当初、ケブカハナカメムシとしていましたが、鶉亀虫氏のご指摘により、ケシハナカメムシが正解でした。以下訂正しておきます。
不思議な模様のガラス細工、
直径は0.12mm。
2月の中旬ごろ、風が強かった週のお散歩で爆ぜなかったフジの莢がいくつか落ちていたので、持ち帰ってタッパーに詰めておいた。
普通は爆ぜて捻じれて落ちているものだが、ダイズサヤムシガ辺りに食害を受けた莢は爆ぜずに落下しており、なにかいるかも?としばらく置いておいた。
ダイズサヤムシガは成虫越冬なので本体はいないだろうが、なにか別のお客さんがいるかもと思ってのこと。
昨年拾った一本のフジの莢からヒラズオオアリやらナミホコリダニ、ムシクイコナダニなど、ブログネタをひねり出せたので、再度の棚ぼたを期待したものである。
4月に入ってちらっと見ると、
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ケシハナカメムシ Cardiastethus pygmaeus Egg |
カビてしまった莢の上に真っ赤な卵を見つけた。
大きさは長さ約0.5㎜と小型。
卵の右側は切り取ったように平面になっている。
平面の部分は円形でまるで蓋のようになっている。
矢印の白いのはすでに孵化した卵殻。
冒頭の画像はその蓋の部分である。
このタイプの蓋付き卵はカメムシと相場が決まっているので、莢を割って捜索。
いた。
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ケシハナカメムシ Cardiastethus pygmaeus |
卵と同じ色の赤い幼虫。
横から
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ケシハナカメムシ Cardiastethus pygmaeus |
よく見たら、卵の蓋をつけたまま歩いていた。
成虫もいたので確保。
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ケシハナカメムシ Cardiastethus pygmaeus |
腹面
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ケシハナカメムシ Cardiastethus pygmaeus |
ケブカハナカメムシ倒木や立ち枯れの樹皮を捲ると大概いるヤツである。この仲間はカメムシ図鑑では日本産1種となっている。そんな訳ないだろう、と思うが現時点では1種なのでそうしておく。ケシハナカメムシは枯草や朽ち木の樹皮下などに普通にみられる。
2㎜弱の益虫でも害虫でもない虫なんて誰も調べないでしょうし。。
あ、ハナカメムシのくくりで言えば、農作物のアブラムシやアザミウマを捕食するヤツもいるので、天敵として調査されている種類はいる。
さて、卵をじっくり見るのは初めてである。
蓋にこんな模様があるとは知らなんだ。
卵の器の方。
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ケシハナカメムシ Cardiastethus pygmaeus |
ぺらっぺら。
蓋の接続部分の拡大。
細い骨組みに薄い膜が張っている。
孵化するときは卵殻破砕器という楔(クサビ)状の器官を使って蓋をこじ開けて出てくる。見たことないけど。
本体の表面には蓋にはない乳頭状の突起がびっしり生えていた。
カビ除けとか防水とかの機能でもあるのかしらん?
ではまた