虫の少ない季節なので、谷筋の藪をペシペシしながら歩いていたら見つけたヒメバチ。
ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.? |
側面拡大
ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.? |
いつもは「Information station of Parasitoid wasps」のサイトで検索するのだけど、最近、神奈川県立生命の星・地球博物館のホームページに
「日本産ヒメバチ上科(膜翅目)の属への検索表」が発表されたのでそちらを参考にして検索してみた。
敵がちいさいし、ヒメバチ自体あまり数を見ていないので怪しいところがあるのだけれど、Tossinola属辺りではなかろうかと思う。
必要な検索キーを抜き書きすると以下の通り。
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ウスマルヒメバチ亜科 Banchinaeの特徴
触角鞭節は13節以上ある
前翅の鏡胞は菱形ではない
後体節第1節の気門は中央より前方に存在する
中脚脛節棘は2本
頭盾と顔面は多少とも溝で分割される
大顎は2歯をもつ
側方から見て後脚基節と後体節挿入孔の間は離れない
亜生殖版は腹端を超えることはない
前胸背板肩部に刺状の突起はない
後体節第2~5背板に三角形の溝に囲まれたエリアはない
中胸楯板に横皺をもたない
後翅に翅脈 discoidellaをもつ
頬上部にやすり状の歯を欠く
産卵管は先端に向けて細くならない
後体節第1節の気門は中央付近にはない
前脚脛節の背面先端に突起はない
亜生殖板の先端中央に切れ込みがある
前翅の2m-cu の透明域は1ヶ所
眼下溝を欠く
産卵管の先端背面に切れ込みをもち、下弁先端の鋸歯状の歯は存在しないか目立たない
Atrophini族の特徴
後体節背板に「八」の字型の溝はなく単純
後翅のNervellusは中央より下で折れる
後体節は上下に平圧される
Tossinola属の特徴
後体節第1節の気門は中央より前方にある
後頭隆起線の背方部は部分的に欠く
後頭隆起線の腹方終点は大顎基部から多少とも離れる
体は赤色や黄色部を伴う
前翅の鏡胞を欠く
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前翅の鏡胞は消えかかっている脈があるので、欠くと見たらTossinola属になるのだけれど、あると見たら Lissonota属の方になる。
むむむ 難しいぃ
日本産のTossinola属はリストを見ると、既知種はハレギウスマルヒメバチTossinola ryukyuensis 1種のみで、画像を見ると明らかに別種なので悩みどころ。
ウスマルヒメバチ亜科は確実と思うけど、Atrophini族はたぶん合ってるんじゃないかなぁ程度の気持ち。。
各部の拡大画像を貼って今週はおしまい。
胸部背面
ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.? |
後頭隆起線
ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.? |
腹部背面
腹端腹面亜生殖板の先端中央に切れ込みがあるの図産卵管
先端背面に切れ込みがあるの図翅
ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.? |
Nervellusはdiscoidellaの位置で曲がってる。
前翅の矢印は鏡胞の位置。外側の翅脈を有ると見るか無しと見るかで、検索の進む場所がかわるのが困ったところ。
顔
ウスマルヒメバチの1種 Tossinola sp.? |
顔、斜めから。
矢印は頭盾のライン頭盾はツートンカラーに見える。
ではまた
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