2019年2月16日土曜日

ナカジロコガネショウジョウバエ

連休だというのに、お散歩コースは寒いしロクなものがいない日が続いている。
月曜日の朝は雪だったが、とりあえずお散歩。
途中、霙になったりトテモ寒い。
と、アラカシの枝に縮こまってるちびこいハエがいた。
寒くて飛べないので撮りやすい。
翅に斑紋付き。

触角刺毛が羽毛状なのでショウジョウバエ科
ミギワバエ科にも枝分かれしてるのがいるけど、
下向きの枝がなく上側の枝しかないので区別できる。
なんというか顔つきが違うので判るけど。

この模様つきのショウジョウバエ、神戸では時々採れるけど調べたことがなかった。
なのでフィルムケースにポトンと落として回収。
側面
体長は3.5mm。
拡大。ちょいと空気を吹き込んで膨らましてある。
腹部背面
腹部も模様も特徴的。山、小、小、みたいな。。

で、以下の文献で絵合わせしてみた。

Systematic Study of Drosophilidae and Allied Families of Japan.(Okada,1956)

上のタイトルでweb検索するとpdfファイルが無料で見れる。
「日本ショウジョウバエデータベース」のサイト内にある文献。
これでナカジロコガネショウジョウバエ Leucophenga interrupta らしいと判ったので学名で検索すると割と最近の論文がヒット。↓

The genus Leucophenga (Diptera, Drosophilidae), part III: the interrupta species group from the Oriental region, with morphological and molecular evidence (Jia Huang,2013)

これは、ZooTaxaで無料で見れる。(タイトルクリックで該当ページに飛びます。)
こちらは中国の研究者が書いた、近縁種たくさんいたよー、という論文。
こちらの論文に詳しい交尾器の図があったので比べてみると
腹部の模様とか差異があるが交尾器では L.interrupta が一番近かった。

ということで、このご近所のハエは
ナカジロコガネショウジョウバエ Leucophenga interrupta で決定。

文献の記録は九州以南だけど気にしない。文献古いし神戸にもいるでしょ。
幼虫はマツタケ、シイタケなどキノコにつくらしい。
交尾器はおととし採ったこの個体のを見てみた。
2017年3月19日採集
まず間違いなく同じ種類。
腹部をはずして10%苛性カリ水溶液で炊いて腹端部をはずす。
交尾器部分側面
矢印部分にあるaedeagusははずしてある。
Okadaの文献風に拡げた状態。

丸印の鞘に挟まっていたaedeagusはこんな形。
右が付け根側。
上部に突起が伸びるのが他の interrupta species group との違いっぽい。

ではまた

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