ちょっと前に紹介した
♂もそのうち見られるだろう、
と書いておいたら採れました。
2021年12月26日
チビフタオヒメバチ属の一種 Stictopisthus sp. |
今年も閲覧ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
ではまた
今週も見た虫貼るだけ。
わたくし的に初見の虫。2021年12月12日撮影
クロフチャタテの一種 Aaroniella sp. |
おちゃたてむしさんのブログで見たことあるからだった。
2個体見たうちの1個体をお持ち帰り。
クロフチャタテの一種 Aaroniella sp. |
(上のリンク先はつくばリポジトリの該当ページ)
よりクロフチャタテ科の特徴を抜粋。
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跗節は3節
体翅に鱗片を装わない
縁紋は肥厚する
後小室は中脈と結合せず遊離する
後小室は細長くない
Cu1a脈とCu1b脈は翅縁近くで分離する
翅脈に毛がある
後翅の縁毛は径脈を超えて広範囲に生える
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翅脈
クロフチャタテの一種 Aaroniella sp. |
C:前縁脈,R:径脈,M:中脈,Cu:肘脈,A:臀脈
Cu1脈がほとんど翅縁で分岐しているため、Cu1b脈は無いに等しい。
Cu2脈は白いので判りにくい。
おまけ
顔
チャタテ類の鼻先?にある丸い膨らみは「後額片」と呼ぶそうな。ではまた
採った虫貼るだけ。
この間、お散歩コースをふよんふよん飛んでいたハチ。
生態写真はなし。
2021年11月21日採集
トゲマルズヒメバチ Odontocolon rufum |
全体写真は半分産卵管なのでよくわからない画像になってしまう。。
古いサイトには トゲマルズオナガヒメバチとなっているがこれは旧和名で、新しいサイトではトゲマルズヒメバチとされている。
背面拡大
トゲマルズヒメバチ Odontocolon rufum |
側面拡大
トゲマルズヒメバチ Odontocolon rufum |
翅
トゲマルズヒメバチ Odontocolon rufum |
前翅鏡胞は不完全(閉じない)。矢印の所。
これはマルズヒメバチ亜科Xoridinaeの特徴。
顔
横顔
大顎は2歯。後脚腿節
中脚径節
斜めの溝がある。おまけ。産卵管は返し付き
以前、同属別種を記事にしてる↓。
(当時は和名がなかったけれど、最近和名がついたようで改題しました。)
こちらもトゲ付き太ももの一族だけれど、
上記の種と違うところは、中脚径節。
トゲマルズヒメバチには斜めに溝が走っている。
フタトゲマルズヒメバチの中脚径節は通常の形である。
あとトゲマルズヒメバチに近縁な種にニッコウトゲマルズヒメバチがいるが、分布が北寄りのようなので違うと思うことにした。
ではまた
今週は採った虫貼るだけ。
山でときどき見かけるショウジョウバエ。
たぶんモンコガネショウジョウバエ Leucophenga maculata
側面
胸部は側面に白色斑があるが全体に微毛が生えているのか光の当て方で全体に白っぽくなる。顔
ショウジョウバエなので眼は赤いが、顔面はやたらと白い。
触角端刺には上向分枝と下向分枝があるのがショウジョウバエ科の特徴。ミギワバエ科にも分枝はあるが下向分枝をもたない。
♂の交尾器
ではまた
今年の1月の記事、
1個体の前蛹が春になっても夏を過ぎても変化がなく、死んでる様子もなかったのが、11月に入ってふと見ると蛹化していた。
色づいているので蛹化したのは10月下旬だろうか。幼虫を採集したのが昨年12月なので、ほぼ1年ぶりの変化である。
11月4日に羽化。
以前の記事で候補に挙げたうち、この色合いはキイロハバチかルイスカマルハバチの2種である。
羽化した個体の触角は頭幅の約1.3倍程度なので、触角が頭幅の2倍以上あるルイスアカマルハバチNesotomostethus clemati は除外。残ったのは、キイロハバチ Monophadnus nigriceps であるが、配色が微妙に異なる。で、
「日本産ハバチ・キバチ類図鑑 (北海道大学出版会、2020)」を見ると、図はなかったが、和名のない Monophadnus nigritarsis という種がいて、検索表でこの種に落ち着いた。
この種については「A New Species of the Genus Monophadnus HARTIG (Hymenoptera, Tenthredinidae) from Japan」で詳しく報告されており、国立国会図書館デジタルコレクションで読むことが出来る。(上記タイトルにリンク貼ってるので、クリックすると該当ページに行けます。)
羽化した個体の背面
キイロハバチ属の1種 ♀ Monophadnus nigritarsis |
キイロハバチ属の1種 ♀ Monophadnus nigritarsis |
キイロハバチ属の1種 ♀ Monophadnus nigritarsis |
翅
キイロハバチ属の1種 ♀ Monophadnus nigritarsis |
顔
キイロハバチ属の1種 ♀ Monophadnus nigritarsis |
胸部拡大
キイロハバチ属の1種 ♀ Monophadnus nigritarsis |
後脚の爪
キイロハバチ属の1種 ♀ Monophadnus nigritarsis |
図鑑の検索キーは
後脚の脛節と第1跗節の基半は橙黄色、爪は小さな内歯を持つ・・・・・・・・・・・
キイロハバチ M.nigriceps
後脚の脛節先端と跗節は黒色、爪は大きな内歯を持つ・・・・・・・・・・・
おまけ
産卵管
比較用に以前採ったキイロハバチの画像を貼っておきます。
背面
キイロハバチ♀ Monophadnus nigriceps |
胸部後半の黒斑は弱い。
側面
キイロハバチ♀ Monophadnus nigriceps |
腹面の黒斑は比較すると強く出る。
ちなみにルイスアカマルハバチ Nesotomostethus clemati では腹面は全体橙黄色である。
顔
キイロハバチ♀ Monophadnus nigriceps |
区別点の後脚の爪
キイロハバチ♀ Monophadnus nigriceps |
比べると内歯は小さい(切れ込みは浅い)。
ちなみにキイロハバチは春から秋まで見られるので多化性と考えられているが、M.nigritarsisは今回1例の飼育記録によると年1回秋に発生する種類だと思われる。
ではまた
いろいろ判明したので、ちょっと前の画像から。
2021年8月29日撮影
キスジツマキリヨトウ Callopistria japonibia |
シダはおそらくイワヒメワラビ。
拡大
キスジツマキリヨトウ Callopistria japonibia |
むか~し飼育したような記憶があったけど、久し振りなので拉致って帰った。
翌日には成熟して赤くなり、、、
終齢幼虫を持ち帰ると寄生率が高い。。。
で、9月下旬か10月はじめ頃に難解そうなアメバチが羽化した。
忙しいし、同定できないだろうと思ってしばらく放置していたのだが、いちおう写真を撮っておこうと出してみたら、以前紹介したハチと同種だった。
クロホシアメバチ Enicospilus nigropectus |
以前のクロホシアメバチの記事はこちら↓
同じ種類は出さない方針だけど、寄主が判明している例は少なそうなので記事に残しておきます。
とは言っても、キスジツマキリヨトウだけに寄生するわけではないと思う。
いろんないもむしに産卵して、繭を作る頃に食い尽くしていもむしの作った繭の中で、更に繭を作って蛹化するようだ。
石橋を叩いて渡るような性格してますな。
各部画像
頭部胸部側面
クロホシアメバチ Enicospilus nigropectus |
顔
クロホシアメバチ Enicospilus nigropectus |
翅脈
クロホシアメバチ Enicospilus nigropectus |
ではまた