2017年7月22日土曜日

マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.

日曜日のお散歩で見かけたシュッとしたハエ。
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
前脚をフリフリしながら歩き回る。
白い付節が良く目立つ。

マルズヤセバエ科 Micropezidae に属する。

ネットを検索すると、昆虫写真ブログではおなじみの
「明石・神戸の虫 ときどきプランクトン」に、
「マルズヤセバエ科の一種(Rainieria sp.)(改題)」という記事があり、
コメント欄で詳しい解説があった。

マエジロアシナガヤセバエの現在の学名はRainieria hennigi (北隆館の図鑑ではR. latifrons) で、中後脚の腿節の縞の数が少なく、中後脚付節は白くない様で、
ここらで見かける、中後脚の縞が多くて付節の白い種は別種の可能性が高いそうである。

マルズヤセバエ科 Micropezidae の翅脈
顔の拡大
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
おでこに紡錘形で無光沢の額帯がある。


腹部側面(♂でした)
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
腹部を斜め下から
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
不思議なさすまた状の突起は接合鉗子と言うらしい。

腹部先端
マエジロアシナガヤセバエの近縁種 Rainieria sp.
先端は二つ折りになっている。
♀の腹端を接合鉗子で固定して挿入する仕組み?

北隆館の図鑑の検索表から、
マルズヤセバエ科 Micropezidae の特徴を抜き書き。
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額嚢溝と半月瘤を持つ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・環縫短角類の額嚢類

体は著しく扁平ではない、
左右の中・後基節基部は腹部の腹面の腹中線部で接近する;
爪は著しく彎曲せず、歯を生じない;
成虫は外部寄生者ではない

翅下瘤が発達しないか、発達する場合は鬚剛毛を欠く;
触角梗節の背面には通常は縫線を欠く;
通常は基覆弁の発達が悪いかこれを欠く;
翅のSc脈はR1脈の関係は多様・・・・・・・・・・・・・・・・・・無弁翅類Acalyptratae

口吻は通常太く短く、頭長より短い(Milichiidaeの一部では頭長より長いが、口吻は中途で関節があり屈曲する);
触角梗節は通常第3節(第1鞭小節)より短いが、一部でより長い場合はsc-r横脈を欠き、cua室は第2基室より長くはない

単眼を持つ

複眼は眼柄から生じない;
触角基部は広く離れない

触角刺毛はよく発達する

後付節の第1付小節は球形に肥大せず、第2付小節より長い

翅のSc脈は先端近くがほぼ直角に屈曲しない

翅のSc脈は完全で全長を通じてR1脈とは独立して前縁に達する

体肢共に著しく細長い;
R4+5脈とM1脈は先端に向かって接近し、しばしばそこで融合する

触角刺毛は第3節の背面中央よりも基方の位置から生じる;
前脚は後脚に比べて著しく短い
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額嚢溝は下写真の黄色線のところ。

羽化時にここが開いて額嚢と言う袋を風船状に膨らましたり縮めたりする。
それで囲蛹を破ったり、地表に出て来たりするそうな。


ではまた

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