2022年5月28日土曜日

ハネカクシの装甲など紙も同然(シオヤアブ談)

この間のツイート

このシオヤアブ、お散歩ネットで掬って獲物のハネカクシは横取りして帰った。

シオヤアブPromachus yesonicus はリリース。

そのハネカクシ。

コガシラハネカクシとかその辺の仲間だろうか。

ムシヒキアブの捕食って、節間膜の柔らかいところに「ぷすっ」と刺すのかな?とか漠然と思っていたのだが、、、

前胸背板になにやら不思議な点刻が。

拡大。

硬いはずの前胸背板におかまいなしにぶっすぶす。

穴の数は20カ所以上。

我が身に置き換えて想像すると○○ひゅんものである。

わざわざ人を襲うことはない虫だけど、うっかり手づかみして刺されたりすると激痛が走るそうだ。

ちなみにこのハネカクシ、消化液を注入されてフニャフニャであった。

展脚が容易で、大顎も簡単に開いた。


ではまた

2022年5月21日土曜日

カギモンキリガの幼虫

ブログタイトルから離れていってるので

いもむし成分追加。

ゴールデンウイーク中に谷筋のナワシログミで見つけた。

2020年5月1日

カギモンキリガ Orthosia nigromaculata

10㎜あるかないかほどの弱齢幼虫。

刺毛基板が黒くて大きいので小蛾類かな?とか最初は思った。

周囲に分散しつつあるようで、見る限り全部で30個体ほどいたと思う。

グミを食べる種はあまり見かけないので5個体ほど持ち帰る。

以前、寄生された幼虫がアサケンモンかも知れない、けど不明。ということがあったので、ひょっとしたらこれで正体判明するかも?

以前の記事↓

「ケンモンヤガから出たカモドキバチの1種」

とか思っていたら5日後の子供の日。

カギモンキリガ Orthosia nigromaculata
刺毛基板は大きいままで黄色い幼虫になってしまった。

まだ中齢幼虫だけど、手持ちの図鑑でカギモンキリガに決定。

オルソシアでは少数派のグミ類に固有の種類のようだ。

他の幼虫だと、一部の種を除いて成虫になるまで同定は不安だけれど、本種の場合は黄色の体色に黒の縦線、グミにつく、という特徴で幼虫でも同定可能な種である。

腹脚の鉤爪

鉤爪は同長の単列縦帯に配列する。

小蛾類はほとんど環状に配列するので区別できる。

5月15日

カギモンキリガ Orthosia nigromaculata
飼育はここまで。
平日に餌がなくなったので、夜陰に乗じて山のふもとのナワシログミの葉っぱを採ってきて与えたら、全滅してしまった。

高校の通学路にあたる場所なので、桜の消毒していたようだ。

一昨年枯らしてしまったナワシログミの鉢植えが悔やまれる。

まぁ正体は判ったからヨシとしよう。


おまけ

中齢幼虫の頭部(脱皮殻)

他のOrthosiaと似通っている。


ではまた

2022年5月14日土曜日

4月のムツトゲイセキグモ

ちょっと前、コナラの葉裏に鳥の糞らしきものがあるので引き寄せてみたら、、、

2022年4月24日
ムツトゲイセキグモ Ordgarius sexspinosus
投げ縄を使うクモとして有名な種がいた。

思わず連れ帰ってしまった。

管ビンに入れて3日後の4月27日、

脱皮した。

腹面に生殖器があるので、成体になったようだ。

日本のクモなどを読むと出現期が7~9月とあるので、かなり早いお出ましである。
東北の方とは生態が違うのだろうか?

正面

頭胸部の角がひときわ目立つ。

頭胸部の中心線に2本、後縁に沿って4本(画像では1本隠れて見えない)合計6本のトゲがある。
和名も学名もこの特徴を表している。

今日。
管ビンのまま、ショウジョウバエとかを放り込んでいるけど、なんか食べている感じがしない。

この間、連れ帰ってしまったオニグモの幼体は同様にしているが、器用に小さな網を張ってちゃんと食べて大きくなっている。

ナゲナワグモは特殊な捕食方法なので、安易な飼い方ではダメそう。。。

ということで明日、採ったところに戻そうと思う。

おまけ
昔採集したムツトゲイセキグモの♂。
体長2㎜弱。
これでも成体。
2008年3月9日の春早くの採集。
クモの掲示板で名前を教えて戴いたのが懐かしい。

この時はイレギュラーの発生かと思っていたけれど、、
今回♀も春にみられたので、神戸では(というか北と南では)発生消長が違うのかも知れない。


ではまた

2022年5月7日土曜日

アシブトコバチのよーなそーでないような

この間見かけたコバチ上科

2022年5月1日、神戸市

コバチ上科 Chalcidoidea

後脚腿節を見るとアシブトコバチ科なんだけど、他の部分が私の知ってるアシブトコバチと違うような気がする。

採集もできたので、ちょこっと調べたが、、、

解決する気がしなくなったので、ネットに放流することにした。

背面


腹面


側面

翅に模様あり。

胸部背面

にぶい金属光沢。

腹部背面

亀の子模様の印刻がある。

触角

先端から2節目に突起を持つ。


後脚側面

後脚腿節が立派でトゲがあるところはアシブトコバチっぽいけれど、腹部が背腹に扁平なアシブトコバチなんていたっけ?な感じ。


コバチ上科の1種ではあると思う。

あとは任せた。

ではまた