2018年9月29日土曜日

ナガマドキノコバエの1種

お散歩行けてません。。。。
ので過去画像より、9月17日。
昨年までヤノトラカミキリとかが発生していたエノキの立ち枯れ。
台風やら秋の長雨とかで白いキノコがべっとりと発生した。
このキノコを10㎝角ほど剥いでタッパーに入れておいた。

翌日、タッパーの蓋近くに
荒く糸を渡して蛹がぶら下がっていた。
そう言えば頭が黒くて体の白いウジがいた気がする。
写真撮ってなかった、、orz
3日後の9月20日。
ナガマドキノコバエの1種 Neoempheria sp.
羽化早っ!
8割がたナガマドキノコバエ Neoempheria ferruginea だと思うけど、ハエの掲示板とかを読むと未記載の近縁種がいるらしいので種の特定はやめときます。

成虫拡大、背面
ナガマドキノコバエの1種 Neoempheria sp.

同側面
ナガマドキノコバエの1種 Neoempheria sp.
ではまた

2018年9月22日土曜日

ムネビロスナゴミムシダマシ

今日は散歩で拾った虫を貼るだけ。
ムネビロスナゴミムシダマシ Gonocephalum japanum
ハイキングコースの真ん中を歩いている程度に普通種。

和名は日本産ゴミムシダマシ大図鑑(むし社,2016) で新称されたもの。
旧和名はスナゴミムシダマシ。あとミヤケスナゴミムシダマシG.miyakenseと言う伊豆諸島に分布する独立種とされていたものが、本種の亜種に格下げになったことから和名を改めたものだと思う。

裏面
ムネビロスナゴミムシダマシ Gonocephalum japanum
おまけ
頭盾の中央が凹んでいる。
枯れ葉でも食べるときのガイドみたいなもんかしら?
葉っぱを食べるいもむしの上唇も ω になってるしね。

ではまた

2018年9月15日土曜日

シロオビクロコケガの幼虫と蛹

9月2日に見かけた謎マユ。
谷筋にある地衣の生えた樹皮にあった米粒を一回り大きくした位の繭。
二つあったのでナイフで樹皮ごと削ってフィルムケースに入れて持ち帰った。

翌日。ケース内に蛹が転がっていた。
繭から転げ落ちたみたい。
もうひとつの方は、、、
ちゃんと収まっているけど、まだ幼虫である。
それも夕方見たら蛹化していた。
どうやらどちらも前蛹で採集してきた模様。
これらは2個体とも1週間後の月曜日に羽化した。
シロオビクロコケガ Siccia minuta
前翅長5mmのおチビさん。

繭の中の幼虫の模様から、現地の繭の近くにいた幼虫が本種だと判明。

これ↓
シロオビクロコケガ Siccia minuta 終齢幼虫
繭の中の幼虫脱皮殻を観察。
頭部
上唇(矢印)の切れ込みは浅い。
平面の地衣を食べるので、葉っぱを食べる幼虫のガイドの役割はいらないからかな?

腹脚の鉤爪
ヒトリガ科の腹脚鈎爪は異規的縦帯なのだけど、本種は小さいせいか
その特徴は微妙。
異規的縦帯については旧ブログの記事を参照。

背中のD刺毛の拡大
ギザギザはあるけど先端は尖っていない。
KOH水溶液でふやかしたせいか、先端の膜質部が膨らんでいる。
何か分泌しそうな雰囲気。
一目盛は0.025mmなので約1mmの毛である。

ではまた

2018年9月8日土曜日

マメキシタバの♂交尾器

日曜日にこれと言った生き物を見なかったので、
ハードディスクの中から1枚。
マメキシタバ Catocala duplicata
今年の7月1日に撮ったもの。
昼間の自然光で撮ったら樹皮に溶け込んでしまった。
一応言っておくと、中央に逆さに止まっています。
隠ぺい型擬態と言うやつですな。

なんとなく採ってしまったので交尾器を出して見た。
横から。左が腹部、右が先端側。
マメキシタバ Catocala duplicata ♂genitalia
図鑑みたいにファルス(エデアグス)を外してバルバを開いた状態が下。
マメキシタバ Catocala duplicata ♂genitalia
個人的にコガタキシタバと迷うのだけど交尾器の形は全く違う。
コガタキシタバの交尾器はみんなで作る日本産蛾類図鑑の姉妹サイト、
「Digital Moths of Japan」の以下のページ↓
「シタバガ亜科1」でコガタキシタバをクリックすると見ることができる。
全く違うことが判ると思う。


おまけ
マメキシタバの♀交尾器(8月の採集品)
マメキシタバ Catocala duplicata ♀genitalia
真ん中左上の地下足袋の指先みたいなのは第8腹板の先端。
ガイド的な役割があるのかな?

ではまた

2018年9月1日土曜日

カマキリみたいな後ろ脚・・・フタトゲマルズヒメバチ

カマキリと言うか、セミ幼虫の脚と言うか、
そんな感じのヒメバチがいた。
暑くて適当な虫がいない中、ふよんふよん飛んでは止まっていた。
こちらも暑くてダレているのでスマホで撮って採集。
展翅して6日、ひとまず撮影。
体長は11mmほど。
しっぽ(産卵管)は体長以上に長い。

黒一色のヒメバチなんぞ採っても同定できひんやん、と思っていたけど、
産卵管の長いのと後脚腿節にトゲが生えているので、
図鑑やらネットの画像などを漁って、どうやら
マルズヒメバチ亜科 Xoridinae Odontocolon 属らしい、
と言うところまで絞ることができた。
本属はネットのリストを見ると、日本産は4種ほど記録があるらしいが
どれとも一致しないので、ま~た未記載種か~
と諦めかけたところで、最近の文献を検索すると
「日本昆虫分類学会会報 JAPANESE JOURNAL OF SYSTEMATIC ENTOMOLOGY Vol.23.No.2」に本属の新種記載があるじゃないの。
読んでみると、本属が新たに2種記載されているうちの1種に一致。
Odontocolon bidentatum Watanabe,2017 
でありました。和名はなし。
2021年12月4日追記
和名付いてました。
フタトゲマルズヒメバチ


以下各部の画像。
側面
フタトゲマルズヒメバチ
Odontocolon bidentatum Watanabe,2017

フタトゲマルズヒメバチ

丸顔だけど、ヒメバチなんてみんなこんなもんだと思うけど、、

頭部、胸部側面
フタトゲマルズヒメバチ

胸部背面
フタトゲマルズヒメバチ

前伸腹節拡大
フタトゲマルズヒメバチ
よく見る亀甲模様ではないけど、後方にツノが1対。

後脚腿節
本種の特徴は大きなトゲの後方に鋸歯が並ぶこと。

記載文が英語なので流し読みしかしていないけど
図は一致してるので間違っていないと思う。

ではまた