2018年12月29日土曜日

マノヒメハマキは成虫越冬?

日曜日、お地蔵さんにフユシャクの♀でもいないかと見て歩いていると、
干乾びたヤモリの糞みたいのがくっついていたので、指でつつくと飛んで行った。。
幸い気温が低いのですぐそばの葉っぱに止まったところを撮影。
マノヒメハマキ Olethreutes manoi
横から、ピント廻ってないけど蛾ですな。
マノヒメハマキ Olethreutes manoi

12月も下旬になってキレイな状態のミクロを見たので持ち帰り。
マノヒメハマキ Olethreutes manoi
おなかは純白、首回りはほんのりピンク。

展翅前に1枚。
マノヒメハマキ Olethreutes manoi
小さい白斑が目立つ。

図鑑を見ると、成虫は4~5月に見られるが、11月にも記録があるので成虫越冬ではないかと推測されている。幼虫はアラカシの新葉を縦に巻いてるとか。

小さな蛾も成虫越冬する種類が結構いますが、
基本隠れているので目立たないけど、
たくさんいるんでしょうね。

おまけ
顔のアップ。
触角基部と複眼の間に単眼が見えます。

ではまた


たぶん来年。


よいお年を。

2018年12月22日土曜日

丸いのん

歩いているだけでは目新しい虫がいない。
仕方がなく落ち葉捲りなどをしていると
丸っこいのがいた。
日本産土壌動物第2版で絵合わせすると、
シママルトビムシPtenothrix denticulata にあたる種のようだ。

胴体前半正中線に沿って2本の縦筋があり、後半に2本の横縞が途切れ途切れの輪を形成するのが特徴とのこと。
模様は個体変異があるとか。
と言うか個体の左右でも違いますな。
検索表に沿うと、爪とか毛の本数とか感覚器とかを見る必要があるけど忙しかったのでズボラした。

トビムシ目 Collembola では腹部は6節に分かれるのが基本だそうだが、
体節の境界はマルトビムシ亜目では退化し、胸部と腹部の区別も判然としない。
体が球形のトビムシ目のうち、触角が頭部より短いものが
ミジントビムシ亜目 Neelipleona

触角が頭部より長いのが
マルトビムシ亜目Symphypleona である。
左の触角第4節の片っぽは失われている。
脱皮するときに再生するが中途半端でときがあるようだ。

ほっぺたはぷっくりしている。
矢印は跳躍器(ちょうやくき)で腹部後端から前方に伸びている。
跳躍器は腹部第4節腹面から伸びており、アヤトビムシ科では他の節より長くなる。
普段は腹部第3節腹面にある「保体」で跳躍器が固定されていて
保体が外れた瞬間に跳躍器が地面を蹴って跳ねる。

明るい処は嫌いなようで、コレもすぐにピンッと飛んでった。

おしり側
なんか顔が貼り付いてるみたい。

(゚ロ゚)

跳躍器が判りやすい?画像があった。
昨年の冬に腐葉土から見つけた子。
跳躍器は付け根から「柄節」、1対の「茎節」「端節」と続く。
たぶん ハケヅメマルトビムシ Papirinus prodigiosus だと思う。
眼の間のおでこに1対のコブ状隆起がある。

ではまた

2018年12月15日土曜日

コキアシヒラタヒメバチ

ネタが無いのでちょっと前(11/25)になんとなく採ったヒメバチを調べてみる。

例によって以下のサイトで総当たり(素人同定)
「日本産ヒメバチ目録 Check list of Japanese Ichneumonidae」
「Information station of Parasitoid wasps」で絵合わせ同定した結果、

コキアシヒラタヒメバチ Apechthis capuliferaのようだ。
産卵管が短く見えるが、付け根から見ると の長さがあるのでそこそこ。
後脚付節より長いくらい。

ヒラタヒメバチ亜科 Pimplinae に属する。

上記サイトから Aphectis 属の特徴を抜き書き。
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頭盾は溝で顔面と区分され、先端半分が薄くなる
中胸盾板はなめらか
腹柄節の気門は中央より前方にある
側板溝はほぼ直線
体色は黒色
体はツヤがないか鈍いツヤがある程度
爪の基部は幅の広い付属歯を持つ
産卵管の先端は著しく下方に曲がる
*********************************************

以下拡大画像。胸部背面、ツヤはない。

顔。矢印が顔面と頭盾の境い目の溝。この溝から触角までが顔面。
溝から下が頭盾。頭盾下方は薄っぺらく見える。
複眼に模様があるのは乾燥して中が剥離したから。生時は黒い。


青矢印が中胸の側板溝。緑矢印は腹柄節の気門位置。
腹柄節と言うか腹部第1節、と言うか前伸腹節があるから正確には第2腹節。
上のヒメバチサイトでは見かけの腹部を「後体節」と呼称している。

爪基部に幅広の板状の付属歯、爪間体が爪の間にあるので付属歯が判りにくい。
写真の腕が無くてすまぬ。

下方に曲がる産卵管の拡大。ギザ歯付き。

Apechthis 属はリストによると日本産5種。
すべての画像は無いが模様と産卵管の長さがよく一致するので
間違いないだろう。
本種は寒冷地では後脚腿節はしばしば黒化するとのこと。
普通種で、おもに鱗翅目の蛹に寄生するそうな。

秋口から初冬にかけてよく見かける気がするので
越冬蛹を探して飛んでるのかな?

ではまた

2018年12月8日土曜日

ノミバエの生態は多種多様

しばらく前のツイート。



ホコリタケの中にはシバンムシの仲間とか専門の虫が潜んでいるので
ひと月後の11月4日に持ち帰ってみた。
煙のような胞子が出るので換気扇のもとで篩い分け。

なんかノミバエ科の1種がわらわら出てきた。

翅脈
ノミバエ科というのは翅脈が独特なのですぐ判る。
一緒に蛹の殻も多数出てきたのでホコリタケで発生したものと思う。
ノミバエ科の囲蛹殻
ノミバエ科は終齢幼虫の皮膚が硬化してその中で蛹化する。
羽化するときは頭部が外れて胸部背面が観音開きになって出てくる。
再現するとこんな感じ。
クリオネじゃないよ。
囲蛹と幼虫の違いは前胸気門が角状に飛びだすところ。
こういう角の出る囲蛹は他にも見られ、例えばアリスアブもそうだったはず。
ノミバエって外観の違いが少なそうで種までたどれる気がしない。
一応♂の腹端部はこんな。

ノミバエって下水や野菜くずの腐ったのから出てくる種類もいるし、
キノコに付くのもいるとは知らなかった。

以前、ハキリバチの巣から出てくるのも見たことある。
これは労働寄生になるのかな。

あと話に聞いただけだけど、アリに寄生して最後に首をチョン切って頭部を落とし、
その中から羽化してくる種類もいるそうな。

お散歩コースで他には、、、2015年の11月、
こんな石垣の陰にあるツリガネヒメグモの1種の古巣を持ち帰ったら、
ノミバエがいっぱい詰まっていたことがあった。
ただし囲蛹殻とか生息痕を見た記憶が無いので単に集合してただけかも?

あと、旧ブログでは土壌性の巻き貝に捕食寄生してるやつとか、↓
「黒い角」

上のは上司によるとすべてMegaselia属の1種らしい。
世界に1000種以上いるとのこと。
ものすごく適応放散してますな。

ほかに何やってるか判らないけど、無翅のノミバエとか。↓
「手持ちの材料で何かやってみよう」
腐葉土篩ったらたまに見るけど、無翅なのは全て♀。
♂が交尾しながら飛んで運んでるところを想像してる。

ではまた

2018年12月1日土曜日

キノコの下にコバネアシベセスジハネカクシ

いろんな虫を数年にわたって見せてくれたエノキの倒木。
日曜日に見ると柔らかいキノコがモロモロになっていた。
いつもはキノコショウジョウバエの仲間がたかっているのだが
今回はそれより小さい1.5mmほどのまっ黒けのハエだらけだった。
落ちたキノコにたかるハエを吸虫管で吸って帰ってみると、
フンコバエ科の1種 Sphaeroceridae gen.sp. 
後脚の第1附節が太短いのでフンコバエ科なのはすぐ判る。
それ以上追及する時間が無かったので詳しい種類は判らず。
一応♂の腹端部はこんな。

さてそのキノコをひっくり返すとスリムなキノコハネカクシに混じって
へんてこなハネカクシがいた。ハエのウジに集まってきたのだろうか。
2.5mmほどのちいさいの。左が♂で右がたぶん同種の♀。
頭でっかちでカッコいい。
最初ネットで聞きかじったオオズウミハネカクシ!?とか思ったが、
そんなのが枯れ沢の砂防堰堤の砂地にいるわけがない。
で、保育社の甲虫図鑑をパラパラめくっていくと
ルイスセスジハネカクシ Anotylus lewisius によく似ている。
そこら辺からネットを当たると以下のページを発見。
「今坂正一とE-アシスト;紛れ種3種にご注意」
これを読むと後翅が飛べない程度に退化した、
コバネアシベセスジハネカクシ Anotylus amicus 
と言うのがいるらしい。

上翅を捲って確認。
イチョウの葉っぱみたいな小さな後翅。
確定して良さげ。
おまけで♂交尾器を横から。
本種はなんでも1990年代以降、急速に増えてきたようなことが書いてある。
飛べないのに?
ちっちゃいから飛ばされてきたのかな?
ハネカクシに興味を持つ人が増えただけだったりしてね。。。

蛇足、ルイスセスジハネカクシは「日本産ハネカクシ総目録」で
ルイスツヤセスジハネカクシ に和名改称されている。


ではまた

2018年11月24日土曜日

カシワキボシキリガの♂交尾器

日曜日のお散歩で見掛けた蛾。
カシワキボシキリガ Lithophane pruinosa
初冬に見かけるキリガの1種。
キボシはどこ?
腎状紋の内側が微妙に黄色いところかな?

これだけだと何なので、2012年に交尾器の写真を撮ってるのであげておく。
6年も前なのでいつもに増して適当な画像なのはご容赦。。

横から
いつもはファルス(エデアグス)は外すのだけど、
手抜きでベシカ(内袋)の反転も出来たのでそのままにしたらしい。

バルバを展開した状態。

ベシカ(内袋)の拡大


ではまた

2018年11月17日土曜日

ナカオビキリガの♂交尾器

日曜日の散歩で以下の現地ツイート。



ぼーっと白斑無いタイプかな?とツイートすると
1時間ほどで蛾ガチ勢の川北氏より「ナカオビじゃねーです?」
と間違い指摘。

ツイッター便利。。。

再掲
ナカオビキリガ Dryobotodes intermissa
帰りに見たらまだいたので拉致して帰った。
ナカオビキリガ Dryobotodes intermissa
交尾器。ファルスを外してバルバを開いた状態。
ナカオビキリガ Dryobotodes intermissa ♂genitalia
ファルス(エデアグス)。ベシカ(内袋)を反転した状態。

ナカオビキリガの幼虫と♀の交尾器は、旧ブログのここで紹介済み↓


♀の交尾口を見るとカチッとハマる感じがする。

ではまた

2018年11月10日土曜日

眼の無いムカデ

こないだの散歩で土ほじくり返したら出てきたムカデ。
アカムカデ Scolopocryptops nipponicus
アカムカデ科 Scolopocryptopidae に属する。

この科は以前メナシムカデ科 Cryptopidae の1亜科だったものが科に昇格したようで、旧版の「日本産土壌動物(1999)」では亜科だったものが「日本産土壌動物 第二版(2015)」では科の扱いだった。

検索表から特徴を抜粋。
歩肢が21対から23対(オオムカデ目 Scolopendromorpha
眼がない(眼があるのはオオムカデ科Scolopendridae)
このうち、
歩肢が23対で最終歩肢の前腿節腹面に棘突起がある…アカムカデ科
歩肢が21対で最終歩肢に棘突起はなく脛節と付節下面に鋸歯がある…メナシムカデ科
図鑑を見るとメナシムカデ科は小型で20mm前後の種類のようだ。
アカムカデ科は40mm以上の種類で図鑑には日本産8種とのこと。
種アカムカデの特徴は体長60mmに達する、背板に縦線がない、最終歩肢に密毛がない、などで他種から区別できるとのこと。

アカムカデの頭部
オオムカデだと矢印の位置に個眼が4対ずつある。
触角は3節目から密毛が生える。

腹端辺りを仰向けから
丸の中が最終歩肢の棘突起。最終歩肢の基節にも棘突起がある。
最終歩肢には密毛が生えていないのも本種の特徴。

アカムカデの気門
気門は丸い(矢印)。気門は全ての体節にあるわけではなく、
第3,5,8,10,12,14,16,18,20,22節に開口している。
オオムカデ属の気門は細長い三角形をしている。

おまけ
ムカデと言えば、咬む!毒!ということで頭部腹面
一番目立つのは、やはり牙。
脚が変化したものなので「顎肢」と呼ぶ。
中央に隠れるように見えている黒いのが大顎。

ではまた

2018年11月3日土曜日

ご近所のニクバエ・・・シリグロニクバエ

旧ブログから続くご近所のニクバエシリーズ?
旧ブログの関連記事↓
「ご近所のニクバエ」ツシマニクバエ、ホリニクバエ
「ご近所のニクバエ、追加」ゲンロクニクバエ
「イケメンニクバエ・・・・ゼニゴギンガクニクバエ」

日曜日に交尾中のハエを見つけたのでスマホでパチリ。
下になっている♀の方が小さい。
ここら辺(体の大小)は幼虫時の栄養状態で大きさが変わるのでたまたまだろう。

で確保。馬乗りになってた方の♂。
胸背の黒線が奇数(中央の1本から始まる)なのは ほぼニクバエ科。

♂側面
腹端を引き出して交尾器を見えるようにしておく。

♂交尾器側面

ネット上の「みんなで作る双翅目図鑑   画像一括閲覧ページ 」とか
手持ちの「実用麻蝿彩色図鑑(実用原色ニクバエ科図鑑)2016」で見ると、

シリグロニクバエ Sarcophaga melanura と一致。

ニクバエの中では割りとあっさりした形の交尾器。
斜め下からの構図
ハエの第5腹板は、交尾器の形状とともに重要視される。

♂交尾器下から

♂の顔あたり

おまけ
♀の標本を作るときにおしりを柄付き針でつついていたら、、
ウジ(幼虫)が出てきた。

知ってる方も多いと思うがニクバエ類は卵胎生の種類が多く、
おなかの中で発生が進んで直接ウジを産み落とす。
腐敗の早い栄養たっぷりのお肉とか、自然界では競争率高そうなので、
幼虫を直接産めた方がいいでしょうね。

まじめに採集していないせいで、いまだに図鑑によく出てくるセンチニクバエを確認したことがない。。。


ではまた