2021年6月19日土曜日

複眼回・・・キスジアブ

 日曜日に私的初見のこんなアブがいた。

キスジアブ Tabanus fulvimedioides

アブ類ではやや小型。

複眼が緑色で3本の横紋があり、単眼瘤はないのが特徴。

背面

キスジアブ Tabanus fulvimedioides ♀
腹部第2節の両側に橙褐色斑がある。


腹面

キスジアブ Tabanus fulvimedioides ♀
前翅
キスジアブ Tabanus fulvimedioides ♀
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1b:第1基室、2b:第2基室、:中室、r5:第5径室

:径脈、:中脈

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以下、手持ちの図鑑情報。

R4脈に小枝がない。(青矢印のところ)

第5径室は広く開き狭まらない。(赤線部分)

腹部第2節以降の各背板に三角形の灰黄色中央斑と細い後縁斑があり、第1~3節腹背板に橙褐色の側斑がある。

近縁種のヒメキスジアブT. fulvilineus は腹部第2節の側斑がなく、腹背の前部ほど淡黄褐色で後方は黒褐色になることで区別されるそうだ。

ヒメキスジアブの分布は本州中部以北と九州の阿蘇地域、キスジアブは北海道、本州、四国、九州に普通。

砂丘地や草地、畑地で多発することがあるとか。

うちのお散歩コースは住宅地から即、山地になるので今まで見たことがなかった。砂防堰堤の砂地で細々と生息しているみたい。

両種とも人を刺咬する。


複眼に3本線があるものにジャーシーアブやキボシアブ(Hybomitra属)がいるが、単眼瘤を持つことでキスジアブ類と区別できる。

ヒゲナガサシアブ属(Isshikia)は複眼に3本線があり、単眼瘤も持たないが、触角第3節の背突起が非常に長くなることでキスジアブ類と区別できる。


などと、「原色ペストコントロール図説第2集」に書いてあった。

おまけ

キスジアブ Tabanus fulvimedioides ♀

複眼はいいぞ。

触角第3節の基部は尖るのみである。


ではまた

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