跳ねるウジといえば、ミバエとかチーズバエが知られている。
以前見る機会のあったカボチャミバエのウジが跳ねる動画
同じ習性がショウジョウバエ科でも見られたのでご紹介。
先週ヌカカを紹介したキノコにいたウジ。
ヌカカは糸角亜目だけど、こちらは頭殻が退化しているので短角亜目のハエの幼虫。
咽頭骨格
透過処理して押さえつけたら咽頭骨格が前後に離れてしまった。
幼虫は前屈して、画像左端の口鉤を腹端に引っ掛けてピンっと跳ねる。
「as」は前方気門。
前方気門の拡大
後方気門
それが今週羽化した。
2月に紹介した「ナカジロコガネショウジョウバエ」だった。
羽化間もないので翅の模様がちと薄い。
♂交尾器
硬化が進んでないのでフニャフニャにつぶれたけど、以前の記事と一致してる。
蛹(囲蛹)
左が頭部側。
拡大
前方気門が幼虫時より目立つ。
羽化後の囲蛹殻
ノミバエの蛹は観音開きだけど、ショウジョウバエは上下に割れる感じ。
幼虫時の咽頭骨格が残っているのが判る。
さて、
ナカジロコガネショウジョウバエの幼虫が跳ねる動画。
跳ねる方法はカボチャミバエと一緒。
濡れているので跳ねる前段階で何回かコケてますが、最後に跳ねます。
ほぼワープ。
飼育容器の壁は4cmあるのだが、余裕で飛び越えていた。
ウジは6mmほどだから、身長の7倍以上を飛べることになる。
ヒマがあったらハイスピード動画撮りたかったけど、時間が取れず。。。
なぜこんな跳ねる行動を獲得したのか?
先週の記事の1枚目のキノコ写真に写り込んでいるスイカの種みたいなのはオオヒラタエンマムシ。
オオヒラタエンマムシはハエのウジが好物らしい。
他にもハネカクシにウジ好きな種類がいる。
ナカジロコガネショウジョウバエは他のショウジョウバエより一回り大きく捕食者にとっては食いでがあるように見える。
だから、成熟したらとっととキノコから離れて蛹化するのじゃなかろうか?
でもこんなのが近くに待機していたら、のろのろ這って移動するより跳ねる方が生き残りやすいと考えてみる。
ウジの口器は他の昆虫のように左右に動かずに上下に動くようになっている。
この構造もおしりに引っ掛けやすくて、跳ねる行動を獲得しやすかったんじゃないか?
なんて想像してみるのである。
となると短角亜目の他の科にも同様な行動をする種がいそうな気がするのだが、どうだろうか。
ではまた
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