今日はハチの日だそうで、、、
先日買った「日本産ハバチ・キバチ類図鑑」が早速役にたった。
ナラ枯れの進む我がお散歩コース。
枯れかけのコナラに見たこともないキバチがいた。
2020年8月2日
矢印はカシノナガキクイが粉を出している穴。
この穴が樹液を出しているうちはコナラはまだ抵抗しているようだけど、画像のように乾燥した粉を出すようになると、葉っぱが茶色くなって1・2年で枯れてしまう。
キバチはハチの中ではどんくさい方だと思うが、
飛ばれると見失うので1枚撮って即採集。
タイワンヒラアシキバチEriotremex formosanus でよさそうだ。
買ったばかりの図鑑で決定。
キバチ科Siricidae の大形種である。
以下死骸の画像。
背面
タイワンヒラアシキバチ Eriotremex formosanus |
腹面
背面から見た印象と違って、意外と産卵管が長い。
側面
鞘から産卵管を出してある。真っ黒で硬そう。
本種は南方系の種で単発的に本州で記録があり、輸入材からの発生だと考えられていたのが、最近では山口県のコナラ林でかなり発生しており、京都府ではカシノナガキクイの捕獲トラップで多数採集された、と図鑑にある。トラップってあれかな?ペットボトルの上部分を逆さにズラッと重ねてぶら下げるやつかな?
山口と京都で採れてたら神戸でもいるよね。
ネットを検索すると
「茨城県初記録となるタイワンヒラアシキバチ(ハチ目:キバチ科)の採集とそのマイカンギアの観察」 (リンク先pdfファイル)
という報文があり、
それによると関東や福井県辺りまで記録があるそうな。
ということでなので、しっかり定着しているようだ。
ところで、
「きべりはむし36巻2号(2014)」にニセタイワンヒラアシキバチの採集報告というのも見つけた。
・兵庫県産ハバチ・キバチ類の追加記録 (リンク先pdfファイル)
2004年に三田市で1♀の記録。
このニセタイワンヒラアシキバチEriotremex yamasakii という種は
岡山県で採集された1♀により1990年に新種記載されたが、
タイワンヒラアシキバチに酷似しているため再検討が必要、
と図鑑に書かれていた。ので、
とりあえずここではタイワンヒラアシキバチとしておきます。
もう1種いますが分布が石垣島で腹部は全体黒色なので除外。
ヒラアシキバチ属Tremex と
ミナミヒラアシキバチ属Eriotremex の区別点。
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前翅2R1室と3R1室の長さに比は約1:1。触角の節は16節以下。
・・・・・・・・・・・・・・・ヒラアシキバチ属Tremex
前翅2R1室と3R1室の長さに比は約1:2。触角の節は20節以上。
・・・・・・・・・・・・・・・ミナミヒラアシキバチ属Eriotremex
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カタマルヒラアシキバチ Tremex contractus |
今回のミナミヒラアシキバチ属の翅脈
タイワンヒラアシキバチ Eriotremex formosanus |
北から拡がってきたナラ枯れを利用して、
南からタイワンヒラアシキバチが
これ幸いと分布拡大しているのだろうか。。
おまけ
タイワンヒラアシキバチの顔
複眼の後ろが膨らんで筋肉たっぷりみたいな?
硬い木でもバリバリ穴開けそう。。
ではまた
今見つけた
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