2020年12月5日土曜日

触角が櫛状のアリガタバチ

日曜日のお散歩で見かけた、ちっちゃいハチ。

2020年11月29日

老眼でぼんやりとしか見えないが触角が変なので確保。

めっきり寒くなったので逃げられることがなくてよい。

側面

クシヒゲアリガタバチ Epyris formosus
背面
クシヒゲアリガタバチ Epyris formosus ♂

「日本の昆虫Vol.1 アリガタバチ科(日本昆虫学会編.2006)」によると、日本のアリガタバチ科で櫛状の触角をもつ種は少なく、クシヒゲアリガタバチ♂とエダヒゲアリガタバチ♂の2種のみである。いずれも♀の触角は糸状。

クシヒゲアリガタバチの触角は触角第2節と3節はリング状で小さく、4節から12節が櫛状であるのに対し、

エダヒゲアリガタバチ Epyris pectinatus では触角第3節から11節が櫛状で12節と13節が円筒状であることで区別できる、とある。体長もエダヒゲは2.5~4㎜と小型である。

本種はアリガタバチ科 Bethylidae ヒメアリガタバチ亜科 Epyrinae ヒメアリガタバチ属 Epyris に属する。

上記の文献から、

ヒメアリガタバチ亜科 Epyrinae の特徴を抜き書き

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前伸腹節の後側縁に突起がない

腹部第2節が大きく発達することはない

複眼は大きくその直径は頭幅の0.3倍以上

基脈は単純で別の翅脈が派生しない

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で、ヒメアリガタバチ属 Epyris の特徴は

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触角は13節

頭盾前縁は中央で大きく突出する

径脈Rは基脈Bより長い

中胸背縦斜溝は明瞭

基脈Bは亜前縁脈SCの先端に接続する。

小盾板前縁には1対の小孔がある

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などなど。

各部を拡大してみる。


SC:subcosta 亜前縁脈

PS:pterostigma 縁紋

PRS:prostigma 亜縁紋

R:radial vein 径脈

B:basal vein(Rs & M)基脈

※本種には亜縁紋はほとんどないので括弧つきにした。

顔面

触角間から前方が頭盾。

触角第2節と3節(②と③)は短い。

胸部側面

細腰亜目(ハバチ・キバチ以外のハチ)では第1腹節と後胸が融合しており区切りが判りにくいが、背面が腹部の名残で前伸腹節と呼び、それ以外が後胸の名残であるようだ。

胸部背面

いろんな印刻があってカッコよし。

おまけの胸部腹面


ではまた

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