索すると「区別できない近縁種がいる」などという物騒な文言がネットで見られたので、ちょっと調べ直すと以下の論文を発見。
「Reclassification of the plant bug genus Pilophorus in Japan and key to the genera and species of Japanese Pilophorini (Hemiptera: Heteroptera: Miridae Phylinae), pp. 1-40 in Zootaxa: 4942 pp. 12-16 (1).」
ずーたくさの論文は直接見れなかったけど、いろいろ検索したら他のサイトで読むことができた。
要約すると日本産Pilophorus属は再整理されて17種になり、クロヒョウタンカスミカメP.typicus は長崎以南の分布で、本州に産するものは別種で Pilophorus hyotan として2020年に新種記載された模様。
で、その論文には和名はなく、ツイッターの噂では後日アリヒョウタンカスミカメになったようだけど、出典は不明。
たぶんろすとりああたり?

腹面

アリヒョウタンカスミカメ Pilophorus hyotan

側面
アリヒョウタンカスミカメ Pilophorus hyotan

♂交尾器 endosoma、挿入器のことかな。
中央に枝分かれした細い突起は比較すると直線的とか。

♂交尾器 endosoma、先端にピント。

♂交尾器 、left paramere、左把握器のことかな。
S字型というか螺旋状に拗れたヘンテコな形。

♂交尾器 、right paramere、右把握器のことかな。
こちらは単純な形状。


ではまた

2022年9月17日土曜日

季節外れのトゲアリ♂

この間のぷらなりあ@趣味垢さんのツイート

そういえば以前お散歩コースでトゲアリ属の♂を採集して保留にしていたのがあったなぁ、と思い出した。

うちの近所のトゲアリ属Polyrhachisは、トゲアリP. lamellidensとチクシトゲアリP. moestaの2種がいるのは確認済み。

以前撮った画像を見たら、トゲアリの方だった。

以下、死体画像。

2019年11月23日、神戸市

トゲアリPolyrhachis lamellidens

秋も深まった11月下旬に1匹だけぽつんと葉っぱに止まっていたもの。

季節外れもいいとこ。

側面

トゲアリPolyrhachis lamellidens ♂

「日本産アリ類画像データベース」にある雄アリの検索でトゲアリ属には行き着いたけど、そこから先は調べられなかった。

えらく毛深いなぁ、と印象に残っていたもの。

チクシトゲアリの♂はこんなに毛深くないようだ。

いちおう、トゲアリ♂の翅脈


トゲアリ♂の顔


腹柄節を後ろから。

♀ほどではないけれど、トゲがある。


ではまた

2022年9月10日土曜日

触角無いとぱっと見判らん

涸れていた砂防堰堤の染み出し水が、このところの雨で復活していたので覗いてみたら、

はてナンジャロ?というのが歩いていた。

こんな水生甲虫いないよね、、と持ち帰ってみたら

クロテントウゴミムシダマシ Ades convexus
触角の欠けたゴミダマでした。

顔の辺り

複眼の辺りはゴミダマしてますね。

腹面

クロテントウゴミムシダマシ Ades convexus
後脚基節の間にラブルベニア生やしていた。

ゴミムシにはよくこの寄生菌が付いているのを見るけれども、ゴミムシダマシに付いているのは初めて見た。


むか~し採った触角のあるクロテントウゴミムシダマシ

クロテントウゴミムシダマシ Ades convexus
2012年8月に採ったもの。

昔のカメラなのでピントが回っていない。

触角があると、ゴミダマ?ってなりますな。


ではまた

2022年9月3日土曜日

アシブトコバチ科の1種

8月最後の日曜日、触肢、じゃない「食指」が動く虫がいない、、、

ハチがいた。


模様の無いアシブトコバチの一種。

お手上げである、が連れ帰った。

帰ってからググると「日本産アシブトコバチ科の再検討」(リンク先pdfファイル)というのがあったので、図だけ見ていったけどやっぱりお手上げだった。

以下死体画像。

背面

アシブトコバチの一種。

腹面


胸部側面

銀白色の毛が生えるが、斑紋はなし。

胸部背面

後脚側面

腿節下面は波曲して細かなトゲが並ぶ。

触角柄節をたたむ部分には横皺多数。

腹端から引っ張り出せたコレは♂の交尾器かな?

アシブトコバチの一種。♂交尾器

ではまた