2025年9月27日土曜日

洗面所のダニ

いよいよお散歩生き物ネタがなくなってきた。

9月の初めころ、自宅の洗面所の鉢植えの周りに粒々のゴミが落ちていた。

生き物だとするとダニかしらん?

なんやろ?とセロテープにくっつけてフィルムケースに確保しておいたのを思い出して拡大してみた。

ヒメヘソイレコダニ
Acrotritia ardua
体長0.6㎜ほどのダニでした。

ササラダニの仲間で土壌動物である。

洗面所どころか家屋に関係ないダニだった。

血とか吸わずに腐葉土を食べる平和主義者である。

バタバタしてたので最低限以下の同定経過。

軽く解剖。

ササラダニの仲間は前体部(左)と後体部(右)に分かれる。

後体部の腹面には生殖門域と肛門域がある。

ヘソイレコダニ科では生殖門域と肛門域が分かれずに細長い性肛門域となる。で、中央におへそのような構造(結合三角域)がある。

ここら辺までは実体顕微鏡で何とか判る。

あとは光学顕微鏡の世界。

胴感杯と突起の位置が重要らしいけど、写真に残せなかったので割愛。
矢印の桁間毛は長く目立つことと、脚の爪は第1脚が2本、2・3・4脚は3本で両側の爪は細い、ことなどでヒメヘソイレコダニとした。
同属他種の脚の爪は各1本である。

脚部とか細かく撮りたかったけど時間が取れなかった。

ではまた

2025年9月20日土曜日

ナガコバチの一種

 最近のお散歩ネタが枯渇しているので

ハードディスクから貼ってないのをペタリ。

ナガコバチ科の一種
Eupelmidae G.sp.
中脚で跳ねる一族。

2025年4月13日

雨中のお散歩で見かけたヤママユガ科の卵。

種類を確かめるために五つほど持ち帰った。

帰ってから拡大してみたら、寄生蜂が羽化したあとのがほとんどで、無事なのが一個だけだった。

なんてこと。

一縷の望みをかけて保管していたけど、出てきたのが上のナガコバチ。

なので卵の種類は判らず。

上から見て円形に近いからヤママユだと思うけど。

ナガコバチ科の背面

キレイなのでヨシ

正面顔

ナガコバチ科の一種
Eupelmidae G.sp.

私では種類までは判りません。


ではまた

2025年9月13日土曜日

ナシグンバイ

日曜日のお散歩ではこれといったものはおらず。

スマホに止まったコバエを拉致してきた。

体長2㎜。

検索表たどってみたけど小さすぎてよく判らず。

シマバエ科あたりかな?

前翅

科ぐらいまでは判るようになりたいが、道は険しい。


こっちは通勤帰りにマスクについていた判りやすい虫。

ナシグンバイ
Stephanitis nashi
体長3㎜。

中間色バック

腹面
腹端を見るとメスですな。

軍配虫は変な形。

カッコいい角度はこうかな?

ナシグンバイ
Stephanitis nashi
それとも正面か。
ナシグンバイ
Stephanitis nashi
見た虫貼るだけ回でした。


ではまた

2025年9月6日土曜日

オオコンボウヤセバチ

8月最後の日曜日。

ツルがワシャっと絡んだ倒木の暗がりを飛ぶ何か。

写真はないが、シュッとした何か。

ホソムシヒキかな?

おしりの方に白い何かがついてる。。

交尾中のホソムシヒキ?

止まらないのでお散歩ネットで回収したらハチだった。

ワタクシ的に初見のハチ。

以下標本画像

全体

オオコンボウヤセバチ
Gasteruption japonicum
今ひとつなので黒バック
オオコンボウヤセバチ
Gasteruption japonicum
テキトーな撮り方しかしてないからどっちも今ひとつじゃった。

飛んでるときに見えた後方の白いのは産卵管の模様であった。

体長約15mmで産卵管も約15mm。

色々変わった形態なので以下拡大画像。

正面顔

これはまあ普通。

寄生蜂にしては舌が長く、ネットの生態写真では吸蜜に来ている画像がちらほらみられる。

本種はおもにメンハナバチ類やムカシハナバチ類の巣に寄生するそうで、幼虫を捕食して花粉団子も食べるらしい。ツヤハナバチメンハナバチよりずいぶん大きいけど、直列した複数の部屋を利用するみたい。

頭部側面
後頭隆起線がひだ状に隆起する。

前胸側板が発達し、細い首状になる。

頭部ちょい斜めから

オオコンボウヤセバチ
Gasteruption japonicum
頭部背面

産卵管の先端が同じ白色で同属のクボミコンボウヤセバチでは矢印の位置が深く窪み、窪みの両側が突出することで区別できるそうだ。

クボミコンボウヤセバチGasteruption oshimense(オシマコンボウヤセバチから和名改称)は今のところ、伊豆大島と神奈川県で記録されているだけのよう。

ハチの雑誌、「つねきばち31号(2017)」に

「クボミコンボウヤセバチ(和名改称)Gasteruption oshimense Watanabe,1934(ハチ目:コンボウヤセバチ科)のタイプ産地の確定と本州からの初記録」

という報文を参考にした。

探せばあちこちで見つかるんちゃう?とか書かれていたので探せばいいと思う。

胸部背面

オオコンボウヤセバチ
Gasteruption japonicum
点刻がよい。

胸部側面

オオコンボウヤセバチ
Gasteruption japonicum

胸部後方を腹節を持ち上げてパチリ。

腹部は前伸腹節の上部に付着し、後脚基節から離れる。

というのがヤセバチ上科Ebanioidea の特徴。

腹部背面と側面

翅はこんな。

オオコンボウヤセバチ
Gasteruption japonicum
なんというか翅脈も独特

産卵管鞘の先端

暗がりを飛んでいてもここだけ目立っていた。

産卵管の拡大。

後脚
オオコンボウヤセバチ
Gasteruption japonicum
棍棒型の踁節が和名の由来であろう。

なんとなくナマメカシイような?

本土産のコンボウヤセバチにはもう一種、ヒメコンボウヤセバチGasteruption boreale がいるが、産卵管が腹部よりはるかに短いので区別できる。

南の島には別種がいるそうな。



ではまた