ヘクソカズラの実が糸に綴られて残っている。
これ、
マエジロマダラメイガの越冬巣で中にはいもむしが複数篭っている。
中のひと
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 幼虫 |
地味ないもむしである。
体表には顆粒がありサメ肌状。体色は赤褐色から黄褐色で黒色の斑点がある。
「みんなで作る日本産蛾類図鑑」では学名が inoueella になっているが、現在では inoueellus と語尾が修正されているので注意。
食樹はネズミモチ、サンゴジュ、ヘクソカズラ、クサトベラの記録がある。
年数回発生するのでその時においしそうな実を選んでいるようだ。
近所ではネズミモチの実を覆うように綴っているのをよく見る。
で、本種の巣の糸はすごくベタベタしている。
糸の拡大すると水滴のように見えるのがベタベタの液体。
この粘着性物質は絹糸腺から出す糸とは別で、唾液腺からの分泌物だそうな。
過去の飼育画像から蛹と成虫も。
2007年の12月にネズミモチの実を綴っていた幼虫。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 幼虫 |
翌年の4月に巣内で蛹化。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 蛹 |
蛹の腹面
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 蛹 |
腹端の鉤状刺毛で巣に引っ掛けて体を固定している。
鉤状刺毛は幼虫の肛上板の刺毛と相同である。
で4月中に羽化
翅を伸ばして乾燥中。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 成虫 |
しばらくしたら翅閉じた。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 成虫 |
ところで、幼虫で越冬するいもむしを連れて帰ると
かなりの確率で他の生き物に変換されることが多い。
ヒメバチとかコマユバチとかetc。。
この2007年に持ち帰ったものは幼虫が複数いたが寄生率0%だった。
このベタベタは寄生虫対策なのかも?
ではまた
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