2020年12月12日土曜日

ササハモグリバエとそうじゃないやつ

お散歩コースは六甲山系のはじっこなので
ネザサがたくさん生えている。

で、よく見るのが葉潜り虫。
英語で言ったら Leaf miner

この間見たのはこれ。
2020年11月29日

葉潜り虫は蛾、ハバチ、ハエ、甲虫といろんな分類群で見られるが、頭も脚もなく「口鉤」というかぎ状の大顎しか見えないので、ハエ(双翅目)の幼虫である。
この時期はネタがないので何となく持ち帰ってみた。
ササハモグリバエ辺りかなと思っていたら、この間脱出して囲蛹になったのを見てアレっとなる。
前後に突起がある寸詰まりの囲蛹。

数日後に見ると角まで生えてきた。
なんだこれ?

角が生えてくる囲蛹にはアリスアブとかノミバエで見られるけれど、ハモグリバエにそんなのいたっけ?

画像フォルダを探したら、今年2月にもササに潜るウジを撮っていた。
2020年2月2日
ササハモグリバエ Cerodontha bisetiorbita ?

こちらは葉の中で囲蛹になっており、つるんとした俵型。
こっちがたぶんササハモグリバエ Cerodontha bisetiorbita 

最近撮ったほうはハモグリバエ科であるかすら怪しくなってきた。

無事羽化したら続報書きます。

2月の方は撮っただけで採ってないので、こちらも真相は不明。
なんでも採っとかなあきませんな。。。

ではまた

4 件のコメント:

  1. 興味深く拝見しました。今回採集された”角”の生えた囲蛹はハモグリバエ科のAgromyza属の一種です。北海道で何回か採集したことがありますが、本州では採集歴がありません。”角”はProthorakalhoernerと呼ばれているもので、私の経験では蜂の寄生を受けない健全な囲蛹に見られる(一部の種で)もののようです。2月に見られているのは恐らくbisetiorbitaでしょう。ただし、九州でマダケ属からunisetiorbitaという種が記載されており、両者は近縁なのでこちらの可能性もあります。上述のように本州産の個体を見たことがないので、もし差支えなければ観察後の標本を見せていただけないでしょうか。

    返信削除
    返信
    1. Iwasaki様、コメントありがとうございます。角は前胸角で良かったんですね。幼虫の前胸気門と全く違う位置に生えているので戸惑いましたが囲蛹の中の真の蛹から生えたものと納得しました。
      マダケにつく種は最近の記載で日本昆虫目録にも載ってない種で把握しておりませんでした。残念ながら2月の種は撮影のみで採集しておりません。気に留めて次回から採集しておきます。

      削除
    2. マダケの種はunisetiorbita Zlobin, 1993, Zoosyst. Rossica, 1: 125 [Kitakyushu, Kyushu (Type loc.)].というものです。bisetiorbitaは国内で何回か採集していますが、こちらの種は見たことがありません。なお、17日に「本州で採集歴なし」と記したのは今回ご紹介いただいているAgromyza属です。恐らく未寄生の健全個体なので、休眠後かもしれませんが羽化可能かと思います。もし羽化個体が得られるようでしたらぜひ拝見させてください。

      削除
  2. Iwasaki様、詳しい情報ありがとうございます。Agromyzaは保管しておりますので、もし羽化したらお知らせしたいと思います。失礼ですが長沼町の中央農業試験場でしょうか。連絡先は以下のアドレスにメールしていただければと思います--> acleris(アットマーク)gmail.com 

    返信削除