2016年9月17日土曜日

落ち葉のちび毛虫。

8月下旬に採ってタッパーに詰めていた腐葉土の落ち葉が糸で綴られていた。
あ~何かいもむしがいるなぁ、と思っているうちに小さな蛾が羽化。


カクバネヒゲナガキバガ Lecitholaxa thiodora

幼虫撮影しそびれてしまった。
仕方がないので脱皮殻を探す。
あったあった。

カクバネヒゲナガキバガの蛹殻と終齢幼虫の脱皮殻


カクバネヒゲナガキバガ類の幼虫は小蛾類には珍しく
二次刺毛が発達した毛虫である。
腐葉土の落ち葉を見てるとたまに見かけるが、写真撮ってなかった。。。

蛹にも特徴があり、腹部の気門がかなり突出している。

蛹の腹端部
薄い繭を作って蛹化するが、尾突起には固定用の鉤状刺毛が並ぶ。

腹部背面の第4節と5節の間にトラバサミ的な構造がある。

腹端部を斜め下から。
腹部の8・9・10節は癒合しているので境い目がわずかに判る程度。
肛門は必ず第10節に開口するが、生殖口の位置は雌雄で異なる。
画像のように第9節の生殖口が、第8節にずれこむように開口しているのは♀。
♂は普通に第9節に開口している。


「日本の鱗翅類」にはヒゲナガキバガ類の幼虫が数種記載されているが、
腹脚の鉤爪数はキベリハイヒゲナガキバガで30本前後、
カクバネヒゲナガキバガでは40本前後、クロカクバネヒゲナガキバガでは22本前後、
オビカクバネヒゲナガキバガでは20本弱・・・

等々。
蛹の気門はいずれも突出するが、他種ではやや突出する程度で、
カクバネヒゲナガキバガのようにかなり突出する種類は今のところ他には無いようだ。
いろいろ詳しく記載されているので興味のある方は読まれるとよいだろう。

ではまた

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