9月最後の日曜日に見た虫。
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ツマグロスケバ Orthopagus lunulifer |
近所ではコウゾのほかにアカメガシワやニセアカシアの青い枝なんかで幼虫を見かけることが多い。
テングスケバ科に属する。
手持ちの図鑑の検索表からテングスケバ科の特徴を抜き書き
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単眼は複眼の下方、頬の凹所にある(頭頂にあるのはセミ、ヨコバイなど)
後脚基節は合着し不動
前翅の爪上状部脈は2本でY字状
触角の鞭毛は無節(有節なのはアリヅカウンカ科Tettigometridae)
後付節第2節は小さくなく先端は裁断状もしくは彎入し1列の小棘をもつ
爪上状部脈に顆粒を欠く(顆粒を装うのはシマウンカ科Meenoplidae)
後翅の臀部に網目状の脈を持たない(網目状なのはビワハゴロモ科Fulgoridae)
下唇の末端節は幅より明らかに長い(末端節が幅とほぼ同長なのはハネナガウンカ科Derbidae)
爪上状部脈は爪上状部の先端に達せず内縁に終わる(爪上状部脈が爪上状部端に達するのはコガシラウンカ科Achilidae)
後脛節端に可動の距がない(可動距があるのはウンカ科Delphacidae)
頭部は前方に伸長する
顔に2~3条の隆起線をもつ(顔に1条の中央隆起線をもつのはヒシウンカ科Cixiidae)
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持ち帰ったので各部を拡大。全体画像撮り忘れた。
背面
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ツマグロスケバ Orthopagus lunulifer |
頭部腹面
頭部側面矢印は下唇末端節(口吻の鞘)、長いですな。顔
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ツマグロスケバ Orthopagus lunulifer |
青矢印が複眼下部にある単眼。
赤矢印が触角の鞭毛。
触角自体はポリプがたくさん開いたサンゴみたいな形。
ウンカ系はなんかこんな変な形の触角持ちが多い。
前翅・後翅
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ツマグロスケバ Orthopagus lunulifer |
丸印が後翅臀部でビワハゴロモでは網状の脈があるそうな。
前翅基半
緑で囲ったのが爪状部で、丸印がY字状の爪矢印が爪上状部の終点で先端に達してない。
爪状部脈に顆粒は見当たらない。
後脚先端
略号は以下
c:基節 coxa
tr:転節 trochanter
f:腿節 femur
ti:脛節 tibia
ta:付節 tarsus
青矢印が脛節先端で棘だらけだけど可動の距はない。
赤矢印が第2付節で極端に小さくなく棘列がある。
胸部腹面
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ツマグロスケバ Orthopagus lunulifer |
で、腹面から見たら転節が重要っぽい。
矢印は基節と転節の関節部。
これが
こうなってこう。おまけ
採ったのは♂だったので腹端部を観察。
腹端背面
腹端腹面腹端側面下半分が交尾器で上側が腹端節。腹端節を持ち上げる
肛門は腹端節の先っちょにある。腹端節を外して斜め上からパチリ。
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ツマグロスケバ Orthopagus lunulifer |
挿入器先端は交差してるので判りにくいけど、2本ある感じ。
チン〇〇が2本てそんなことある?
把握器の外側中央にもカギ爪があるけど、交尾に役立てているのだろうか?
時間が取れなくて調べきれなかった。
ではまた
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