2018年4月7日土曜日

ヒラタアシバエの幼虫

3月最後の日曜日
モチノキかシイの木あたりの倒木にキノコを見つけた。
近づいてみる。。。
アラゲカワラタケだろうか?
5mmほどの俵型のおむすびがいっぱい。
キノコからにょきにょき生えて、
地面にも多数が落ちていた。

虫だろうけど正体に見当がつかないので当然持ち帰る。

早速一部を分解。
白いウジ虫が入っている。
ウジ虫を引っ張り出す。
巣?の底には穴が開いている。
ウスタビガの繭にも似たような穴があったな?
コレも繭かな?

幼虫の拡大、背面。
左が頭部。右側に後方気門(posterior spiracle)が1対。
同腹面。
ナメクジみたいな角、、、だけど、突出した前方気門(anretior spiracle)だろうね。
幼虫頭部腹面
大顎は左右に開閉するタイプではなく、手招きするように前後に動く。
大顎の動きと気門、脚と頭殻が退化していることから、双翅目、
それも糸角亜目(カの仲間)ではなく、短角亜目(ハエの仲間)と判る。
腹端部
後方気門(posterior spiracle)の先、腹端部には1対の突起がある。

4月2日に羽化が始まった。
翅を伸ばしかけた状態。この8分後、
翅を伸ばしきった。
後脚付節が平たいので ヒラタアシバエ科 Platypezidae である。
画像は♀なので複眼は離れている。

♂の複眼は大きく、複眼同士が接している。
♂は葉っぱの上でクルクル走り回っているのをよく見かけるハエである。

頭だけ飛び出した羽化後の殻
ハエの仲間は幼虫の殻がそのまま硬くなり内部で蛹化するので「囲蛹」と呼ぶ。

別の蛹室から囲蛹を取り出して撮影。
囲蛹の背面
囲蛹の側面
囲蛹の腹面
体型が少し変わるだけで、当然幼虫と同じ形である。

新訂原色昆虫大図鑑3巻(北隆館、2008)にヒラタアシバエ科日本産7属の検索表があるが、何かしっくりこないので、「Manual of Nearctic Diptera vol.2」のヒラタアシバエ科で見ると、Polyporivora属が翅脈と幼虫形態で合致した。
本属の成虫の特徴は、
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中室(m-m横脈)がある(旧図鑑ではm-cu横脈)
中剛毛を欠く
M1、M2脈が分岐する
cua室は長く、CuA+CuP脈(旧図鑑ではA1脈)の2倍以上ある
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この属は手持ちの図鑑類や日本昆虫目録第8巻双翅目(2014)でも載っていないので、正式な同定済みの記録は無いようだ。

でも検索すると、同種の画像は「虫をデザインしたのはダレ?」で
2012年11月の記事「ヒラタアシバエ科(Polyporivora sp.)♀」に紹介されている。
ので、みんなが知ってる未記載種、なのだろうと思う。
例によってマイナー分類群あるある。。。

成虫画像。

♀成虫背面
体長、前翅長とも約4mm。
黒地に粉白色の斑紋がある。

♀成虫側面
♀成虫腹面

♂成虫背面
♂はうって変わって全身つや消しブラック。
♂成虫側面
後脚付節の扁平率は♀より弱い。
複眼は大きく、下半は暗色傾向。
本属かどうか判らないが、野外で見る♂は下半はもっと暗色である。
羽化して間もないから色がついてないのかも。

♂成虫腹面


おまけ 
ヒラタアシバエ科Platypezidae Polyporivora属の翅脈図

幼虫のおしりを向き替えてみる、、、
どこかの映画のマシュマロマンを思い出した。
パッチリお目々。(目じゃないよ、後方気門)

ではまた

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