2020年6月20日土曜日

トガリツルギアブ・・・種小名はえれがんす


日曜日のお散歩は傘差して長靴はいてのスタート。
ちょこちょこ虫ツイートしながらも下草びしょびしょで期待薄。
帰りの林の暗がりでなんか見かけないハエを摘まんでみた。

オドリバエかな?と現地では思っていたが、
帰ってみたら意外なことにツルギアブ科Therevidae。
ツルギアブって普通は河川敷とか海岸の砂地で見かける虫である。

はなあぶNo.9(双翅目談話会)の「日本産ツルギアブの同定」にある検索表を使って決定した。
トガリツルギアブ Procyclotelus elegans
タカラダニの幼虫がついてるけど無視してね。
腹部背板は銀白色。いかにもエレガンスな感じ。
他の種類も白い種類が多いけど、他はもっと毛深い種類ばかりである。
日本産の本属は1種とのこと。

本種の特徴を検索表から抜粋すると、、、
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♂外部生殖器は垂直に位置する(上方に向く)
中脚基節外面の毛群は前方のみにあり後方は欠く
触角挿入部は強く突出する。
触角端刺は細く、触角第3節の外側の大きな穴の中に立つ
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などなど。

検索の最初の方で分かれる種類だった。
交尾期交尾器の図もよく一致するので間違いないと思う。
海外の近縁属は森林地帯で見つかるそうなので、
本種もそうなのかもしれない。
きばりはむしきべりはむし34-2」に兵庫県の分布記録があったが
山地性の種類、と書いてあった。のでたぶんそう。

腹面
腹面は地味

♂の複眼は接する。

側面
触角挿入部が突出してるの図
目に模様があってツイッターで言うところの #複眼はいいぞ の仲間。

中脚・後脚基節
中脚基節の前方に毛群があるが後方にはないの図

触角
触角第3節の窪みから端刺がチョロっと生えてるの図
外見上の本種最大の特徴っぽい。

おまけ
はなあぶ誌を参考にしたツルギアブ科の翅脈図
赤字は
br:第1基室
bm:第2基室
d:中室

後方の翅脈は最近の図鑑を参考にすると、
以下かもしれない。
図の記号→ 最新の見解?
CuA1 → M4
CuA2 → CuA
A1   → CuP
A2   → A1

R4脈が波曲するのが本科の特徴のひとつだったと思う。


ではまた

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