日曜日、ネムノキは未だ蕾じゃのう、と見上げていると、
ヨツボシホソバらしきもの。
最近、日本のヨツボシホソバはヨツボシホソバとウンナンヨツボシホソバの2種に分かれた上に、外観ではほとんど区別できないという鬼畜仕様の普通種になってしまったので、ちょっと持ち帰ってみた。以前見たときはヨツボシホソバに落ち着いたのだが、交尾器を見るとウンナンヨツボシホソバになってしまった。
同所的に分布するとは困ったことである。
いちいち交尾器を見ないと確実なことが言えないではないか。
で、その交尾器。
ウンナンヨツボシホソバ Lithosia yuennanensis ♂genitalia |
反転した挿入器
ウンナンヨツボシホソバ Lithosia yuennanensis ♂genitalia |
*************記号説明**************
sl:sacculus サックルス。バルバ腹縁部基半の硬化部。
un:uncus ウンクス。第10腹節背板起源の遊離突起。
hrp:harpe ハルペ。バルバ内面の腹方にある硬化部。日本原色蛾類図鑑(保育社)ではサックルスの基方から伸びる硬化部にはclasperが当ててある。どちらかよく判らん。
cor:cornutus コルヌツス。ベシカ(エデアグス内部の膜質部)に生じる刺状の突起。複数形はcornuti。
↑2021.6/28 括弧閉じの位置を修正しました。
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蛾類通信No.161261に2種の区別点があるので参考にしてみる。
バルバ(valva 把握器)のサックルス先端のトゲはヨツボシホソバでは上方に向くが、ウンナンヨツボシホソバでは後方に向く。
ウンクスはヨツボシホソバでは太く、ウンナンヨツボシホソバではより細い。比べたら判る。
ハルペの形も違うようだ。
コルヌツスはヨツボシホソバでは基部の幅の3倍以上の長さがあるが、ウンナンヨツボシホソバでは小さく、基部の幅の2倍程度。
個体変異もあるかもしれないので全面的には信用しないでくださいな。
旧ブログにヨツボシホソバの♂交尾器と♀交尾器の記事を書いているので参考にどうぞ。↓をクリック。
ではまた
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