2021年9月18日土曜日

エナガコマユバチの一種

 日曜日に見つけたちっぽけなハチ。

体長約4㎜。
吸虫管でチュッと回収。
帰って拡大したらコマユバチ科だった。
いつもの寄生蜂のサイトでコマユバチ科をパラパラ見るとそっくりなのが出てきた。このページ↓

DORYCTINAE Förster,1862 オナガコマユバチ亜科

その中の Spathius sp. の見た目がそっくり。

この属何種類?と思ってリストを見ると70種あまりいる。。。

ただ、キイロエナガコマユバチSpathius japonicus という和名の付いてる種類が似ているような感じで、さらに検索すると、

「A CONTRIBUTION TO THE KNOWLEDGE OF THE BRACONID FAUNA OF THE EMPIRE OF JAPAN (Hymenoptera)」WATANABE, 1937

という論文に前伸腹節のスケッチを見つけたが、、、

そっくりだけど微妙に一致しないような気がするので保留にした。

というわけで、属和名はどこにも書いてないけれど、

エナガコマユバチ属の1種としておきます。

亜科和名はオナガコマユバチ亜科。

以下標本画像。

背面。

エナガコマユバチ属の1種 Spathius sp.
触角の先端近くは淡色。
中脚と後脚腿節には黒斑がある。
ひしゃくみたいな腹部である。
後体節第1節が柄節になって細長い。
産卵管も5mmあって体長より長い。
さすがオナガコマユバチ亜科。
ゆってもコマユバチ科にはウマノオバチという別格の存在はいる。

翅脈を見るとコマユバチ科

r-m横脈は透明で見にくいけれどもよく見ると存在する。

背面拡大

エナガコマユバチ属の1種 Spathius sp.
前伸腹節は亀甲紋

胸部側面

中胸側板は黒褐色。

顔面と胸部腹面
小顎髭も長い。
頭盾がくぼむのはコマユバチにありがち。


第一後体節
よく見ると細かい彫刻がある。
芸が細かい。

鞘から外した産卵管
小さすぎて判らないけどギザギザがあるようなないような?


ではまた

2021年9月11日土曜日

カキバトモエの幼虫

いもむし成分追加。

日曜日のいつものお散歩コースのネムノキにて。

カキバトモエ Hypopyra vespertilio  
昼間は幹に止まっていて、日が暮れたら葉っぱを食べに上っていくそうな。
年2回発生する。

近縁のハグルマトモエやオスグロトモエとは別属になる。

幼虫の体長はほぼ同じになるが、灰白色でちょっと太っちょに見えるので上記の幼虫とは区別できるそうな。

食樹は同じネムノキ。


和名のカキバは「柿葉」の意。

成虫が柿の葉に似ていることにちなむ。

ググってみてね。

近影

カキバトモエ Hypopyra vespertilio 
横から
カキバトモエ Hypopyra vespertilio 
第1腹脚は他の腹脚より小さい。

シタバガ亜科は腹脚前方は小さくなる傾向がある。

キンウワバ亜科はもっとその傾向が強い。

頭部らへん。

胸脚脛節はへら状。知らなんだ。

お尻の方

気門輪は黒色。


ではまた

2021年9月4日土曜日

瞬間最大痛覚は高め?・・・ムラサキウスアメバチ

8月最後の日曜日。

葉っぱの裏にハチがいた。

ムラサキウスアメバチ
Dyctyonotus purpurascens

ちゃんと拡大して見たことないなぁ、と思ってネットイン。

フィルムケースに取り込もうとして、人差し指の第1関節にツキーン!と痛みが走る。

刺されてしまった。

寄生蜂と侮るなかれ、結構痛い。

でも5分ほどで痛みは引いた。

腫れたりはしなかったが、4日ほどは痒みがあった。

以前キイロスズメバチに刺されたときは、針で刺したと言うよりもラジオペンチでフンギュッ!と挟まれたような痛みだった。

社会性ハチ類の毒は、寄主の麻酔に使うヒメバチと違って哺乳類にダメージを与えるような毒になっているらしい。

1週間ほどは腫れて痛いし、1ヶ月くらいは思い出したように痒みがぶり返したような記憶がある。

気を取り直しまして、、、

背面

ムラサキウスアメバチ
Dyctyonotus purpurascens

腹部は背面から見て幅が狭いアメバチ型の体形である。


側面

ムラサキウスアメバチ
Dyctyonotus purpurascens

ムラサキというより体はうっすら藍色の光沢。

ルリアリの腹部みたいな光沢である。


胸部背面

前伸腹節は皺状の印刻があるのだけれど、短毛が多くて写真にすると判りづらくなってしまった。

胸部側面

中胸側板にカッコいい印刻がある。


後体節第1節

腹柄状で気門は後方よりにある。


翅の拡大

ムラサキウスアメバチ
Dyctyonotus purpurascens

濃色で翅脈が判りづらいのでスライドグラス2枚で挟んで透過光気味に撮ってみた。

翅脈の透明域が判りやすくなったような?

前翅は鏡胞を欠く。


がっしりした感じ。触角は橙色。


私を刺した産卵管

短め。鋸歯はないように見えるが上下に切り込みがある。


爪の拡大

とっても櫛歯状。

ヒラタゴミムシやアトキリゴミムシの一部の爪も櫛歯状だった。

(突発的に思い出したので書いておく。)


日本産アメバチ亜科で黒紫色なのは今のところ本種だけなので、同定難易度の高いヒメバチの中では今のところ判りやすい種類である。

今のところ、と書いたのは複数種混じっている可能性がある、とツイッターで見たことがあるから。

一昨年辺りだったか標本募集中、とあったのでまだ検討中の模様。


ではまた

2021年8月28日土曜日

ヘビヌカホコリ

今週は初めて見たキノコ、、、、キノコ?

を貼っておしまい。

アラカシの倒木を下から覗いたらいた。

ヘビヌカホコリ Hemitrichia serpula
ネットで以前見かけて、ヘンテコな変形菌だのう、と思ってたやつ。

帰ってから画像を確認したら幼虫が写っていた。

しまった、変形菌食うやつか?と思ったけど

ヘビヌカホコリ Hemitrichia serpula
次の画像では移動しており、その次ではいなくなっていたので、ただの通りすがりの模様。

捕食性のハネカクシとかゴミムシ辺りの幼虫だったのかもしれない。

採ってないので真相は闇の中。。。

近くに白いのもあった。

ヘビヌカホコリ Hemitrichia serpula
白いのは未熟な状態らしい。

右上の筆みたいなのも確か変形菌だったと思う。


ではまた

2021年8月21日土曜日

ウロコチャタテ科の不明種

 盆明けの月曜日、私はこの日まで休みだったのでお散歩へ。

夜のうちは雨だったので、下草はビチョビチョ。

そのおかげかどうか判らないが、真っ昼間にアブラゼミが羽化していた。

最初は羽化失敗して死んじゃってるのかと思った。

が見ているとじわじわ動いている。

夜、雨が降っていたから穴の奥で待機していたのかも?

昼間、セミの穴を覗くとたま~に幼虫と目が合うことがある。

1時間後、翅を伸ばし終わったので離脱。

1時間も見てたのか。暇人か。

ヒスイ色の翅脈が何とも言えず。

ここら辺はツイッターに貼ったので置いといて。


天気が悪いのでこれ以外はあまり虫もおらず。

谷筋のいつもコケガの幼虫とかがいる木の幹で、

小さいキジラミみたいな虫を吸虫管で吸って帰った。

次の日、実体顕微鏡で覗いてみるとあら不思議、

見たことない虫がいた。

ウロコチャタテ科の1種
Amphientomidae Gen. sp.
毛が鱗片になっている小蛾みたいなチャタテムシである。

斜めから

ウロコチャタテ科の1種
Amphientomidae Gen. sp.
見たことない翅の模様である。

図鑑見ても載っているはずもなく、、

ネットをざっと検索してもほとんど判らず。

唯一見つけたのが以下のサイト。

「淡路島の生き物たち3」の以下のページ。

「庭・野山 その他の昆虫(5)」

ここに、まるきり同じ種類が載っていたが

結局不明種であった。


20年以上同じところを歩いているのにまだ不明種が採れる。

おまけ、顔

つるんぺたんとした顔。

複眼には縞模様がある。


ではまた。

2021年8月14日土曜日

ヨツスジトラカミキリの交尾器とか跗節の毛とか

虫枯れの季節である。

普通種からナントかネタをヒネクリ出すの回。

ツイッターに投稿したヨツスジトラカミキリ↓

別の場所でも交尾ペアがいたのでワンペア確保。

せっかくなので交尾器を観察。

ヨツスジトラカミキリ
Chlorophorus quinquefasciatus
female genitalia

産卵管が案外長い。

右下の丸いのが貯精嚢。

外敵に食べられないように枯れ木の隙間の奥に産卵するためであろう。


♂交尾器

ヨツスジトラカミキリ
Chlorophorus quinquefasciatus
male genitalia

内袋を反転した♂交尾器

ヨツスジトラカミキリ
Chlorophorus quinquefasciatus
male genitalia
内袋の拡大
ヨツスジトラカミキリ
Chlorophorus quinquefasciatus
male genitalia

カミキリ交尾器の内袋って単純な膜質と思っていたけど、

本種には何やらいろんな硬化部が見られた。

サメの歯状の刺が基部に対と糸ノコ状の棘列が4本。

反転しながら確実に挿入する仕組みのよう。

ただ、オサムシや蛾などで♂と♀で錠と鍵のように袋の形状が複雑になっているわけではないようだ。

でも種類ごとに刺の数や形が違うだろうから、興味のある方は調べてみるのも良いだろう。


ついでに跗節。

ヨツスジトラカミキリ
Chlorophorus quinquefasciatus

左が♂で右が♀。

若干♂の跗節が幅広に見える。

矢印の位置の跗節を拡大。

スケールは0.01mm。

さらに拡大。

スケールは0.0025mm。

同じスケールで別の場所。

毛の先端は葉片状に拡がって、さらに細かい毛が生えているようだ。

有名になったヤモリの足指と同じように、ファンデルワ-ルス力のくっつきパワーを利用しているのだろうか。


細かいところまで見ていくと、普通種でもタノシイね。


ではまた

2021年8月7日土曜日

イシアブの1種 Choerades sp.

 今週も見た虫貼るだけ。

8月最初の日曜日。

外を歩いたら意識が朦朧とする季節。

空調ベストをお散歩に初導入して

割りと意識がはっきりしながら歩く。

でも、虫も暑いのかあまり見かけない。

・・・・・

と、見た記憶のないモノクロのムシヒキアブがいた。

この年になると記憶にないのは当てにならないが、、、確保。

背面

イシアブの1種 Choerades sp.
体長12㎜弱の割りと小型のイシアブだった。

複眼後方と中胸背両肩部に白色微毛域がある。

後は顔面、頬と腹部背板側方に白色の軟毛が生えている。


腹面

側面
口吻は左右に扁平でまっすく。

イシアブの1種 Choerades sp.
イシアブの1種 Choerades sp.
複眼の個眼は正面が大きく、後方は小さくなっている。

大きい方が獲物がよく見えるのかな?

同定なんかは以下のサイトを参考にした。

ムシヒキアブ図鑑 Asilidae in Japan

この属は研究不足で未記載種が多い模様。

今回のは♀なので余計に訳判らんという。。。

判らんけど、当地では初見の種だった。


同属別種のイシアブは以前、旧ブログで紹介している。

insectmoth.hatenablog.com

こっちは褐色の毛が生えているが、やっぱりまだ学名未決定種のよう。


ではまた