2018年4月28日土曜日

クリハムグリハバチ

日曜日、コナラの葉っぱに飛んできた小虫。
クリハムグリハバチ Profenusa castaneivora
うろうろ~うろうろ~しながら主脈付近に行くと
廻れ右して腹端を押し付ける仕草をしていた。
たぶん産卵。風でユラユラしてる中撮ったのでピンボケである。
とても小さいハバチだった。
採集して調べたらクリハムグリハバチのようだ。

蛾やハエの場合はハモグリだけど、ハバチの和名はハムグリである。
意味は一緒だけどなぜなのか?
それはさておき背面
クリハムグリハバチ Profenusa castaneivora
腹面
脚が黄色以外はほぼ黒一色。
体長は約3.5mm。ちいさい。

産卵管

ハバチ科からハムグリハバチ亜科Heterarthrinae を区別する特徴
(環境アセスメント動物調査手法16のハバチ・キバチの検索を参照した。)
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基脈と肘脈は亜前縁脈上のほぼ1点で接する
径横脈を持つ
第1・2反上脈は別の肘室につながる
触角は9節
基脈は第1反上脈と平行にならず、縁紋方向に狭まる。
肛室は翅縁方向に1室のみ(例外あり)
肛室基部の脈は先端が2分しない
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以前紹介したナメクジハバチCaliroaなどは肛室が2室ある。

前翅拡大
いろんな図鑑等の解説を見ると外縁部では中脈となっているのに付け根の方は肘脈とある、、、
中脈の上は中室になるはずが肘室とされている。。。
基脈とか反上脈はハチ類だけに使われる用語である。
ネットで拾った国外の文献ではこんな感じ↓
合流したり分かれたりわやくちゃである。
人によって見解が分かれてたりするのだろうか?
素直に絵解き検索を参照しながら進む。。

Profenusa属の特徴
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肛室は翅縁方向に1室のみ
中胸側板の前側片は溝で区別されない
触角第2節は細長い
爪には明瞭な基片がある
前翅肛室基部の脈は直線状
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中胸側板の写真はうまく撮れなかったので割愛。。

触角拡大
爪の拡大

前翅基部拡大
肛室基部の脈は3A脈になるのかな?

Profenusa属まで行き着いたところでネットを検索して以下の文献を見つける。

The Japanese Sawflies of the Genus Profenusa (Hymenoptera, Tenthredinidae),with Description of Three New Species

英文なので斜め読みしながら
クリハムグリハバチは、顔面に4条の白斑があるのが特徴らしい。
産卵管のギザギザの形状も一致するし、同種とみていいと思う。
論文にはクリにつくとあるがコナラにもつくみたい。

顔面の拡大
クリハムグリハバチ Profenusa castaneivora
産卵管の顕微鏡画像
4枚が上下左右に組み合わさって構成されてる。
左右を前後に動かしながら葉っぱを切り裂いて葉肉部分に卵を産み付けるのだろう。

ところで産卵管のことをハバチの場合は「Lancet」と書くらしい。
針じゃなくて手術用のメスみたいだしね。ナルホド

おまけ
たぶんだけど本種幼虫の潜葉痕と思われるもの。
2005年5月29日に写真だけ撮っていた。

ではまた

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