2022年6月11日土曜日

ナガサキムジホソバの交尾器

ちょっと前に見かけた地味蛾。

2022年5月15日

ナガサキムジホソバ Tigrioides immaculatus

無地のコケガ亜科までは判るけど、種名がパッと決められないヤツ。(少なくともワタシはね。)

写真を撮ったので採集して冷蔵庫に入れていたのを今週取り出して交尾器を見てみた。

挿入器を外して側面

ナガサキムジホソバ Tigrioides immaculatus
♂genitalia
本種は長大なユクスタが特徴。

ユクスタ(juxta):挿入器(phallus)を腹面から支持するディアフラグマの硬化部。

ディアフラグマ(diaphragma):腹部末端を閉じる膜質部で、第9-10腹節の節間膜に由来。


バルバを開いて腹面から

バルバも変わっており左右非相称である。

ちょい角度を変えた腹面


バルバを閉じた状態。

ユクスタも真っ直ぐではなく、左右非相称のバルバに合わせるようにカーブしている。


ここまで特徴的だと、取り出してプレパラートにしなくとも、少し引き出すだけで同定できそうである。


挿入器(phallus)


反転した状態。


ナガサキムジホソバは関東以南の本州、四国、九州、屋久島、五島列島に分布する。同属にはもう一種おり、沖縄以南にリュウキュウムジホソバ Tigrioides pallens が分布しており、ユクスタの形状が異なる。リュウキュウムジホソバはユクスタの先端が大きく二叉することで区別できる。

そもそも分布域が異なる。

どちらも日本固有種とのこと。

2024年1月27日追記**********

♀の交尾器は以下の記事↓

「ヤネホソバあらためナガサキムジホソバの毒針毛とメス交尾器」

幼虫は以下の記事↓

「幼虫成分追加(ナガサキムジホソバの幼虫)」

にあります。


ではまた

1 件のコメント:

  1. お久しぶりです。YAMKENです。貴殿への連絡方法がこれしかないので失礼します。実は勝手なお願いがあっていたしております。お願いは私の掲示板(BBS)にいたしておりますのでご面倒でも見てください。お返事はメールなどでよろしくおねがいします。

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