2024年2月3日土曜日

図鑑には生葉につくとあるけれど、、、スカシコケガ

1月下旬、
湿った日当たりのよい谷筋に生えていたアラカシ。
えらく汚れた感じの葉上に毛虫発見。
汚れている様に見えるのは地衣類が着生しているからみたい。

常緑の葉の上に生える地衣類を「生葉上地衣」と呼び、種によっては常に生葉上に生える「絶対的生葉上性」の種と、通常は樹皮着生するが日和見的に生葉上にも生える「条件的生葉上性」の種があるそうだ。
画像の地衣がどちらかは私には判らない。

幼虫拡大
スカシコケガNudaria ranruna
第1腹節の気門上部に黒斑があるほかはこれと言って模様のない毛虫。

この子、旧ブログで羽化確認したヤツだと思う。↓

insectmoth.hatenablog.com

このとき見つけた幼虫は成熟しており、何を食べるか確認できないまま蛹化してしまったので食性は判らず仕舞い。

本種を含むコケガ亜科は名前の通り知られている食草は、ほとんどが地衣類、苔類などのいわゆる「コケ」を食べ、他には枯れ葉など、あとまれに生葉を食す、とある。
スカシコケガでは日本産蛾類標準図鑑によると、アラカシ、ミミズバイ、ヒサカキ、サカキの生葉とある。
コケガ亜科の中では異質な記述である。

今回も食痕のあるアラカシの生葉上にいた。
いたんだけど、食痕は古いし、地衣も生えている。

前回のリベンジではないけれど、地衣付きの葉と幼虫を持ち帰って飼育してみた。

結果のビフォー→アフター
スカシコケガNudaria ranruna
食前→食後
葉っぱは別のものだが、右側も左のと同様に地衣類が生えていたものである。
それが何も生えていなかったようにツルピカである。
生葉自体には全く手をつけていない。

やっぱり本種もコケガ亜科らしく地衣類を食べる種類のようである。

ひょっとして生葉を食べるという図鑑の観察事例の中に生葉上地衣類を食べていたものを誤認した例があるのではないかと思ったり。。
それとも大元をたどると生葉じゃなく生葉上地衣で、図鑑の誤植だったり?

おまけ
今回の幼虫も翌週には自分の毛を使って垣根付きの繭を作って蛹化した。
白バック
スカシコケガNudaria ranruna

糸が見えないので黒バック
スカシコケガNudaria ranruna
糸は最小限といった感じ。
蛹化時の幼虫の脱皮殻は糸の隙間から外に捨てるみたい。

ではまた

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