2021年4月17日土曜日

ヒメキンケコウラコマユバチ、、だと思う。

久し振りの晴れた日曜日、いろいろ飛んでるのを摘まんできた。

昼休み、会社の実体顕微鏡でちょこちょこ覗いてみる。。

ちょっと硬そうな特徴のあるコマユバチがいた。

2021年4月11日採集

側面

ヒメキンケコウラコマユバチ Acampsis chinensis ♂?

背面
ヒメキンケコウラコマユバチ Acampsis chinensis ♂?


翅脈
Rs+M脈があり2m-cu脈がないのでコマユバチ科。
ヒメバチ科は逆である。

蜂の翅脈は文献や時代によって呼称が異なるのでややこしいことこの上ない。
Rs+M脈もいろんな呼称があるので全部列記しておいた。

胸部側面
割と毛深い。

胸部背面
なかなかの印刻。

腹部側面
第2背板と第3背板が癒合している。

腹部背面
腹部にもなにやら素敵なシワがある。


上唇先端は丸い。

大顎開いてみた。

例によって、
を参考に属の検索。

このサイト、最初はヒメバチだけだったけど、更新するたびに範囲が拡がってコマユバチ科も充実してきた。 

亜科の画像をつらつら眺めていくと、どうやらキンケコウラコマユバチ亜科Sigalphinae の模様。

この亜科は頑丈で後頭隆起線は背方で欠き、後体節の挿入孔と後脚基節の挿入孔は節片で区分されない。後体節第1背板はほぼ常に一対のよく発達した縦隆起線を有する。後体節はしばしば甲羅状になる、上唇は凹まず、後体節第2背板の気門はほぼ常に側背板に存在する、後体節は第2、3節の間で曲がらない、
などで区別されるそうだ。

この亜科の既知種は、キンケコウラコマユバチ Sigalphus irrorator
ヒメキンケコウラコマユバチ Acampsis chinensis の2種だけのよう。

このうち、キンケコウラコマユバチは後体節第3背板は下縁に2つの歯を有し、密な金色の毛で覆われる、とあるので外れる。こちらは上記サイトに標本画像があるので比較したら違うことだけは判った。

ということで、ヒメキンケコウラコマユバチ Acampsis chinensis だと思う。

ヒメキンケコウラコマユバチ属は、後体節第3背板は歯を欠き、毛は疎ら、後体節第1背板は基部1/3がわずかに持ち上がり、弱い隆起線を有する、小盾板は隆起する、などの特徴があるそうだが、比較画像がないので決め手に欠ける。

唯一、後体節第2背板の下縁の歯の有無が確実そうではある。

ただ今回のは♂なのでちょっと心配。

ちょっと標本箱を覗いてみたら、お散歩コースで過去に同種と思われる♀をちゃんと採っていた。
ワシ偉い。

それがコレ↓

2013年4月14日、神戸市

ヒメキンケコウラコマユバチ Acampsis chinensis ♀?
外見は今年採った♂とほとんど同じで産卵管の有無だけが違う感じ。

胸部背面


腹部背面


第1後体節側面


顔。


腹端部
後体節第3背板の下縁に2つの歯は見当たらない。

ということで、Acampsis 属なのは確かだろう。

ざっとネットを検索してみたが、唯一学名で検索すると中国語の彩色イラストのサムネイルが引っかかっただけだった。

でも足の色彩パターンとかが一致しているのでほぼ間違いなさそうな気はする。


ではまた

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