2025年3月8日土曜日

キマダラアツバの蛹

テンション低下が著しい今日この頃、、
散歩に行っても腐葉土篩ったりスイーピングもしないで帰ってくる体たらくである。
年取るとヤル気根気元気がなくなってイカン。

ということでブログネタはパソコンのハードディスクからひねり出す。

今週は20年以上前の画像から。
たぶん樹皮捲りで見つけた蛹だと思う。
2004年3月14日撮影
キマダラアツバ蛹
Lophomilia polybapta
10㎜前後の小さな蛹。
糞や木くずを綴り合せた繭の中にいた。

蛹の腹端部
数字は腹節の数。
第7腹節から第10腹節はだいたい癒合している。
矢印は気門で9節と10節にはないから、最終気門のある腹節が第8腹節の目安となる。

腹面に肛門と生殖口の溝が見える。
第10節に肛門があり、第9節に生殖口がある。
蛾の蛹では生殖口の位置が雌雄で異なり、生殖口の位置が第8節にずれこむように開口しているのがメスである。
オスでは第9節の位置に開口しているので、蛹でも雌雄の鑑別は可能である。

繭に残っていた終齢幼虫の顔。

成虫は1か月後の4月13日に羽化した。
キマダラアツバ♀
Lophomilia polybapta
桃色がかった紫褐色のキレイな蛾である。
ホメ過ぎ?
図鑑には「オスの触角は葉片状」とあった。
画像の触角は糸状なので蛹から予想した通りメスである。

ではまた

2025年3月1日土曜日

ユスリカの巣だと思ってたら、、、

ご近所のフユシャクが激減する中、早春のシロテンエダシャクを見かける3月。。

ブログネタがないので昨年見た虫から。

砂防堰堤の滲みだし水が流れるところ、

以前、ウルマーシマトビケラやらニセチビシデムシカスリハリガネムシとかマルヒメツヤドロムシを紹介した場所にあった細長い巣らしきもの。
矢印当たりの流水から少し離れた場所にみられた。

拡大

最長5・6cm程度で非常に脆い。

ユスリカの幼虫がよくこんな巣を作っているので、ネタがない時用に属くらい判れば記事にしようと持ち帰った。

幼虫側面

なんか、、、、

ユスリカっぽくないぞ

背面

ホソクダトビケラ属の一種
Tinodes sp.
背面はカバーグラスで抑えた状態。

胸脚があるので双翅目ですらない。

トビケラ目であった。

鈎爪のある尾脚も一対。

巣が大きい割りに幼虫は5㎜ほどと小さい。

「日本産水生昆虫―科・属・種への検索 (第2版)」をにらみつけてうーんうーんとうなりながらホソクダトビケラ属であろうと結論付けた。

幼虫を10%KOH水溶液に漬けて筋肉溶かして透過処理。

眼が判らなくなった。

あちこちの拡大図

尾脚

ホソクダトビケラ属の一種
Tinodes sp.
鈎爪は単純で基部に歯はない

前胸と前脚

ホソクダトビケラ属の一種
Tinodes sp.
前胸側板の前側板(矢印のあたり)はこんな形。

頭部腹面

下唇腹面の一対の亜基節(矢印)はこんな形。

日本産ホソクダトビケラ属は図鑑の時点で5種知られているが、未記載種が多いとのこと。

素人同定はここまで。


おまけ、雨が降らずに流水が枯れると、下の写真のように水溜まりの縁に集まっていた。

でも、かたくなに水中に入ろうとはしないみたい。

干乾びた巣もあるので、作り替えていってるのかも。




ではまた